熊本県内のバス会社と熊本市電が、2,500円の会員パスを購入すると運賃が半額になる実証実験を開始します。効果はあるのでしょうか。
渋滞なくそう！半額パス
熊本県の鉄道・バス会社5社と熊本市電が「渋滞なくそう！半額パス」を期間限定で販売すると発表しました。
各交通事業者の窓口で2,500円（デポジット500円含む）の会員パスを事前に購入すると、熊本県内全域の路線バス、熊本電鉄の電車、熊本市電の運賃が、実証期間中、何回乗っても通常運賃の半額で利用できます。ただし、平日の朝ピーク時（午前9時まで）は除きます。
対象となるのは、熊本都市バス、九州産交バス、産交バス、熊本バス、熊本電鉄の5社の路線バスと熊本電鉄の電車、熊本市電です。ただし、高速バス、快速バス、特急バス、九州横断バス、空港リムジンバス、阿蘇くまもと空港直行便、阿蘇火口線は対象外です。
適用期間は2024年10月1日～2025年2月28日の5ヶ月間です。
「渋滞なくそう！半額パス」の概要
「渋滞なくそう！半額パス」の概要は以下の通りです。
◆発売開始日：2024年9月21日（土）
◆適用期間 ：2024年10月1日（火）～2025年2月28日（金）
◆利用可能日：平日ダイヤは午前9時以降の降車に限る/土・日祝（2024/12/28～2025/1/5の年末年始含む）は終日利用可能。
◆対象路線 ：路線バス（一部コミュニティバス路線も含む）・電鉄電車・熊本市電
◆販売価格 ：2,500円（デポジット500円含む）
◆販売窓口 ：桜町バスターミナル、各社の営業所、案内所、駅窓口など。市電窓口では購入不可。
具体的な手順としては、販売窓口で申し込み、2,500円を支払うと、会員パスと専用のICカード（くまもんのICカード）をもらえます。利用時は会員パスを提示し専用ICカードを使用することで、価格が半額になります。
土休日は、会員パスを持っていれば、同伴大人1人、子どもは何人でも半額になります。
長期の共同割引は全国初
短期間の割引や乗り放題を複数の鉄道・バス会社が共同で実施することはよくあります。しかし、長期間にわたって共同で運賃割引を実施するのは、全国で初めてです。
運賃割引の目的は渋滞解消で、公共交通機関の利用を促すことで、マイカー利用の抑制を目指します。今回の施策はサブスク的な割引運賃の実験のようで、定額前払いで運賃を下げることにより、公共交通利用を促します。
熊本市電の運賃は大人180円。5ヶ月で2,500円となると、月6回（3往復）程度乗れば元が取れます。ただ、それがどれだけの効果を生むのかは、やってみないとわからない点もあるでしょう。成功すれば、各地に広がるかもしれない施策だけに、注目したいところです。（鎌倉淳）
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【本書の内容構成】
序章 鉄道未来年表 2025～2050
１章 人口減少時代の鉄道の未来
２章 東京圏の鉄道の未来
３章 大阪圏の鉄道の未来
４章 新幹線と並行在来線の未来
５章 地方鉄道の未来
６章 車両ときっぷの未来
『鉄道未来年表 5年後 10年後 20年後』（鎌倉淳著）河出書房新社より、9月25日発売！
