大塚国際美術館が、ゴッホの「ヒマワリ」全7点の原寸大陶板を展示します。これまでにも2点の「ヒマワリ」を展示してきましたが、新たに5点の版権を獲得し、展示に加えるものです。
西洋名画の複製を展示
大塚国際美術館は徳島県鳴門市にある陶板名画美術館です。世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する西洋名画1000余点を、オリジナルと同じ大きさの陶板画として複製し展示しています。
ダ・ヴィンチの「モナリザ」「最後の晩餐」や、ボッティチェッリ「ヴィーナスの誕生」、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」など、教科書に出てくるような有名絵画の複製画が多数揃うため、観光客にも高い人気があります。
焼失分も復原
ゴッホの「ヒマワリ」は、水彩なども含めると、十数点が描かれたそうです。そのうち花瓶に入った「ヒマワリ」は全部で7点あるとされ、現在、そのうち6点が、オランダ、日本、ドイツ、イギリス、アメリカなど、世界各地に点在しています。残る1点は兵庫県芦屋市の事業家宅にありましたが、1945年8月に空襲で焼失しました。
同美術館は、開館時から、オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館所蔵の「ひまわり」を展示。2014年には、芦屋市で焼失した「ヒマワリ」を復原し、コレクションに加えています。そして、開館20周年の記念事業として、残る5点の版権を獲得。2018年3月21日に、常設展示として公開を開始することになりました。
「世界でも類のない試み」
7つの「ヒマワリ」を一堂に展示することについて、同館では「世界でも類のない画期的な試み」であるとし、「原寸大の陶板名画の迫力と魅力を存分に堪能できる展示」と胸を張ります。
たしかに、一つの展示室に7つの「ヒマワリ」が並ぶ展示は壮観でしょう。世界屈指の複製美術館として知られる大塚国際美術館ですが、「ヒマワリ」7点で、さらに魅力的になりそうです。(鎌倉淳)