「ニセコ」リフト1日券が9500円に。2024年シーズン、1万円に迫る

スキー場インフレは止まず

ニセコ全山共通リフト券の2023-24年シーズンの価格が発表されました。大人1日券は9,500円で、昨シーズンより1,000円の値上げ。いよいよ「リフト1日券1万円」時代が目前に迫ってきました。

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大人1日券で1,000円値上げ

ニセコアンヌプリ山の裾野には、ニセコグラン・ヒラフ、ニセコHANAZONO、ニセコアンヌプリ、ニセコビレッジという、4つのスキー場があります。4スキー場を合わせて「ニセコユナイテッド」と総称し、全山共通リフト券を発売しています。

その2023-2024年シーズンの価格が発表されました。レギュラーシーズン(12月16日~3月20日)のリフト1日券は大人9,500円で、昨シーズンの8,500円から1,000円の値上げです。

シニア・中学生は6,800円が7,600円となり800円の値上げ。小学生は5,100円から5,700円になり600円の値上げです。

ニセコ全山リフト料金
画像:ニセコ全山ウェブサイトより

 

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複数日券の値上げ大きく

値上げ幅が大きいのは、複数日券です。大人料金だけを拾ってみると、以下のようになります。

・2日券 15,600円→18,500円(△2,900円)
・3日券 22,700円→27,500円(△4,800円)
・4日券 29,800円→36,500円(△6,700円)
・5日券 36,900円→45,500円(△8,600円)
・6日券 44,000円→54,500円(△10,500円)
・7日券 51,100円→63,500円(△12,400円)
    [中略]
・12日券 86,600円→108,500円(△21,900円)

7日券を例に取ると、昨シーズンは1日あたりの割引率(対1日券)は14%でしたが、今シーズンは4.5%にまで下がっています。7日券の有効期間は7日間なので、連日みっちり滑るならともかく、1日でも滑らない日があれば割にあいません。

12日券ですら4.8%の割引率です。12日券は14日間の有効日数ですので、14日のうち3日休んだら割にあわなくなります。

ニセコアンヌプリ

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インバウンドがターゲット

長期滞在をするのは、日本人よりも外国人が多いでしょう。つまり、複数日券の値上げは、インバウンドのリゾート客をターゲットにしたといえそうです。

冬の北海道は天候が不安定ですし、ニセコの場合、荒れると山頂リフトが動かないので、全山券の威力も半減します。となると、この割引率で複数日券を購入するメリットは小さそうです。

キロロは900円値上げ

北海道の大型スキー場では、キロロスキー場も2023-24年シーズンのリフト券価格を発表しています。

キロロでは、大人1日券が昨シーズン6,500円だったところ、今シーズンは7,400円に値上げとなりました。

また、キロロは複数日券の1日あたりの価格は全て7,400円です。つまり、複数日割引はありません。ただし、同一シーズンであれば、日にちを分けて使うことができます。

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スキー・スノボ離れが心配に

これから秋を迎えて、2023-24年シーズンのリフト券価格が各スキー場で続々と発表されていくでしょう。ニセコが9,500円という値付けをしたことで、いよいよ日本でも、リフト1日券1万円台が視野に入ってくるでしょう。

ニセコ全山のリフト券は、国内最高水準の価格ですので、今シーズンにここを大きく上回る価格のリフト券は登場しないかもしれません。

しかし、2024-25年シーズンで、リフト1日券1万円が現実になる可能性が高まりました。外国の主要スキー場と比べれば、ニセコクラスが1万円ならまだ安いという声もあります。

また、キロロが7,400円となれば、他にも7,000~8,000円台の値付けをしてくるスキー場が相次ぐとみられます。となると、「リフト1日券7,000円」は多くのスキー場に広まりそうです。

昨今のインフレや円安を鑑みればやむを得ないところですが、日本人の所得が大きく上がっているわけではありません。日本人のスキー・スノボ離れが進まないか、心配です。(鎌倉淳)

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