ジェットスター、成田~下地島線就航の衝撃。宮古島への旅がお手軽に

人口35人の島への新路線

ジェットスター・ジャパンが成田~下地島線を就航させます。2019年3月の同空港旅客ターミナル開業にあわせたもので、1日1便を就航。衝撃の新路線となりそうです。

広告

新旅客ターミナル開業にあわせ

三菱地所は15日、沖縄県宮古島市の下地島空港に建設中の旅客ターミナルを2019年3月30日に開業すると発表しました。開業にあわせ、格安航空会社LCCのジェットスター・ジャパンの成田路線を開設することも明らかにしました。1日1便の運航で、機材はエアバスA320型機(180人乗り)を使います。

下地島は、面積9.54平方キロ。沖縄離島サイト「リトハク」によりますと、人口は約35人に過ぎません。これだけの小さな島にLCCが就航するのは衝撃でしょう。

よく知られているように、下地島空港は、パイロット訓練用に3,000メートルの大型滑走路を有します。2015年に伊良部大橋が開通し、宮古島と道路で往来できるようになったため、宮古島を含めた拠点空港として注目されてきました。

2017年に、三菱地所が下地島空港の旅客ターミナル施設の整備を開始。沖縄県などと連携し下地島空港への路線誘致を進めていました。その成果として、新旅客ターミナル開業時に、ジェットスター・ジャパンが成田~下地島線を開設することが決まったものです。

宮古空港にはLCCは就航していませんので、宮古列島に就航する初めてのLCCとなります。詳細なスケジュールなどは未定です。

下地島空港
画像:三菱地所プレスリリース

宮古空港が便利だが

下地島空港の強みは、なんといっても、大型旅客機も就航可能な空港機能を保有していることです。3,000m滑走路にくわえ、両側ILS、訓練空域を持ち、開発可能な空間として、375ヘクタールの空港関連用地を有します。

とはいえ、下地島空港の近くには、宮古空港があります。その距離は約20kmしか離れていません。宮古空港は2,000メートル滑走路を備え、国内線には十分な設備。宮古島内へのアクセスは、宮古空港のほうが便利です。

そのため、あえて下地島空港に就航する航空会社があるのか、と危惧する声もあったようですが、まずはジェットスターの就航で、不安を打ち消しました。

下地島空港新旅客ターミナル
画像:三菱地所プレスリリース

片道数千円で宮古島へ

利用者の立場からすると、格安航空券の乏しかった宮古島エリアへLCCが就航したのは朗報でしょう。早くからチケットを買えば、片道数千円で成田から宮古島へ行くことができるようになるでしょう。

奄美大島は、バニラエアの就航により気軽に訪れることができるようになりました。同じように、ジェットスターの下地島就航で、宮古への旅がしやすくなるのは間違いありません。

新旅客ターミナルは国際線対応で、今後、台湾、香港、韓国などの国際線定期便やチャーター便の誘致にも取り組むとしています。成田以外の本土路線の誘致も目指しており、国内・外それぞれ3~5路線の就航を目標としています。

実現すれば、宮古島エリアヘ、各地から気軽に旅ができるようになりそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事札沼線医療大学~新十津川間の廃止を沿線4町が受け入れ。JRと正式調印へ
次の記事485系「きらきらうえつ」引退か。新潟~酒田間に新観光列車「海里」登場