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JAL「外国人乗り継ぎ客重視」を鮮明に。成田~デリー新路線、日本人には使いにくく

2026年1月新規就航

JALが成田~デリー線を2026年1月17日に開設します。成田空港で北米路線と接続する時間帯に設定し、外国人乗り継ぎ客の取り込みを目指します。一方で、デリー発着は、早朝3時に到着し4時半に出発するという、日本人には使いにくい時間帯のフライトとなりました。

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デリー3時着

JALは、成田~デリー線を2026年1月17日に開設すると発表しました。機材はボーイング787-8型機で、週7便の毎日運航です。

運航スケジュールは、デリー行きJL749便が成田を20時15分に出発し、翌早朝3時着。成田行きJL740便は、4時35分にデリーを出発し、15時10分に成田に到着します。

3月1日以降は成田発着の時間を変更し、JL749便の成田発が20時35分、JL740便の成田着が15時20分となります。現地発着時刻は変更はありません。

■JAL成田~デリー線運航スケジュール
成田→デリー
JL749 成田20:15→デリー03:00(+1):1/17-2/28
JL749 成田20:35→デリー03:00(+1):3/1以降

デリー→成田
JL740 デリー04:35→成田15:10:1/18-2/28
JL740 デリー04:35→成田15:20:3/1以降

JAL787
画像:JAL

 
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北米乗り継ぎを重視

このスケジュールは、成田空港での北米方面への乗り継ぎを重視したスケジュールです。JALは成田から北米6都市へ就航していて、成田発を17時頃、成田着を16時頃に集めています。

デリー線も、成田で北米便と接続しやすい時間帯に設定するわけです。結果として、デリー発着が未明になってしまいますが、デリーに自宅を持つインド人なら、対処しやすいでしょう。つまりは北米=インド間を旅行する、インド人向けのフライトとみたほうがいいでしょう。

JALといえば、かつては日本人相手の航空会社と目されていましたが、いまや外国人相手の商売に力を入れるようになっているわけです。海外旅行に出かける日本人が激減した、最近の状況に対応しているのでしょう。

JAL成田デリー就航
画像:JAL
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日本人には使いにくく

一方、現地デリーの発着時刻は、午前3時到着の4時半出発で、日本人旅行者には使いにくい時間です。午前3時にデリーの空港に放り出されて、どうしたらいいのかと考えてしまいます。

迎えの手配を済ませた上で、ホテルに直行しても、寝る間もありません。自由旅行者なら、安全を考えるとタクシーにも乗りにくい時間なので、眠い目をこすりながら、空港で日が昇るのを待つしかないでしょう。

デリー発が午前4時半というのも、使いにくいです。深夜1時頃にホテルを出るか、前夜のうちに空港入りしていなければなりません。どちらにしても大変です。

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羽田路線は日本人向け

既存のJALのインド路線は、羽田~デリー線と成田~ベンガルール線の2路線があります。

このうち羽田~デリー線は、羽田午前発のデリー夕方着、デリー夜発の羽田朝着で、日本人がインドを訪問するのに都合のいい時間帯で運航しています。日本人は羽田便を使ってくれ、ということでしょう。

一方、成田~ベンガルール線は、乗り継ぎ客向けのスケジュールです。現在、ベンガルール線は毎日運航ですが、成田~デリー線の開設に伴い減便し、1月17日以降は週6往復、2月1日以降は週4往復となります。

JALインド時刻表
画像:JAL

 
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インディコと共同運航

JALでは、日本・インド間の3路線について、インド最大の航空会社インディゴとコードシェア(共同運航)を始めることでも基本合意しました。

インディゴとのコードシェアは、成田~デリー線を含むJALのインド3路線で開始します。これまで両社は、インディゴのインド国内線とJALの東南アジア路線を対象にコードシェアを設定してきましたが、日印路線にも拡充するわけです。

これにより、JALのインド3路線で、デリー以外のインド人客の利用増が期待できます。この点でも、外国人客利用の増加を目論む、JALの戦略が見て取れます。(鎌倉淳)

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