新潟~酒田間に新しい観光列車「海里」が登場します。運転開始は2019年10月。同区間を走る観光列車「きらきらうえつ」の後継になるとみられ、「きらきらうえつ」の引退は近そうです。
ハイブリッド車両の新観光列車
JR東日本新潟支社は、新しい観光列車「海里(KAIRI)」を2019年10月から新潟~酒田間で運行すると発表しました。ディーゼルハイブリッド車両HB-E300系の4両編成を新造します。
「海里」は、「新潟の食」「庄内の食」「日本海の景観」がコンセプト。列車名の由来は新潟県や庄内地方の豊かな海や里で、それらにちなんだ食事や景観を楽しめる列車です。外観はえんじ色がベースで、「夕日」と「新雪」の融合を表現しています。
新潟・庄内DCで登場
車内は、屋外の光を映し込ませて風景との一体感をつくることを目指したデザイン。1号車は2人掛けのリクライニングシート、2号車は4人掛けのコンパートメント室です。
3号車は売店とイベントスペースで、売店では新潟と庄内の「食」を主に提供します。4号車はダイニング車両で、2人掛けと4人掛けのテーブル付き座席が設置されます。
「海里」は、2019年10月から開催される新潟県・庄内エリアディスティネーションキャンペーンに合わせて登場します。運行区間が新潟~酒田と示されていることから、指定券類が一般販売される不定期列車として運転されるとみられます。
「きらきらうえつ」との共通点
新潟~酒田間には、現在、「きらきらうえつ」という観光列車が土休日を中心に運行されています。新潟車両センター所属の485系700番代改造車両の4両編成。うち1両はミニビュッフェとラウンジです。
運転区間、車両編成に共通点があり、485系の老朽化も進んでいることから、「海里」は「きらきらうえつ」の後継車両になるとみられます。言葉を換えれば、「きらきらうえつ」は、「海里」の登場と交代で引退する可能性が高いでしょう。485系「きらきらうえつ」を楽しみたい方は、早めに乗った方が良さそうです。
非電化区間も走るのか
「海里」がハイブリッド車両なのは、交流電化区間と直流電化区間を跨いで走るため、というのが大きな理由でしょう。JR東日本は、交直流両用電車製造に後ろ向きなのかもしれません。
ハイブリッド車両なら非電化区間も走れますので、電化区間である新潟~酒田間以外の区間での運転も可能です。時期により、陸羽西線や磐越西線などでの運転もあるかもしれません。
「きらきらうえつ」から「海里」へ。車両だけでなく、運転区間の変化も楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)