東海道新幹線のグリーン車でモバイルオーダーサービスが開始されました。さっそく使ってみました。
11月1日スタート
東海道新幹線は2023年10月31日を以て車内販売を終了し、翌11月1日からグリーン車限定でモバイルオーダーサービスを開始しました。
東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」のグリーン車で、旅客が自分のスマートフォンで食事や飲み物を注文できるサービスです。
初日の11月1日の午前中、「のぞみ」号に乗りましたので、さっそく利用してみました。
新横浜出発後に注文可能に
モバイルオーダーの案内は、グリーン車座席ポケットに入っています。
二次元コードを読み取ると、モバイルオーダーの注文画面に飛ぶ仕組み。
ただ、東京駅出発直後は、まだ注文できません。注文が可能になるのは、新横浜出発後です。
モバイルオーダーのメニュー
注文可能時間になると、メニュー画面が現れます。
モバイルオーダーサービスで注文できるメニューは以下の通りです。
【ドリンク】
ホットコーヒー ¥400
アイスコーヒー ¥400
ウィルキンソン炭酸水250ml ¥120
POMポンジュース ¥190
静岡茶 500ml ¥170
Mont Fuji (ミネラルウォーター)500ml ¥140
ザ・プレミアムモルツ350ml ¥360
スーパードライ350ml ¥330
タカラ缶チューハイレモン350ml ¥290
山崎12年(氷と水または炭酸水付き)50ml ¥1,470
【食事】
特製幕之内御膳 ¥1,500
ミックスサンド ¥680
【つまみ・菓子】
柿の種とピーナッツ ¥300
チップスター極(伊勢えび味)東海道新幹線限定 ¥260
チップスター極(海の精焼き塩味)東海道山陽新幹線限定 ¥220
おつまみセレクション ¥500
スジャータアイスクリーム(チョコレート) ¥400
スジャータアイスクリーム(バニラ) ¥340
(オーボンヴュータン)プティフールセック ¥720
(キルフェボン)焼菓子2本セット ¥580
【その他】
N700Sアルミアイスクリームスプーン(ブルー)¥700
車内販売よりメニューは限定され、価格も改定されています。それでも、人気メニューのコーヒーやアイスクリームが残されているので、旅客にとっては何よりです。
コーヒーを注文してみると…
新横浜を出たところで、コーヒーを注文してみました。
メニューを選び、列車名と座席番号、降車駅を入力するだけです。
サイトの操作性は悪くありません。ただ、新幹線のWi-Fiが重く、なかなか先に進まないので、結局、筆者はケータイ通信(4G/5G)でオーダーしました。
配達まで12分
画面での「待ち時間の目安」は5分程度。ただ、実際に届くまで12分くらいかかりました。
パーサーさんがコーヒーをカゴに載せて運んできてくれます。
初日だからか、クッキーのサービス付きでした。
支払いは現金またはICカードで、届けられたときに支払います。
注文時にクレジットカードなどで課金したほうが、座席でのやりとりが少なく、オペレーションの改善につながると思われますが、今後の課題でしょう。
熱海で注文し、浜松で届く
パーサーさんが配達のために車内を往来している姿はあまり見なかったので、注文している人はそれほど多くはないようでした。
そのわりに提供には時間がかかっているようで、熱海駅を過ぎたあたりで、待ち時間は「25分」となっていました。
熱海付近で注文していた近くの客を見ていると、コーヒーとサンドイッチが運ばれてきたのは、浜松を過ぎたあたりです。
サンドイッチは売り切れ
その浜松付近でメニューを確認してみると、すでにサンドイッチは売り切れです。あまり多くの量を積み込んではいないようです。
ちなみに、幕の内弁当について、「夕方の列車で買ってみたいのだけれど、何個くらい積んでいるのか」とパーサーさんに尋ねてみると、「2個」というお返事でした。
いまどき車内で弁当を買う旅客は、非常に少なくなっているのでしょう。
積載数は、今後、実績を基に調整されていくとみられますが、「グリーン車だから食事は車内でも買える」と考えると、売り切れに遭う可能性もありそうです。
名古屋を発車し、関ヶ原を過ぎたあたりで、モバイルオーダーサービスの終了を告げるアナウンス。下り列車の営業区間は、おおむね「新横浜発車後から、岐阜羽島通過」くらいまででした。
スゴクカタイアイスは健在
新大阪から東京へ、夕方の上り便もグリーン車に乗ってみました。
上り列車は、京都出発後からのサービス開始です。今度は、アイスクリームをオーダーしてみます。
これまでどおりの、スジャータのアイスクリームが届けられました。
しっかり「スゴクカタイ」です。
今回も、注文時の表示は「5分」でしたが、届くまで15分くらいかかりました。
客としては座っているだけなのでストレスはありませんが、15分待って、溶けるのを10分待つと、注文してから食べるまで30分近くかかってしまいます。
朝の下り列車に比べて、モバイルオーダーを利用している人は多いようで、パーサーさんがビールなどをカゴに載せて往来していました。
上りは小田原で終了
上り列車の営業は、小田原を通過したあたりで終了。営業区間は「京都発車後から新横浜到着前」という感じでしょうか。
ちなみに、「2個しか積んでいない」弁当は、上下便とも営業終了間際まで残っていました。
乗車後早めに注文を
モバイルオーダーサービスを使ってみた感想としては、スマホで注文して、座っているだけで座席まで届けてくれるので、便利です。
車内販売のように、いつ来るかわからないのを待つストレスはありません。
ただ、注文したものにありつけるのは、下りは小田原付近から、上りは米原付近からなので、「東京や新大阪で乗ってすぐにコーヒーを飲みたい」という方は、駅で買っておいたほうがよさそうです。
利用者としては、注文してから届くまで10分程度か、それ以上はかかるので、逆算して注文するといいでしょう。
一人旅の場合、注文してから届くまで席を離れられないので、トイレなどは注文前(もしくは注文直後)に済ませておくとよさそうです。
実質的なサービス区間は下りが新横浜~岐阜羽島間、上りが京都~小田原間で、営業時間は1時間半程度と長くはありません。注文してから届くまで時間もかかるので、使ってみる予定なら、乗車後、早めに注文した方がよさそうです。(鎌倉淳)