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JR羽田空港アクセス線「東山手ルート」の建設計画の詳細。途中駅の記載なし

田町駅付近は単線に

JR羽田空港アクセス線の建設計画の詳細がわかりました。田町駅付近で東海道線から分岐し、羽田空港まで途中駅はありません。合計12.4kmの計画です。

羽田空港と都心を結ぶ

JR東日本の羽田空港アクセス線(仮称)は、東海道貨物線の一部の旅客化と新線の建設により、羽田空港と都心を結ぶ路線です。

羽田空港の国内線第1ターミナルと第2ターミナルの間に「羽田空港新駅」(仮称)を設け、東京貨物ターミナルまで「アクセス新線」を建設。そこから田町駅への「東山手ルート」、大井町駅への「西山手ルート」、東京テレポート駅への「臨海部ルート」の3ルートを建設するものです。

JR羽田空港アクセス線概要図
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

東山手ルート12.4km

このうち、「アクセス新線」と「東山手ルート」の整備事業について、東京都が2019年5月30日に環境影響評価書を公表しました。いわゆる環境アセスの手続きの一環です。これにより、JR羽田空港アクセス線東山手ルート建設計画の詳細が判明しました。

アクセス新線と東山手ルートは、東海道線田町駅付近から、大井埠頭にある東京貨物ターミナルを経て、羽田空港内の新駅に至る12.4kmです。

羽田空港アクセス線東山手ルート
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

田町駅付近~東京貨物ターミナル付近の7.4kmは休止中の東海道貨物線(大汐線)を改良し、東京貨物ターミナル付近~羽田空港新駅の5.0kmは新線を敷設する計画です。

建設計画は、大きく4つの区間にわかれます。順に見ていきましょう。

羽田空港アクセス線概要図
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より
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東海道線とどう接続するか

まず、田町駅付近で大汐線に接続する区間が「東海道線接続区間」です。田町駅付近~高浜西運河付近の1.5kmです。

田町駅付近の現状は、海側に大汐線が単線で敷かれ、東海道新幹線、東海道線、京浜東北・山手線が順に並んでいます。大汐線は、田町駅の南側で複線高架となり、東京貨物ターミナル方面へ向かっています。

この区間を羽田空港アクセス線として旅客化するにあたり、田町駅付近では、東海道線の上下線の間に単線の新線を作り、地下を抜けて現状の大汐線の高架につなぎます。

そのために、現在、田町駅北側にある山手線の引き上げ線を撤去し、空いた場所に山手線外回りを移設。その後、京浜東北線の南行、東海道線上りを順次移設し、東海道線の上下間に新線を入れ込む空間を作ります。

羽田空港アクセス線田町接続
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

そこに擁壁を構築し、堀割構造で新線を敷設し、東海道線の上下線に接続します。

東京方面から来た列車は、浜松町駅の先で分岐し、地下単線で東海道新幹線をくぐり、高浜西運河付近で地上に出て、複線高架に登っていくことになります。

羽田空港アクセス線田町接続
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

羽田空港アクセス線田町接続
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

貨物ターミナルに留置線

つづいて、「大汐線改修区間」です。高浜西運河付近~東京貨物ターミナル間3.4kmで、大汐線の既存高架橋を改修します。大汐線改修区間では、東海道新幹線の引き上げ線と並行する高架橋で、東京貨物ターミナルに向かいます。

そして、「東京貨物ターミナル内改良区間」となります。大汐線の貨物ターミナル区間約2.5kmを改良します。現状の大汐線は、この区間では主に地平を走りますが、旅客化にあたり、救援センター踏切付近(北部陸橋東詰交差点付近)のみ高架線を建設し立体化します。

東京貨物ターミナルに隣接する駐車場など18,000平米を使って車両留置線や保守基地線を新設します。将来的には、この付近で「西山手ルート」や「臨海部ルート」と分岐する予定ですが、今回の環境影響評価書に分岐位置などの記載はありません。

羽田空港アクセス線東京貨物ターミナル
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

りんかい線八潮車両基地付近の断面図では、羽田空港アクセス線の上下線の間に待避線を設ける図面が示されています。

羽田空港アクセス線八潮車両基地横
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

「臨海部ルート」は、りんかい線の入出庫線を活用して東京テレポート方面へ向かいますので、将来的に、この付近に渡り線などを設けるのでしょう。

羽田空港アクセス線が全線完成すれば、3線が合流する地点になりますので、信号場として待避線を配置しているのかもしれません。

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羽田空港駅は15両対応

東京貨物ターミナルから羽田空港の5.0kmが、「アクセス新線区間」です。ほぼ全線がトンネル構造で、深さは最大48m。大深度で海底を抜けていきます。

終点の羽田空港新駅は、第1ターミナルと第2ターミナルの間に設けられます。開削トンネルの地下駅で、島式1面2線のホームを備えます。ホーム長は311mで、15両編成に対応します。ホーム幅は8~12mです。

断面図を見ると駅は2層構造になっていて、ホームは上層階です。下層階は改札などの施設になるとみられますが、ひょっとしたら将来的にホームを増設するための空間かもしれません。

羽田空港新駅構造図
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より

特急は乗りいれない?

環境影響評価書では、羽田空港新駅以外の駅の記載がありませんでした。つまり、現時点では、途中駅の設置計画はありません。羽田空港アクセス線は田町駅にも停車できない構造ですので、新橋~羽田空港間で駅が設けられないようです。

JR東日本の計画では、東京駅~羽田空港駅間は18分です。東京~新橋間は3分なので、新橋~羽田空港間の約15kmを、15分無停車で走ることになります。

環境影響評価書によりますと、羽田空港アクセス線の運転本数は毎時8本、1日144本を予定しています。上下合わせた数字とみられますので、15分間隔での運転を想定していることになります。田町付近の単線区間が運行上のネックですが、この列車本数なら捌けそうです。

片道毎時4本の設定ならば、特急乗り入れを計画しているとは考えづらいでしょう。となると、羽田空港へは、上野東京ラインの普通列車が乗り入れるだけになりそうです。(鎌倉淳)