格安航空会社LCCのジェットスター・ジャパンが、高知空港に就航します。成田、関西への路線を年内に開設する見込み。高知の旅は、LCC就航でどう変わるのでしょうか。
初の成田・高知直行便
ジェットスター・ジャパンが、高知龍馬空港と成田、関西空港を結ぶ定期路線を2018年12月に開設します。高知空港では初のLCC路線です。同社が8月29日に明らかにしました。
成田、関空線とも毎日1往復を運航。使用機材はエアバスA320型機(180席)で、詳細なスケジュール(時刻表)や価格などは未定です。
成田空港~高知空港の直行便は初めて。関西空港~高知空港の路線は、かつてANAが就航していましたが、2009年10月に廃止されています。
四国では3番目のLCC就航地
ジェットスターとしては、四国では高松、松山に次いで3つめの就航地となります。他の会社を含めても、四国で高松、松山両空港以外に就航しているLCCはありません。
高知市の人口は33万人。これに対し、高松市の人口は42万人、松山市は51万人です。都市規模では、高知は高松、松山に劣ります。
航空路線の利用者数については、羽田~高松線が年間126万人、羽田~松山線は年間155万人。これに対し、羽田~高知線は97万人です。伊丹~松山線は年間54万人ですが、伊丹~高知線は26万人にすぎません。
高知空港の利用者数は、高松、松山の両空港に比べて少ないわけです。
とはいえ、1日あたりにすれば、羽田~高知線は約2,650人、伊丹~高知線は約710人です。これらの一部がLCCに遷移し、新たな需要も掘り起こせば、成田、関西それぞれに1日1~2往復くらいのLCC路線は十分成立しそうです。
国際線接続が向上
LCCの就航により、首都圏、関西から高知へ、低価格で移動できるようになります。国内の旅行者にとっては嬉しい話で、ジェットスターの路線開設後、首都圏や近畿圏から高知への観光客が増加する可能性があります。
また、成田、関西という国際空港から、高知へ直行便が就航するという点でも、大きな意味があります。
というのも、現在の高知空港には、羽田、小牧、伊丹、福岡の各空港への路線があるだけなので、国際線接続が悪いのです。
成田、関西と直行便で繋がることにより、海外の多くの都市から1度の乗り換えで高知に来ることができます。ジェットスターはJALとコードシェアをしていますし、高知エリアの外国人観光客が大きく増えそうです。
高知県は、四国4県のなかでも本州から最も遠く、正直なところ、これまで旅行しにくい土地でした。それがLCCの登場でどう変わるか。楽しみです。(鎌倉淳)