京急、羽田発「深夜快特」復活の背景。夜間の空港アクセスを増強へ

横浜方面行きも増強

京急が羽田空港の夜間時間帯アクセスを増強します。夜間時間帯の航空到着便利用者には使いやすくなりそうです。

広告

「深夜快特」を設定

京急電鉄は2024年11月23日にダイヤ改正を実施します。旅行者に注目のポイントは、羽田空港夜間時間帯の輸送力増強です。

まず、羽田空港第1・第2ターミナル24時05分発の「快特 品川行」を新設します。品川着は24時20分。山手線内回り池袋行き最終の24時25分発に接続します。京浜東北線なら24時30分発の上野行きがあります。

平日・土休日の毎日運転で、日付けが変わって羽田空港を出発しても、当日中に東京駅近辺まで着けます。ただし、山手線外回りの新宿方面には接続せず、同日中に行けるのは大崎までです。

京急快特羽田空港行き

広告

旅行者の安心材料

羽田発の深夜列車としては、現時点でも、東京モノレールの羽田空港第1ターミナルからの最終列車が24時04分にあります。モノレールの最終でも、同じ山手線内回りに間に合いますので、羽田から東京駅エリアへの終電時刻が大きく変わるわけではありません。

ただ、この時間帯は京急、モノレールとも混雑していますので、輸送力の大きい京急の快速特急が新設されることは、旅行者にとっては大きな安心材料になるでしょう。

広告

土休日22時台に横浜方面行き

土休日ダイヤでは、22時台に羽田空港から横浜方面への直通列車を2本増発します。

現行の土休日ダイヤでは、羽田から横浜方面へは21時47分の逗子・葉山行きが最終です。そのため、22時台に横浜方面に向かうには、京急蒲田で乗り換えなければなりませんでした。

新ダイヤでは、22時21分と22時48分に、それぞれ金沢文庫行きを新設します。これにより、深夜時間帯の横浜方面へのアクセスが便利になるでしょう。

このほか、早朝時間帯に金沢文庫駅06時01分発「急行 羽田空港行」を新設します。横浜06時22分発、羽田06時48分着です。現行ダイヤでは横浜06時00分発の次が06時43分発なので、その間を埋める列車となります。

広告

22時台の横浜行き増強

新型コロナ禍以降、首都圏の鉄道各線では、とくに22時以降の夜間時間帯の輸送力削減を進めてきました。

京急の空港アクセスでも、2022年11月ダイヤ改正までは、土休日に限り羽田23時59分発の品川行きの「深夜快特」がありましたし、土休日の横浜方面行きも22時台まで運転されていました。

今回のダイヤ改正は、2年前までの運行体制に近づけるだけでなく、「深夜快特」に関しては復活のうえ、平日にも運行するという増強策を打ち出したわけです。

最近の羽田空港では22時以降の到着便利用者が増えているようで、夜間の京急は混んでいます。航空旅客の増加に列車本数が見合ってないように感じられましたので、今回のダイヤ改正は、それに対応する増発といえるのでしょう。

空港アクセスといえば、高速バスの増発にも期待したいところですが、よく知られている通り、バスの運転士不足は深刻です。羽田空港へのバスも一部で減便されており、航空旅客が増えても、バスの増発はままならない様子。

となると、空港アクセスにおける鉄道の役割は高まりそうです。(鎌倉淳)

広告