「リフト1日券6,000円」時代に。全国主要スキー場調査、平均10%値上げ

北海道で高騰激しく

全国の主要スキー場でリフト券が高騰しています。前年に比べ平均で約10%値上がりしていて、大規模スキー場では大人1日券6,000円台が相場になってきました。

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主要スキー場36箇所調査

2022-2023年のスノーシーズン入りを前に、全国のスキー場が相次いでリフト券価格を発表しています。その価格を当サイトが調査したところ、大人1日券が平均で約10%値上がりしていることがわかりました。

スキー場は、照明や圧雪、暖房などで光熱費がかさみます。円安や燃油費高騰によるインフレで、今シーズンの採算は厳しく見込まれていて、リフト券価格に強く反映される形となりました。

調査は、すでに2023年シーズンのリフト券価格を発表している主要スキー場36箇所(一部は共通リフト券)を対象におこないました。ウェブサイトなどで公表している大人1日券の窓口販売価格を調べています。2023年リフト券価格が未発表のスキー場は調査対象外です。

結果は下表の通りです。

2023/22リフト券価格比較(大人1日券)
スキー場 2023年 2022年 値上げ率
富良野 6500 6000 8%
サホロ 6600 5800 14%
カムイ 3800 3800 0%
トマム 5900 5900 0%
ニセコ全山 8500 8100 5%
ニセコヒラフ 6600 6600 0%
ニセコビレッジ 6800 6200 10%
ニセコアンヌプリ 5900 5600 5%
ルスツ 8800 6500 35%
キロロ 6500 5900 10%
安比高原 5500 5600 ▼2%
蔵王温泉 6300 5500 15%
アルツ 4900 4900 0%
ハンターマウンテン 5500 4900 12%
万座温泉 5000 4700 6%
MtNaeba 7000 6000 17%
苗場 6000 5200 15%
かぐら 6000 5200 15%
岩原/上越国際 4500 4300 5%
神立 5200 4800 8%
GALA湯沢 6000 5200 15%
軽井沢プリンス 7500 5700 32%
菅平高原 5400 4900 10%
志賀高原 6500 6000 8%
野沢温泉 6000 5200 15%
斑尾高原 5500 5000 10%
赤倉観光 4800 4800 0%
アライ 6000 6000 0%
白馬五竜/47 6000 5500 9%
白馬八方尾根 6500 5500 18%
白樺高原/2in1 4800 4800 0%
高鷲/ダイナ 5400 4900 10%
めいほう 4500 4300 5%
ハチ/ハチ北 5000 4800 4%
平均 10%
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ルスツは35%値上げ

調査した主要スキー場でもっとも値上げ率が大きかったのが、北海道のルスツリゾート。2022年シーズン(前年度)が6,500円のところ、2023年シーズン(今年度)は8,800円となり、35%の大幅値上げです。

ルスツは値上げを6月に公表しており、その値上げ率の大きさは衝撃をもって受け止められました。ルスツに次いで大幅値上げをしたのが軽井沢プリンスで、前年の5,700円を一気に7,500円としました。

他のスキー場でこれらに匹敵する大幅値上げを打ち出した施設は見当たりません。今回調査したなかでは、ルスツと軽井沢プリンスが突出した値上げ率となっています。

リフト

八方尾根は18%値上げ

超大型スキー場としては、ニセコ(全山)が8,500円で、前年度の8,100円から8%の値上げ。志賀高原が6,500円で、前年度の6,000円から8%の値上げ。白馬八方尾根が6,500円で、前年度の5,500円から18%の値上げとなっています。

一方、安比高原スキー場は、調査した施設で唯一値下げし、5,500円と、前年度の5,600円より100円安くなっています。ただ、今シーズンの安比高原は稼働リフトを削減し、ナイター営業も予定していません。つまり、営業規模縮小の引き替えとしての値下げです。実質的には値上げに近いでしょう。

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北海道のリフト券が高騰

リフト券1日券の絶対的な金額で最も高いのは、ルスツの8,800円、次いでニセコ全山の8,500円です。ニセコはグランヒラフの単体券なら6,600円で据え置きです。ニセコではビレッジが6,800円で前年の6,200円から値上げ。アンヌプリも5,900円で5,600円から値上げとなっていて、ニセコ全山券も400円(5%)の値上げとなりました。

北海道ではサホロが6,600円、富良野、キロロが6,500円と、全体的にリフト券が高騰しています。北海道は本州より光熱費がかさむという事情もあるでしょうし、外国人の人気が高いので、円安を背景に強気の価格を設定している側面もあるのでしょう。

ただ、ルスツでは1時間単位で滑れる25時間券で値上げ幅を抑えるなど、地元客のリピーターへの配慮を見せています。

また、カムイスキーリンクスは3,800円の据え置きで、道内の大規模スキー場のなかで安さが際立ちます。カムイは外国人客が少ないうえ、公設(民間委託)の施設という事情が関係しているのかもしれません。

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6,000円台が標準に

本州では、軽井沢プリンスの7,500円が筆頭で、Mt. Naebaの7,000円が続きます。八方尾根と志賀高原が6,500円、蔵王温泉が6,300円。苗場(単体)、かぐら(同)、GALA湯沢、野沢温泉、アライ、白馬五竜が6,000円に乗せています。

「6,000円」というリフト1日券料金は、つい数年前までほとんどみなかった価格ですが、今シーズンでは大規模スキー場で標準的な相場になりつつあります。

一方、赤倉観光や白樺高原(しらかば2in1と共通)のように、中堅クラスのスキー場では、リフト券価格を据え置いているケースもあります。

まだリフト券価格を発表していないスキー場も多く、インフレを背景に、価格設定に悩んでいる運営元の姿が目に浮かびます。(鎌倉淳)

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