JR西日本が、大阪環状線への新型車両「323系」の導入を発表しました。2016年度から配備を開始し、2018年度末までに現行車両からの置き換えを完了する予定とのことです。
大阪環状線には、現在103系と201系という国鉄時代の通勤車両が走行していますが、323系の投入により大阪環状線からは姿を消します。とくに103系は、全国的にも数が少なくなっており、大阪環状線からの撤退で、その姿を見られる場所はかなり限られてくるでしょう。
新型車両は3ドア車
323系は、大阪環状線専用車両として開発される新型車両です。大阪環状線専用車両は初めてで、JR西日本が進める「大阪環状線改造プロジェクト」の目玉となります。8両編成のステンレス製車体で、北陸本線に投入された521系3次車、広島地区に投入予定の227系の外観デザインを踏襲しました。大阪環状線のシンボルカラーであるオレンジ色を窓回りや窓下の帯、扉付近などにあしらって、これまでのイメージは維持されます。
ドア数は103系、201系の4枚から3枚に削減されます。これは、紀州路快速や大和路快速などの直通列車とドア位置を揃えるためですが、混雑路線の3ドアは、JRとしては珍しいといえます。車内はロングシートで、混雑する8号車では出入口スペースが拡大されました。
103系は全国的にも消滅へ
323系は配備開始が2016年、配備完了が2019年3月です。103系から先に置き換えていくとみられますので、103系は遅くとも2018年3月までには大阪環状線から姿を消すでしょう。あるいは、もっと早いかもしれません。
正直なところ、大阪環状線の既存車両は古すぎますし、入れ替えは当然のことで、3ドア化も適切でしょう。ただ、昭和的な雰囲気の残る大阪環状線の駅と車両が、どんどん新しくなってしまうことは、残念な気もします。
大阪環状線で103系は、現在7編成56両が在籍しています。また、201系は16編成128両です。103系は全て廃車になり、201系は転属するようです。103系は大阪環状線以外でも、播但線や加古川線などで現役ですが、大阪環状線201系の転属や新車の配置により、これらの区間でも数が少なくなる可能性がありそうです。JR九州でも運用が縮小されており、いずれにしろ、103系は全国的に見ても、あと10年以内には全て置き換えが完了しそうです。
国鉄車両の大団円
ご存じの通り、103系は国鉄が開発した通勤車両で、高度成長期からバブル期にかけて、首都圏や関西で主力車両として通勤輸送を担い続けました。現在40~60代くらいの方には、思い出深い車両でしょう。筆者も、高校時代には103系で通学していたことがありますので、たまに大阪環状線に乗ると、昔が思い出され懐かしく感じてしまいます。
国鉄型車両としては、最近ではJR北海道で711系が来春で運用を終了します。寝台車両の24系も、来春で定期運用を終えるでしょう。
国鉄分割民営化から来春で28年経ちます。車両の寿命を考えれば仕方ありませんが、いよいよ国鉄型車両が完全に姿を消す時期が近づいてきたようです。