JR東日本が、岩泉線(茂市~岩泉、約38キロ)の廃止を国土交通大臣に届け出ました。2014年3月末を以て廃止されます。
現在、岩泉線は2010年の土砂崩れ脱線事故により長期運休中ですので、実質的にはすで廃止状態にあります。つまり、復旧されないことが正式に決まったということです。JRは、復旧に約130億円かかる一方、2009年度の輸送密度が1日1キロあたり46人と全国の鉄道で最低だとして、岩手県などに廃線を提案してきました。
今後は代替バスの運行内容に関する協議などが始まります。廃線後の鉄道施設・用地の一部は県や地元自治体に無償譲渡され、道路などに活用されます。
廃線後は地元バス業者が代替バスを運行します。年間約4000万円の赤字が見込まれますが、JRが補助します。運行本数は従来の1日4往復を基本とし、停留所も現行の駅を基本に設置します。駅と集落・市街地が離れた岩手大川と岩泉の2駅では、バス路線を市街地まで延長します。接続するJR山田線との乗り継ぎ運賃は適用されませんが、通学定期は3年間、現行運賃との差額補助が行われます。
代替バスは岩泉線と並行する国道340号を走ります。「秘境駅」として知られる押角駅も停留所として存続する見込みです。今後、最大の難所である押角峠では岩泉線の押角トンネル(約3キロ)が県に無償譲渡され、県が片側1車線道路に改良。押角駅周辺はこれまでの鉄道ルートに沿ってバスが運行されます。
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