JTBダイナミックパッケージでJR新幹線・特急が利用可能に。乗り継ぎにも対応

前日まで予約可

JTBのダイナミックパッケージでJR利用商品が登場しました。オンラインで前日まで申し込み可能で、新幹線や在来線特急と宿泊がセットで購入可能。便利そうな新サービスを試してみました。

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「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」

JTBでは、「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」において、JR利用商品の販売を2020年10月より開始しました。

ダイナミックパッケージとは、移動手段と宿泊をセット予約することで割引になる価格変動型の旅行商品です。いわば、自分だけの「パッケージツアー」。個人で予約するよりも、大幅に安くなります。

JTBでは、これまでダイナミックパッケージとして、飛行機と宿泊をセットで予約する商品を扱ってきました。それにくわえて、2020年10月より、JRと宿泊の組み合わせが可能になったわけです。

JR券はQRコードを使って出発駅周辺の駅の指定席券売機で発券できます。そのため、決済後、自宅まできっぷ類を送ってもらう必要がありません。インターネット予約で出発の前日まで申し込みが可能です。

JR線は新幹線だけではなく、在来線特急との組み合わせも可能。「あずさ」「ひたち」といった主要特急からローカル特急まで網羅。新幹線と在来線特急の乗り継ぎも予約可能です。シートマップを使った座席指定にも対応しています。

JTBダイナミックパッケージ
画像:JTBプレスリリース

全国の新幹線・特急が予約できる

JR線を利用するダイナミックパッケージといえば、東海道新幹線のJR東海ツアーズ「新幹線ダイレクトパック」、東北・上越・北陸新幹線系統のびゅうトラベル「JR東日本ダイナミックレールパック」が代表格です。それにくわえて、今後は旅行界のガリバー・JTBでも利用できるようになるわけです。

JTBのダイナミックパッケージの特徴として、JR系の旅行会社と違い、全国の新幹線・在来線特急を扱うことでしょう。

複数のJR会社をまたいで予約も可能ですし、地方特急の利用もできます。たとえば、札幌~稚内間で特急「宗谷」利用というプランも選択できます。

列車選択は「選べる列車」と「限定列車」の2種類があり、「選べる列車」は乗り遅れの場合など指定された列車以外に乗車の場合、後続列車の自由席が利用できます。「限定列車」は、指定された列車の指定席に限り有効です。後続列車は利用できません。

取扱い宿泊施設数が6,900件と圧倒的に多いです。条件検索機能も豊富で、ホテルの食事・風呂・立地・設備・サービスまで、こだわって宿泊施設を検索するのに優れています。

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実際に検索してみると

気になるのは、お値段と使い勝手です。実際に「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」を検索してみてみましょう。(以下10月7日検索時の内容です)。

たとえば、10月28日(水)の東京発、京都1泊(2人1室利用)、ホテルグランヴィア京都、ツインルームで検索してみます。価格は一人29,500円。

列車の選択肢は広く、全時間帯の「のぞみ」「ひかり」「こだま」を利用できます。ただし、「選べる列車」の選択で差額(加算料金)があり、「のぞみ」の場合、朝6時台などオフピークで片道1,800円、9時台などピークで3,200円です。つまり、一人27,400円では利用不可能で、最低33,100円かかります。

「ひかり」は差額がさらに高く1,800円~5,000円。「こだま」には差額がありません。いずれも「限定列車」は選択できませんでした。

「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」
画像:「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」サイトより

比較のため、JR東海ツアーズの「新幹線ダイレクトパック」で同条件を検索してみると、基本価格は29,100円。列車選択での加算料金などはありません。そのため、29,100円の基本価格で利用できます。

ただ、選べる列車は少なく、新大阪発着の列車のみ。このときの検索では、下り10本、上り9本のみです。

同条件ではJR東海ツアーズのほうが安いですが、JTBの「選べる列車」は、乗り遅れなど指定された列車以外に乗車の場合、後続列車の自由席の利用が可能です。一方、JR東海ツアーズの新幹線ダイレクトパックでは、乗り遅れ無効です。

乗り遅れリスクや、列車の選択肢の広さを考えると、「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」も選択肢に入るでしょう。

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仙台では?

つぎに、10月28日(水)の東京発、仙台1泊(2人1室利用)、ホテルJALシティ仙台、ツインルームで検索してみます。すると、価格は一人16,100円。

「選べる列車」で選択できるのは「やまびこ」だけ。差額は下りが一律2,700円、上りは一律0円です。つまり、1人18,800円が実質的な価格となります。

同じ条件で、びゅうの「JR東日本レールパック」を検索してみると、価格は一人20,300円。新幹線の加算料金は時間帯により0円~500円。「やまびこ」しか選べないのは同じです。

列車の差額を加えても、「JR東日本レールパック」より「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」のほうが安いです。ただ、日程やホテルによっては、JTBのほうが高い場合もあり、常にJTBがびゅうより安いとは限りません。

2列車乗り継ぎが可能

「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」では、JR各社間をまたいだ予約も可能です。たとえば、東京発の札幌泊(はやぶさ+北斗)、松山泊(のぞみ+しおかぜ)、大阪発の松本泊(のぞみ+しなの)、新潟泊(のぞみ+とき)、函館泊(のぞみ+はやぶさ)などが予約可能です。ざっとみたところですが、2列車乗り継ぎで到達できる場所なら設定可能です。

「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」
画像:「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」サイトより

宿泊は全日程で付ける必要はなく、たとえば2泊のうち1泊だけホテルを付ける、といった使い方も可能です。宿泊日ごとにホテルを変えることもできます。このあたりの柔軟性も魅力でしょう。

価格的には、飛行機利用のダイナミックツアーに比べれば高いですが、たとえばスタンダードホテル利用で、東京~札幌2泊で5万円程度、東京~広島2泊で4万円程度が標準的なようです。新幹線利用の往復価格でホテルが付いてくる水準で、個別に予約するより2~3割は安く利用できそうです。

とくに、「選べる列車」は、乗り遅れた場合の後続列車の自由席が乗れるので、自由席のある列車を利用する際は、時間を過度に気にする必要がなくなりそうです。

前日まで予約可能で、駅でJR券と引き替えられるというのも、使いやすいポイントです。

また、JRの指定席発売は乗車日の1ヶ月前からですが、「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」では、6ヶ月前から受付しています。1ヶ月前までは事前リクエスト受付の形になりますが、繁忙期には予約の武器になるかもしれません。

ということで、鉄道とホテルをセットで予約して旅行する場合、こういう方法もあると、頭に入れておくといいでしょう。(鎌倉淳)
「JTBダイナミックパッケージMySTYLE」(公式)

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