新交通システム「上瀬谷ライン」が動き出す。横浜・上瀬谷通信施設跡への新路線

将来は長津田延伸も

横浜市の米軍上瀬谷通信施設の跡地と相模鉄道瀬谷駅を結ぶ新交通システム「上瀬谷ライン」の計画が動き出しそうです。1月24日に環境アセスメント図書の縦覧が開始される予定です。

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花博やテーマパークの輸送機関

横浜市の旧米軍上瀬谷通信施設は、横浜市旭区と瀬谷区にまたがっていた、在日アメリカ海軍基地の施設跡です。総面積240万平米に及ぶ広大な土地で、2015年6月30日に日本へ返還されました。

横浜市では、この跡地利用をめぐり、『旧上瀬谷通信施設⼟地利⽤基本計画』を2019年12月に公表。「瀬谷駅を起点とした新たな交通(中量軌道など)の導入を図ります」と記しており、LRT、新交通システム、モノレールなどを例示していました。

横浜市は、跡地で国際園芸博覧会(花博)や、テーマパークなどの誘致を目指していて、その輸送機関として位置づけています。

横浜市によりますと、「(仮称)都市高速鉄道上瀬谷ライン」の環境アセスメントの整備事業計画段階配慮書について、1月24日~2月7日に縦覧を実施します。構想中の新交通システムの環境アセスを開始するわけで、事業化に向け動き出すことを意味します。

旧上瀬谷通信施設⼟地利⽤基本計画
横浜市『旧上瀬谷通信施設⼟地利⽤基本計画(素案)』より

瀬谷駅から2~3km

朝日新聞2020年1月10日付によりますと、導入されるのは「軌道上をゴムタイヤの車両が走る新交通システム」で、運行主体は第三セクター「横浜シーサイドライン」とする案が浮上しているとのことです。

運行区間は「瀬谷駅付近を起点とし、その北に位置する通信施設跡地までの2~3キロを結ぶ」とのこと。「瀬谷駅付近から幹線道路の環状4号線を経由して通信施設跡地に至る約1・5キロは、地下トンネルか高架のいずれか、跡地内は地表部か高架のいずれかに軌道を建設する方向で検討」しています。

佐藤茂横浜市議会議員のウェブサイトによりますと、将来的には若葉台を経て十日市場駅や長津田駅まで延伸する構想もあるそうです。

上瀬谷ライン
佐藤茂市議ウェブサイトより
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2027年開業へ

旧上瀬谷通信施設での花博は2027年3月~9月の開催を目指しています。新交通システムをその輸送機関として使う計画なら、あと7年で作らなければなりません。

開業までの期間が短いからか、市内で実績のあるシーサイドラインのシステムを導入し、事業主体も三セクの「横浜シーサイドライン」が担うことになるようです。

基本計画では、花博会場跡地の一部を含む約125ヘクタールを「観光・賑わいゾーン」とし、「テーマパークを核とした複合的な集客施設」を誘致する案を示しています。広域的に利用される50ヘクタールの公園も整備する予定で、実現すれば、「上瀬谷ライン」は、それらの輸送も担うことになります。

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