北陸新幹線の敦賀延伸前倒しが決定。2022年度開業はいいけれど、フリーゲージトレインは間に合うの?

北陸新幹線の金沢~敦賀間の延伸が3年前倒しになり、2022年度になることが正式に決まりました。

となると、気になるのは、敦賀まで延伸したときに京都・大阪へのアクセスをどうするのか、という点です。従来の2025年開業計画では、JR西日本がフリーゲージトレインを導入し、京都から湖西線経由で北陸新幹線に乗り入れることを想定しています。しかし、フリーゲージトレインはまだ完成していません。

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北陸仕様のフリーゲージトレインはできるの?

フリーゲージトレインは、現在は試験車両で走行試験を行っている段階です。九州新幹線長崎ルートが開業する2022年度末の営業運転開始を目指していますが、目論見通り行くかは微妙です。しかも、北陸新幹線は豪雪地帯を走りますので、フリーゲージトレインにも耐雪装備をしなければなりません。また、交直流対応も必要です。

そうした北陸ルート仕様のフリーゲージトレインの開発はこれからです。JR西日本は、2014年10月に、ようやく模擬台車による軌間変換試験を始めました。北陸仕様のフリーゲージトレインで走行試験が開始されるのは、2016年度とされています。

JR西日本は、北陸エリアへのフリーゲージトレインの導入目標を北陸新幹線延伸開業予定の2025年度としています。これを3年前倒しするには、北陸仕様のフリーゲージトレインの開発も早める必要がありそうですが、可能なのでしょうか。2016年度に試験車両の走行試験を開始して、2022年度に営業運転を開始するというのは、かなりきついスケジュールにみえます。

フリーゲージトレイン

敦賀で乗換なんてことに

もし、北陸仕様のフリーゲージトレインの開発が2022年に間に合わなければ、大阪・京都~金沢・富山間の移動には、敦賀駅での乗換が必要になります。北陸新幹線の延伸により、福井から東京へのアクセスは改善されます。でも、フリーゲージトレインが投入されるまでは、福井から京都に行くのにすら敦賀で乗換になるわけです。乗換の時間と手間を考えると、大阪から北陸エリアへの時短効果は限られたものになるでしょう。

新幹線延伸の前倒しは結構なことです。しかし、北陸新幹線と九州新幹線長崎ルートに関しては、フリーゲージトレインの開発と新幹線延伸はセットになっています。新幹線だけを先に作ればいい、という話ではない気がするのですが。

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