「アンカレジ乗り継ぎ」が日米路線の新ルートに。LCCノーザンパシフィック航空が成田線など就航へ

2022年中に就航

アラスカ・アンカレジを拠点とする新LCC・ノーザンパシフィック航空が北太平洋を横断する新路線を計画しています。早ければ2022年中にも成田線を開設する予定で、北米大陸への新たなルートになりそうです。

広告

北米~アジアを結ぶ

ノーザンパシフィック航空は、アメリカ・アラスカ州アンカレッジを拠点とする格安航空会社LCCです。既存航空会社・レイバンアラスカのグループ企業として2021年に設立されました。2022年中の運航開始を計画しています。

ノーザンパシフィック航空は、北米とアジアをアラスカ経由で結ぶことをビジネスモデルとしています。アンカレジ経由で北米~アジア間の旅客を集めるということです。

アジア側の当初の就航候補地は東京、大阪、名古屋、ソウル。アメリカ側は、ニューヨーク(JFK)、ラスベガス、オーランド、サンフランシスコ、ロサンゼルスです。

ノーザンパシフィック航空
画像:ノーザンパシフィック航空ウェブサイトより

入国審査が早い

アジアとアメリカをアンカレジで乗り継ぐと聞くと大回りにも思えます。これについてノーザンパシフィック航空は、アンカレジでの入国検査はニューヨーク(JFK)やロサンゼルスよりスピーディーであることから、乗継時間を短く設定でき、トータルの所要時間の差は小さくなるとPRしています。

同社がモデルとしているのはアイスランド航空です。アイスランドは北米とヨーロッパをつなぐ中継地で、アイスランド航空は乗継便を格安運賃で提供することにより、2大陸間を移動する旅客を集めています。ストップオーバーでアイスランド観光を希望する旅行者にも人気だそうです。

ノーザンパシフィック航空でも同様に、アンカレジでのストップオーバにより、アラスカ観光をする需要も掘り起こそうとしているようです。

広告

757-200型機を使用

ノーザンパシフィック航空の使用機材は、ボーイング757-200型機。単通路機としては大きい機材です。すでに製造が終了していることから、中古機を集めて運航します。ビジネス、プレミアム、エコノミーの3クラスで、総座席数は180席程度の模様。価格は競合他社より10~20%安い運賃を目指します。

LCCの太平洋路線と言えば、JAL子会社のジップエアが成田~ロサンゼルス間に就航したばかりです。しかし、アメリカ東海岸をはじめ、北米他都市へは乗り継ぎが必要です。

どうせ乗り継ぐのであれば、アンカレジ経由はアラスカ観光に興味のある旅行者には魅力的で、たしかに選択肢になるでしょう。アラスカに興味のない旅客も、ニューヨークやロスのイミグレーションにはうんざりさせられているでしょうから、それを避けることで時間短縮をするという宣伝文句には、一定の説得力があります。

中継地として再注目

何よりも、東京、名古屋、大阪の三大都市圏からアンカレジへの直行便が復活するのであれば、それだけで楽しみです。かつてはアジア~ヨーロッパ航路の中継地であった極北の地が、日米路線の新ルートとして再び脚光を浴びるという点でも注目に値するでしょう。

新型コロナ感染症の状況が落ち着かない状況でもあり、本当に2022年中に路線開設にこぎ着けるかは定かでありませんが、就航が待ち遠しいエアラインです。(鎌倉淳)

広告