伊予鉄道が、今後3年間を集中実施期間とする事業計画を発表しました。その名も「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」と題されたこの計画。鉄道・バスの車体色一新が柱です。予算は総額9億円と、地方鉄道としてはちょっとした金額です。
IYOTETSUチャレンジプロジェクト
「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」によりますと、このプロジェクトは「伊予鉄道が『変わる』3つのチャレンジ」とのこと。具体的には、以下の3つです。
チャレンジ1 乗ってみたくなるような電車・バス
チャレンジ2 観光振興への対応
チャレンジ3 お客様視点での安全・サービス向上
1の「乗ってみたくなるような電車・バス」については、車両デザインを一新します。「IYOTETSU」という英語のロゴを新たにデザインし、電車・バスの車両のカラーを愛媛らしくオレンジ色に統一。さらに「連結型のLRT」の新型車両導入と、空港への市内電車延伸計画の検討を始めます。連結型LRTと空港延伸は、それぞれ「導入の検討」「延伸検討の開始」であって、いずれも事業の開始ではありません。
2の「観光振興への対応」としては、案内板や電車方向幕で英語表記を推進し、駅ナンバリングも導入、市内電車にWi-Fi環境を整備します。サイクルトレインやサイクルバスも運行します。
3の「お客様視点での安全・サービス向上」としては、市内電車のドライブレコーダーの導入、駅やバス停、トイレの美化、ホームページをわかりやすく、郊外電車の平日3両運行の増便、といったことが掲げられています。
これらの予算は3年間で9億円とのこと。伊予鉄道の営業収入は2014年度で99億円ですから、それなりに思い切った金額です。
目に見えて大きく変わるのは車両デザインと駅案内板・電車方向幕の表記でしょう。上記の画像の通り、伊予鉄道の雰囲気はかなり変わるとみられ、賛否はありそうです。地元の人から見たらどうなのでしょう?
国土交通省出身の社長が就任
伊予鉄道は、2015年6月の株主総会で清水一郎副社長(47)が社長に昇格する人事を内定しました。清水氏は東大法学部から運輸省(現・国土交通省)に入り、2014年6月から伊予鉄道の副社長に就いています。
「お役人の天下りかあ」と東大卒でも官僚出身でもない筆者はつい妬んでしまいますが、47歳の若い社長で、きっと頭脳明晰なのでしょう。車体色を変えるだけでなく、もっとさまざまな改革をしてくれることを願いたいところです。