JALが25歳以下を対象にした、カード会員向けの新運賃「JALカードスカイメイト」を新設します。その実力を研究してみましょう。
25歳以下のJALカード会員が対象
JALは、新たな国内線運賃として、「JALカードスカイメイト」を、2月1日予約・発券・搭乗分から新設します。利用できるのは「25歳以下」の「JALカード会員」です。JALカードによるクレジットカード決済で支払うことが条件となります。
JALでは、25歳以下を対象に「スカイメイト」運賃を設定していますが、「JALカードスカイメイト」は、「スカイメイト」より低価格に設定します。
基本的なルールは既存のスカイメイトと同じで、搭乗日当日、空席がある場合に、午前0時から予約が可能です。購入後の予約変更はできません。
なお、JALカードには、「JALカード navi」という学生向けのブランドがあり、18歳以上30歳未満の学生なら入会できます。在学期間中年会費は無料です。
東京~札幌・福岡8,910円
「JALカードスカイメイト」の運賃は、東京~大阪が6,930円、東京~岡山・広島が7,920円、東京~札幌、福岡が8,910円、東京~沖縄が9,900円などとなっています。
これまでのスカイメイトが、大阪10,340円、岡山・広島12,320円、札幌14,520円、福岡16,500円、沖縄19,690円ですので、比べると3~5割引です。
東京を起点として、大阪がざっくり7,000円、中国・四国地方が8,000円、北海道・九州が9,000円、沖縄が1万円となります。おおむね1万円以下で、東京から日本全国どこへでも飛べるわけで、JRの「青春18きっぷ」もびっくりの破格値でしょう。
さらに、2月1日から3月29日までは、全区間片道4,950円のセール運賃も設定します。
2割が空席
ただし、この運賃で予約できるのは、出発当日の午前0時以降です。当日、乗りたい便が、前日までに満席になってしまった場合は、利用できません。
では、実際に、国内線の飛行機はどのくらい混んでいるのでしょうか。
国土交通省の情報公開によれば、2024年7~9月期の座席利用率は、羽田~新千歳線が84.9%、羽田~伊丹が78.9%、羽田~福岡が79.2%、羽田~那覇が89.0%などとなっています。
全路線平均で79.3%で、おおむね8割程度の座席利用率です。言い換えれば、飛行機は平均2割の空席を抱えて飛んでいるわけで、決して満席便ばかりではありません。
利用価値は高い
あくまでも推測ですが、全体で8割程度の利用率なら、1日5~6便が飛んでいるような路線であれば、当日予約でも全便満席というケースは少なそう。時間帯を選べば、スカイメイトでも利用できそうです。
実際に、1月10日の朝に検索してみると、羽田~新千歳、伊丹、福岡のどの路線でも、当日の複数便に空席があります。三連休前の金曜日なので、夕方以降の便に満席が目立ちますが、それでも使えないというほどではありません。
「その時間に必ず飛びたい」場合には使えませんが、「その日の午後に飛びたい」くらいの場合には、利用価値は高そうです。
ピーク時は席確保が難しく
もちろん、利用しやすい時間帯の便では、満席も珍しくありません。とくに、利用が集中する年末年始などのピーク時は、当日予約で席を取るのは難しそうです。
ちなみに、JALが発表した、2024-25年末年始の搭乗実績では、期間中のJAL便の平均搭乗率は86%です。年末の羽田発下り便は、90%以上を記録している日もあります。こういう日は、早朝深夜便以外では、空席がほとんど見つからなさそうです。
ただ、昔のスカイメイトは空港まで行って空席待ちをしなければなりませんでしたが、いまは満席とわかれば、空港に行く必要はありません。その点で、無駄は少ないでしょう。
オトナは株主優待を
ちなみに、スカイメイトが予約できる便では、当日シニア割引も予約できます。つまり、65歳以上の方にはおすすめです。
また、検索してみた限りでは、スカイメイト・当日シニア割引が予約できる便は、株主優待割引の予約も可能なようです。
スカイメイトが使えないオトナは、株主になっておくのもよさそうです。(鎌倉淳)