大阪市中心部を南北に縦断する「なにわ筋線」について、大阪市が環境アセスメントの方法書(環境影響評価方法書)を公開しました。これにより、なにわ筋線建設工事の概要が判明しました。
総延長は7.4km
大阪市が公表した環境影響評価方法書によると、なにわ筋線は、JR・南海の共同営業区間として北梅田駅(仮称)~西本町駅(仮称)、JR営業区間として西本町駅~JR 難波駅、南海営業区間として西本町駅~南海新今宮駅の3区間で構成します。総延長は7.4kmです。
路線は北梅田駅を起点とし、地下構造でなにわ筋に向けて南西に進み、JR大阪環状線福島駅付近でなにわ筋の地下に入ります。その後、なにわ筋の地下を南下し、中央大通の南で分岐し、2方面に分かれ、JR 難波駅と南海新今宮駅にそれぞれ接続します。
JR難波駅へはそのまま地下構造で接続。南海新今宮駅へはパークス通の浪速区敷津東3丁目付近で地上に移行し、高架構造で南海本線へ合流します。
南海新難波駅は地下深く
新設駅は、中之島駅、西本町駅、南海新難波駅の3駅(いずれも仮称)で、中之島駅で京阪中之島駅と連絡します。また、南海新難波駅で市営地下鉄、南海、近鉄の各駅と連絡します。
西本町駅については、「大阪市営地下鉄阿波座駅・本町駅の近傍」と表現され、連絡はしないようです。
断面図を見ると、南海新難波駅の深さが目に付きます。明確な深度はわかりませんが、御堂筋線はもとより、千日前線、近鉄奈良線のはるか下を通るため、かなりの深さで、乗り換えは少し大変かもしれません。
工法としては、北梅田駅~西本町駅~JR難波駅はおもに複線シールドです。西本町駅~南海新難波駅は単線シールド。南海新難波駅~新今宮駅は、単線シールドから開削、堀割、高架へと上っていきます。中之島駅部と西本町駅部は開削工法です。
最高速度110km/h
運転計画としては6両、8両、9両編成の列車が、1日最大560本走ることを想定しています。JRは特急系統と普通系統、南海は優等列車と普通列車が走ります。最高速度は110km/hで、1日あたり約20万人の利用を想定しています。
事業スキームは、地下高速鉄道整備事業費補助による上下分離方式を想定。整備主体は関西高速鉄道株式会社、営業主体はJR西日本と南海電鉄です。
工事期間は2019年度から2031年度の12年間。開業目標は2031年春です。(鎌倉淳)