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くま川鉄道の「再構築」決定。上下分離で26年度全線運転再開へ

利便性向上策も

くま川鉄道の再構築実施計画が認定されました。2026年4月より上下分離方式に移行し、2026年度上半期の全線復旧と運転再開を目指します。

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2020年豪雨で被災

くま川鉄道は、人吉温泉~湯前間の湯前線24.8kmを運営する第三セクター鉄道です。かつての国鉄湯前線で、1989年に第三セクター鉄道となりました。2020年の豪雨で被災し、いまも人吉温泉~肥後西村の5.8kmが運休中です。

路線の持続的運行をするため、復旧にあわせて国土交通省に再構築実施計画を申請。2025年10月24日に認可されました。

くま川鉄道

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上下分離に

これにより、くま川鉄道は、公有民営の上下分離方式に移行します。一般社団法人くま川鉄道管理機構が鉄道施設を無償で譲り受け、第3種鉄道事業者として施設を保有。くま川鉄道は第2種鉄道事業者として、管理機構から施設を無償で借り入れて列車を運行します。

再構築により、社会資本整備総合交付金の対象となり、大規模な設備投資をおこないます。鉄道施設の改修・更新に29億9000万円、維持・修繕の充実に5億3000万円で、総事業費は35億1400万円です。

くま川鉄道再構築・上下分離
画像:国土交通省

 
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利便性向上策も

再構築計画は、利用者の利便性を高め、鉄道を持続的に運行するのが目的です。そのために、利用者の利便性を高める施策が盛り込まれています。

具体的には、二次交通への乗継利便性の向上、パーク&ライド、サイクル&ライド駐車場の設置などの駅周辺整備、駅や車内のWi-Fiなど通信環境設備の拡大、デジタル定期券やキャッシュレス決済等への対応、運行情報のタイムリーな情報発信などが挙げられています。

さらに、イベント列車の運行や割引乗車券の発行も予定されています。

再構築の計画期間は2026年4月1日~2036年3月31日の10年間。計画最終年度(2035年度)の年間輸送人員は54万8000人を見込み、129万円の黒字を目指します。

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。