北海道新幹線の札幌駅ホーム位置が、2案に絞り込まれました。現在の1、2番線ホームにする「認可案」と、東側のJRタワーに隣接する「東側案」です。年内にも最終決定される見通しです。
「0番線案」は却下
北海道新幹線札幌駅のホーム位置は、現在の在来線1、2番線に設けられる予定で認可されました。しかし、JR北海道が詳細に検討していくと、1、2番線に新幹線ホームを設けた場合、在来線に使える線路が減る関係で、在来線列車を捌ききれなくなる恐れが出てきました。
この問題について、JR北海道と鉄道建設・運輸施設整備支援機構、北海道、札幌市が、「4者協議」で話し合っています。これまでの議論で、以下の3案に絞り込まれてきました。
(1) 札幌駅の1、2番線を新幹線ホームとし、11番線を増設する(認可案)
(2) 1番線の南側に0番線をつくり、1番線と0番線を新幹線のホームとする(0番線案)
(3) 新たなホームを駅東側のJRタワーに隣接する形で設ける(東側案)
2016年10月18日に開かれた4者協議では、これらのうち(2)案を除く2つの案に絞り込んで、両案の範囲内にホームを設けることで合意しました。最終的には、年内にもホーム位置を決定する見通しです。
東側案をベースに最終決定か
東側案は、駅東側に新幹線用ホームを建設するもの。JRタワーの外壁の一部を取り払い、東側にある駐車場スペースも活用します。9月7日の4者協議でJR北海道が初提示しました。
ホームの一部が既存のJRタワーに入り込む形になるため、認可案に比べ建設費がかかるほか、建築基準法や消防法の規定を見極める必要があります。しかし、実現できれば、在来線の運行に影響がなく、ホームの広さも確保できます。
日本経済新聞2016年10月19日付によりますと、4者協議の後、JR北海道の西野史尚副社長は、東側案について、「少しでも現駅のホームに近づけられないか最大限の努力をして検討したい」と話したとのことです。
最終決定は12月頃になるようですが、報道を見る限り、札幌駅の新幹線ホームは東側案をベースにした形で決着しそうです。
グランクラスが出口から遠くなる
将来的な延伸可能性なども考えると、東側案はベストではないにしろ、ベターな選択といえます。
詳細は明らかではありませんが、動く歩道などが設置され、在来線との乗り換えの利便性はある程度、確保されると思われます。地下鉄東豊線との乗り換えも大きな問題はなさそうですが、南北線との乗り換えは不便になりそうです。
東側案で決定した場合、新幹線10号車のグランクラスが、乗換口から最も遠い車両になります。ただ、新たに新幹線東出口が設けられる可能性もありそうで、そうなると、タクシーなどに乗るには便利になるのかもしれません。(鎌倉淳)