JR東海は2013年6月3日、リニア中央新幹線で使う営業車両「L0(エルゼロ)系」を山梨県都留市の車両基地から実験線の本線に移し、報道陣に公開しました。L0系が実際の線路上を走るのは初めてです。この後、機器の作動状況のチェックや速度などの調整を行い、6月中にも車両を浮上させた状態での試験を始めます。徐々に速度を引き上げ、9月には時速500キロでの本試験に移行する計画です。
公開された車両は5両編成。けん引車の力を借りて登場しました。この日は浮上走行はなく、ゴム製のタイヤでゆっくりと移動しました。これまで先頭車は公開されていましたが、5両が連結された状態は初めてです。
この後の試験では電気設備や「ガイドウエイ」と呼ばれる線路と車両との連携確認を繰り返します。その確認ができたうえで速度を徐々に上げていきます。当面は5両編成で試験を実施しますが、近い将来に最大12両まで増やしていきます。
これまでも試験走行は行われてきましたが、旧型車両を使っていました。L0系の試験走行は実験線を従来の2.3倍の42.8キロに延伸して行われます。延伸された実験線では、約2分間にわたり、営業最高速度の500キロで走行できるようになります。従来は約30秒間でしたので、最高速の時間は4倍に伸びるわけです。今後、一般客を対象にした試乗会も実施されるようです。
世界初の超電導リニア実現に向け、大きな第一歩を踏み出しました。開業が待ち遠しいですが、現在中止されている試乗会の再開にも期待したいものです。
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