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熊本市電、益城町や南熊本駅などへ延伸検討。熊本電鉄直通、信用乗車も

連接車両も追加導入

熊本市電の延伸が検討されることが明らかになりました。益城町や南熊本駅方面など3方向です。さらに、熊本電鉄への直通や信用乗車制度も検討されます。新たな都市交通マスタープランの素案に盛り込まれ、今後、具体化に向けて議論が進められます。

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マスタープランの素案公表

熊本市では、都市圏交通体系の中長期的な将来ビジョンとして、熊本都市圏都市交通マスタープランの新たな素案を公表しました。

そのなかに、「公共交通の主な提案施策」として、熊本市電の延伸を盛り込みました。

熊本市電

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延伸候補は3路線

延伸区間として候補に挙がったのは、すでに事業化が決定している東町線のほか、健軍町~益城町、辛島町~南熊本駅前、田崎橋~西区役所の3路線です。

2026年1月3日には、熊本日日新聞が「益城町まで延伸検討」と報じ、3路線のなかで益城町延伸が最有力あることを示唆しました。

熊本市電強化案
画像: 熊本都市圏都市交通マスタープラン(素案)

 
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東部エリアの渋滞を改善

1月5日には、大西一史市熊本市長が年頭会見で、益城町延伸について、「将来のビジョン」としたうえで、「人口が多く、アクセス性を高めていくという意味で非常に大きなこと。東部エリアの深刻な渋滞に改善の影響をもたらす」と意義を説明しました。

いっぽうで、「熊本市だけではできないし、需要や採算の問題もある。県や益城町などと協力しながら検討していきたい」とも付け加えました。また、3路線の優先順位についても「私が明確にするとハレーションが起こる」として、明言を避けました。

要するに、マスタープラン素案で益城町、南熊本駅、西区役所の3方向への延伸構想が示され、そのうち益城町方面が有力であると新聞が報じ、市長がその意義を説明したものの、現段階で益城町方面への延伸が決まったわけではない、ということです。

ちなみに、延伸調査は2015年度にもおこなわれていて、その際は自衛隊ルート(東町線)と南熊本駅延伸が相対的に有利とされていました。したがって、今後の調査によっては、益城町方面よりも南熊本駅延伸が浮上する可能性もありそうです。

熊本市電延伸案
画像:熊本都市圏都市交通マスタープラン(素案)

 
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延伸区間がより明確に

上図に示したように、素案によると、益城町方面へは、健軍町電停から直線距離で5kmの益城町役場周辺まで延伸する案です。

西部方面へは、田崎橋電停から約4kmの西区役所周辺までの延伸です。南部方面へは、辛島町電停から約1.5kmのJR南熊本駅まで延伸します。

2015年度に策定した前回のマスタープランでも、東部、南部、西部の各方面への延伸構想を盛り込んでいましたが、今回は延伸区間をより明確にしています。

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熊本電鉄直通案も

マスタープランの素案では、熊本電鉄と熊本市電を上熊本で相互乗り入れする案や、水道町で結節する案も示されました。また、新水前寺駅・南熊本駅で、豊肥本線との結節を強化する案も提示されています。

いずれも将来構想の域を出ませんが、大西市長は「同時並行で、検討すべきものは急いで検討していく」と述べていて、実現可能性を探る意欲をみせました。

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3連接車両の追加導入も

また、1月5日には、熊本市電再生プロジェクトの「改革の方向性」と題するとりまとめが公表されました。そのなかで、3連接車両の追加導入や、車庫容量拡充の検討が示されました。

乗り降りをスムーズにするため、信用乗車制度についても検討するということです。これらは、マスタープランの将来構想とは違い、市電をめぐる喫緊の課題への対処です。

これらのプロジェクトが、どこまで実現するかは定かではありません。しかし、熊本市電が変化に向けて動き出したのはたしかなようです。(鎌倉淳)

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