京浜急行が、羽田空港第1・第2ターミナル駅の引き上げ線建設工事に着手しました。完成すれば、空港線の列車増発が可能になります。
2線300mを建設
京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅は、島式ホーム1面2線を備える終着駅です。列車はそれぞれのホームで折り返し運転をしていますが、同時に2本の列車しか滞留できないため、ダイヤの制約になっており、増発にも限りがあります。
そこで、京急では、ホームの奥に線路を延ばす引き上げ線を作り、列車の折り返しを可能にする計画を進めてきました。引き上げ線を作ることで、滞留できる列車の数を増やします。それにより、ダイヤに余裕を持たせることができ、増発も可能になります。
引き上げ線は2線で、約300mを建設します。羽田空港の京急線は、現在、第2ターミナル手前までですが、線路の延伸により、ターミナルの下を経てエプロンの下にまで達します。トンネルは高さ9.8m×幅9.0mの複合円形シールドです。
京急は品川駅ホームの2面4線化も進めており、引き上げ線の整備とあわせて、毎時3本程度の増発が可能になります。
エスカレーターも移設
引き上げ線建設にあわせて、第2ターミナル方面への連絡通路も改築します。改札口を出た後、ターミナル方面にエスカレーターで上がる構造ですが、このエスカレーターを蒲田寄りに移設します。
この移設工事は、JR羽田空港アクセス線との接続も関係しているようです。国交省の資料によれば、この付近でJR羽田空港アクセス線駅と京急駅が接続します。
この工事にあたり、駅から第2ターミナルへの連絡通路の一部を撤去します。工事期間中の歩行者の動線を確保するため、迂回のための通路を整備します。
工事は同社と関東地方整備局、東京航空局の3者共同で実施します。京急が線路やホームなどの鉄道施設を整備し、トンネルや付帯する通路・階段などの鉄道基盤施設は関東地方整備局が工事を進めます。完成は2030年の予定です。(鎌倉淳)