大阪・関西万博のゴールデンウィークの来場者数が伸び悩みました。これまでの来場者数を日にち別にランキングしてみると、意外と空いている日がわかり、今後の参考になりそうです。
GW最高は5月4日
大阪・関西万博のゴールデンウィークの来場者数は、5月3日までの確定数と、5月5日までの推計人数が公表されています。
確定値では、開幕日の4月13日(日)の12万4339人(関係者除く、以下同)が最高です。
開幕日以外の確定日では、5月3日の10万2810人が最も多くなりました。推計値を含むと5月4日の11万5000人が最高です。
確定値は推計値を数千人上回る傾向にあるので、5月4日は12万人程度の来場者数があったとみられ、ゴールデンウィークで最高の人出となったようです。
大阪万博来場者数ランキング
では、これまでの来場者数をランキングにしてみましょう。5月4日、5日は推計値ですが、そのままの数字を当てはめています。
4月13日(日):124,339人[雨のち曇]
5月 4日(日):115,000人[曇のち晴]
4月26日(土):104,803人[晴]
5月 5日(月祝):104,000人[晴のち曇]
4月28日(月):103,817人[曇のち雨]
5月 3日(土):102,810人[晴のち曇]
4月19日(土):94,081人[晴のち曇]
4月25日(金):93,168人[曇のち晴]
4月24日(木):91,512人[曇のち晴]
5月 1日(木):88,397人 [晴のち曇]
5月 2日(金):87,064人 [雨のち晴]
4月22日(火):86,630人[曇のち雨]
4月27日(日):85,030人[晴のち曇]
4月30日(水):83,776人[晴]
4月21日(月):82,286人[晴]
4月23日(水):81,345人[雨のち曇]
4月29日(火祝):79,746人[晴一時雨]
4月20日(日):79,382人[曇]
4月18日(金):78,721人[曇のち晴]
4月17日(木):67,652人[晴]
4月16日(水):58,703人[晴]
4月14日(月):53,660人[晴のち曇]
4月15日(火):47,781人[雨のち晴]
4月28日が意外な混雑
10万人を超えたのは、4月13日(日)、5月4日(日)、4月26日(土)、5月5日(月祝)、4月28日(月)の5日間です。このうち、4月28日だけが平日です。
4月28日(月)は、ゴールデンウィーク中の平日で、飛び石連休の中日でもあるので、普通の平日とは異なります。それでも10万3817人の来場者を集め、5月3日(土祝)の10万2810人を上回りました。
いっぽう、その前日の4月27日(日)は、8万5030人、4月29日(火祝)は7万9746人にとどまりました。ゴールデンウィークの休日にもかかわらず、平日並みの混雑だったことになります。
飛び石連休の休日が空いていて、中日の平日が混雑していたわけです。平日を狙って28日に出かけた方には、残念な結果だったかもしれません。
来場者数が少なかった日
来場者数が少なかった日もみてみましょう。8万人を下回ったのは、以下の7日間です。
4月29日(火祝):79,746人[晴一時雨]
4月20日(日):79,382人[曇]
4月18日(金):78,721人[曇のち晴]
4月17日(木):67,652人[晴]
4月16日(水):58,703人[晴]
4月14日(月):53,660人[晴のち曇]
4月15日(火):47,781人[雨のち晴]
開幕直後の月~金曜日は、いずれも8万人以下で空いていました。最低は4月15日(火)の47,781人です。
博覧会は、開幕直後が最も空いているというのがセオリーですので、おそらく4月15日の最低記録は破られないでしょう。前述の通り、4月29日も意外なほど、客足が伸び悩みました。
土曜日は混雑
大阪・関西万博の開幕からおよそ3週間が過ぎ、ここまでの来場者数の傾向をみてみると、土曜日が混雑しているのは確かです。日曜日も混雑しますが、土曜日に比べると空いている傾向です。
また、飛び石連休の前後の休日は、意外と穴日かもしれません。
天候の影響は、あまり見て取れません。雨の日は少ない傾向もありますが、大きく落ち込んだのは、開幕直後の4月15日くらいです。
予約制の影響か
よくいえば、混雑は平準化されています。ゴールデンウィークはやや混雑したとはいえ、通常の週末より少し客足が多い程度にとどまりました。
その原因は、おそらく「入場時間の予約制」の影響でしょう。9時や10時台の入場時間の予約が取れなければ、来場そのものを見送った人が多いとみられます。このことが、ゴールデンウィークでも、想定外に客足が伸びなかった原因ではないでしょうか。
前期券期限がポイント
ただ、会期が後半になると、「終わる前に見ておこう」という人も増えるので、予約制の影響は、今後、薄れていくかもしれません。また、9時や10時台の予約枠も拡大傾向にあるようなので、その点でも、客足は今後伸びていくと思われます。
当面のポイントは、7月18日です。7月18日までは、前期券(発売終了済)の有効期限なので、カケコミでの盛り上がりがあるかもしれません。
また、5月から6月は、運動会を開催する小中学校も多いので、代休となる月曜日は意外と混雑する可能性があります。
目標達成できるのか
これからの注目点は、最終的に来場者数は目標達成できるのか、という点でしょう。これについては、ゴールデンウィークですら開幕日を超えられなかったという事実は重く、会期後半に多少伸びたとしても、現時点で、実現は厳しい見通しと言わざるをえません。
来場者を増やそうにも、予約制の足かせがありますので、9時10時台を増やすには限りがあります。しかし、9時10時台の枠を増やさなければ、日中の来場者は増えないでしょう。
そこで、運営側では、夜間入場に力を入れているようです。5月7日からは、夜間券の利用可能時間を拡大し、1時間早い16時からとするキャンペーンを開始しました。
おそらくは、今後も、夜間入場を促進する施策を打ち出して、来場者の底上げを図るとみられます。どれだけ効果があるかは未知数ですが、夏の暑い時期は、日中時間帯に熱中症のリスクがありますので、夜間来場者が増える余地はあります。したがって、キャンペーンには多少の効果があるかもしれません。
今後、運営側がさらなる夜間来場促進策を実施する可能性もあります。現時点では、夜間はとくに空いているようですが、施策によっては混んでくるかもしれませんので、訪問を予定している人は頭に入れておくとよさそうです。(鎌倉淳)