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JR東海、インバウンド割合が8%を突破。年1000億円、一人勝ちの様相に

新幹線が混むわけで

JR東海のインバウンド収入の割合が8%を突破しました。年間1000億円以上の収入を得ていて、JR各社のなかでも一人勝ちの様相です。

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本州3社で2000億円

JR本州3社が2025年3月期(24年度)決算を発表しました。各社とも増収増益の好決算です。

そのなかで注目したいのは、各社のインバウンド鉄道運輸収入です。JR東日本は428億円、JR東海は1170億円、JR西日本は409億円と明らかにしました。

JR本州3社合計で2007億円となり、初めて2000億円を突破しました。

京都新幹線五重塔

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44%の大幅増

増加が著しいのはJR東海です。24年3月期のインバウンド収入は810億円でしたので、25年は44%の大幅増です。JR東日本は11%増、JR西日本は15%増なので、JR東海の伸び率の高さが際立ちます。

インバウンド運輸収入の鉄道運輸収入全体に占める割合は、JR東日本が2.4%(24年2.6%)、JR西日本が4.6%(同4.2%)に対し、JR東海が8.1%(同6.0%)です。

東日本、西日本の両社の割合が24年3月期と大きく変わらないのに対し、JR東海は、インバウンド割合も高まっているわけです。まさに、訪日客の争奪戦で「一人勝ち」の様相です。

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1割が外国人客の時代に

運輸収入の割合と客数の割合は同一ではありませんが、このままインバウンドが増えるのであれば、東海道新幹線は「1割が外国人客」の時代になってくるとみられます。

実際、東海道新幹線に乗ると、以前にも増して外国人観光客の姿を見かけるようになってきました。これまで東海道新幹線は「ビジネス路線」と言われてきましたが、最近は外国人観光客の存在感が高まってきたからか、「観光路線」の雰囲気も漂うようになってきたと感じられます。

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見合ったサービスを

そこで気になるのが、荷物の多さです。外国人旅行者は、どうしても荷物が多くなるために、座席上の荷物棚が埋まりがち。途中駅から乗ると、自分の座席上の棚が他人の荷物で埋まっていて、荷物の置き場所に困ることもあります。

最後列座席の予約制度は、日本人には定着してきた印象ですが、外国人旅行者には伝わっていない様子もうかがえます。

駅の窓口も、外国人客で混雑していて、時間帯によっては並ぶ気も失せるほどです。「1割が外国人客」という状況になってきたのであれば、見合った体制を整えてほしいところです。(鎌倉淳)

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