京王線の笹塚~仙川駅間の連続立体交差化事業で整備される7駅の駅舎外観デザイン案が公表されました。世田谷区では、区民より意見を募集しています。
笹塚~仙川間を立体化
京王電鉄では、京王線笹塚駅~仙川駅間の連続立体交差化事業を進めていて、まもなく着工します。
それにともない、代田橋駅、明大前駅、下高井戸駅、桜上水駅、上北沢駅、芦花公園駅、千歳烏山駅の7駅が高架駅になります。
この7駅のデザインについて、世田谷区では、区民から意見を求めたうえでデザイン方針をまとめ、京王側に要望。それを基に京王電鉄が、7駅の駅舎デザイン案を作りました。
各駅のデザイン案は以下の通りです。
京王線立体化7駅のデザイン案
代田橋駅
代田橋駅は、歴史的な建築物や緑など、周辺環境とマッチするデザインを要望。
レンガ調や透明感のある素材を組み合わせ、近隣の歴史的な建築物や玉川上水の流れを感じさせるデザインとしました。
明大前駅
明大前駅は、街並みの移り変わりや賑わいを感じられ、大学と商店街が共存する街と調和するデザインを要望。
透明感のある素材をリズミカルに組み合わせることで、街の賑やかさと移り変わりが間近に感じられるデザインとしました。
下高井戸駅
下高井戸駅は、賑わいのある商店街や近隣の街並みと調和するデザインを要望。
温かな色彩の大庇を街へ向けて広げ、賑わいのある商店街との繋がりを表現したデザインとしました。
桜上水駅
桜上水駅は、自然と調和し、静かな住宅街と共存するデザインを要望。
木質調など自然と調和する質感や柔らかな配色とし、静かな住宅街と共存するデザインとしました。
上北沢駅
上北沢駅は、歴史と文化を持ち桜並木のある街と調和するデザインを要望。
落ち着いた色合いと透明感のある素材を組み合わせ、地元のシンボルである桜並木が映えるデザインとしました。
芦花公園駅
芦花公園駅は、文学にゆかりのある地域にふさわしいデザインを要望。
木質調の縦格子を連ねることで書架を表現し、文学にゆかりのある街を感じさせるデザインとしました。
千歳烏山駅
千歳烏山駅は、商店街との一体感や、賑わいのある街と調和するデザインを要望。
温かみのある配色と開放感のある粗目の格子により街との一体感を演出し、賑わいのある街に溶け込むデザインとしました。
世田谷区では、2018年11月末まで、このデザイン案に対する意見を募集し、2018年度下期にも正式決定します。
京王線連続立体化事業とは
京王線の連続立体化事業は、笹塚駅付近から仙川駅付近までの約7.2kmを高架化し、25カ所の踏切を廃止するものです。工区は8つに分かれていて、2018年度中に4工区が着工、残りも2019年度には着工し、2022年度の事業完了を目指します。
立体化で高架化される駅が、上記の代田橋、明大前、下高井戸、桜上水、上北沢、芦花公園、千歳烏山の7駅で、いずれも世田谷区です。八幡山駅はすでに高架駅となっています。
7駅のうち、明大前、桜上水、千歳烏山の3駅は2面4線となります。下高井戸、芦花公園の2駅は対向式ホームの2面2線。代田橋駅と上北沢駅は島式の1面2線です。
完成時には待避可能駅が増えることもあり、大きなダイヤ改正が行われそう。新しい駅舎のデザインとあいまって、京王線の雰囲気が大きく変わるかもしれません。
なお、上図にもあるとおり、京王線では笹塚~つつじが丘間8.3kmの複々線化構想もあります。新線を地下に建設する計画で、連続立体化の完成後に着工が検討されます。(鎌倉淳)