大阪~加賀温泉郷を結ぶ高速バスが運行を開始します。2022年度末開業予定の北陸新幹線敦賀延伸をにらみ、直通バスのニーズを確保しようというものです。
「ブルーライナー加賀四湯号」
大阪~加賀温泉郷の高速バスを運行するのは、日本海観光バス。愛称は「ブルーライナー加賀四湯号」です。天王寺から、梅田、長岡京を経て山中温泉、山代温泉、片山津温泉、あわづ温泉を結びます。
梅田~あわづ温泉の所要時間は5時間20~30分。運行開始は2017年11月22日、運賃はおとな片道2,500円~です。
「ブルーライナー加賀四湯号」時刻表
▽大阪→加賀温泉郷
天王寺09:10→梅田9:50→長岡京10:40→福井北13:40→山中温泉14:20→山代温泉14:40→加賀温泉駅14:50→片山津温泉15:00→あわづ温泉15:20
▽加賀温泉郷→大阪
あわづ温泉13:35→片山津温泉13:55→加賀温泉駅14:05→山代温泉14:15→山中温泉14:35→福井北15:35→長岡京18:15→梅田18:55→天王寺19:25
JRの利便性低下見据え
現在、大阪と北陸地方を移動するには、JR特急「サンダーバード」が便利です。大阪~加賀温泉間は2時間20分程度で、高速バスに比べて圧倒的に速いです。
ただ、2022年度末に予定されている北陸新幹線敦賀延伸が実現すると、大阪~北陸地方をJRで旅行する場合、敦賀での乗り換えが必要になります。大阪~加賀温泉間では、新幹線開業による所要時間の短縮は10~20分程度と限られる一方で、乗り換えの手間が増えることになります。
「ブルーライナー」が大阪~加賀温泉間の高速バスを運行開始するのは、こうしたJRの利便性低下を見込んでのこと。日本経済新聞2017年10月5日付によると、「鉄道の利便性低下を見越し、直通バスのニーズを取り込む」ことを狙っているそうです。所要時間はかかるものの、大阪市内から温泉郷まで直行する利便性を訴えていくのでしょう。
高速バスは人気化するか?
日本海観光バスは、2017年8月に高速バス事業に参入し、大阪と金沢を結ぶ「ブルーライナー北陸便」という夜行バスを毎日1往復運行しています。昼行の加賀四湯号の運転で、関西と北陸を結ぶ路線が強化されることになります。
関西と北陸を結ぶ高速バスとしては、西日本JRバスや阪急高速バスといった鉄道系の会社も健在です。新幹線敦賀延伸後、こうした高速バスが人気を博す可能性もありそうです。