ジェットスター・ジャパンが、庄内空港への就航検討を表明しました。また、中距離機であるエアバスA321LRを導入すると発表。東南アジアへの路線も開設されそうです。
2020年までに4機増備
ジェットスター・ジャパンの片岡優社長は、2018年11月27日の事業戦略説明会で、山形県の庄内空港への就航を検討していることを明らかにしました。
ジェットスター・ジャパンは、現在、短距離向け機材のA320を24機保有。国内線19路線と国際線9路線の計28路線を運航しています。
同社は中距離機のA321LRを2020年に新規導入、既存機のA320も2019年春に増備します。増備した機材を活用して中距離国際線に進出するほか、九州や四国路線を拡大。沖縄におけるレジャー路線を開拓し、東北地方への進出も検討します。
高知、下地島に続き
具体的には、2018年12月19日に成田・関西〜高知線、2019年3月に成田〜下地島線を開設することが決まっています。これにくわえて、片岡社長は、庄内への就航を前向きに検討していることを明らかにしました。検討路線は成田~庄内線とみられ、就航時期などは未定です。
庄内空港への定期便は、ANAの羽田線が1日4往復あるだけです。最近の国内LCC各社は、新幹線と競合しない地方空港への路線を主なターゲットにしており、東北地方では庄内空港が条件に見合うと判断したのでしょう。
山形新聞電子版2018年11月28日付によりますと、片岡社長が12月初めに山形県を訪問し、吉村美栄子知事に説明する方針です。「庄内地方にはハイテク企業などが集積し、ビジネス需要が見込まれるほか、観光資源が充実していることを検討理由に挙げている」とのことです。
さらに、ジェットスターでは、日本国内に第4拠点を開設することも検討します。現在は成田、中部、関西の3拠点ですが、新たに夜間駐機や整備ができる拠点空港を設けます。具体的な空港は未発表ですが、新千歳か那覇が有力でしょう。
A321LRを導入
新たに増備するA321LRは、A321neoの航続距離を7400kmに延長したタイプです。新型エンジンで燃費を20%向上させ、単通路機では世界最長の航続距離を誇ります。日本からはオーストラリアやインドまで飛ぶことができます。座席数は最大244席です。
2018年10月に欧州航空安全庁(EASA)とアメリカ連邦航空局(FAA)より型式証明を取得したばかりの最新機種です。日本の航空会社で導入を明らかにしたのは、ピーチに続いて2社目です。
A321LRは、2020年に3機の導入を予定。A320とあわせ、ジェットスター・ジャパンの機材は総勢28機体制となります。
中距離国際線はどこに?
ジェットスター・ジャパンでは、増えた機材を活かして、中距離国際線の進出を検討します。具体的な就航地は未公表ですが、日本人の需要も太く、インバウンドも急増している東南アジア路線が最有力でしょう。
バンコクやホーチミン、クアラルンプール、シンガポールあたりが候補になりそうです。
気になるのは、JALが検討している中長距離LCCとの競合です。JALは2020年夏ダイヤから、ボーイング787型機を使った新たな中長距離LCCの運航を開始します。ジェットスター・ジャパンもJAL系列なので、JALの新LCCとの路線競合は避けるとみられます。
同じ2020年には、ピーチもA321LRを導入し、中距離国際線に進出するとみられています。JALの新LCCと、ジェットスター・ジャパンのA321で、日本から海外へのLCC路線が、一気に充実しそうです。(鎌倉淳)