水バラ「ぐるり一周旅」は定着するか。「バス旅」とは違う味わいで

中澤佑二 VS. 安藤美姫

テレビ東京系列の「水バラ」で新シリーズ「ぐるり一周対決旅」が放送されました。「ローカル路線バス対決旅」につづくコンテンツとして定着するのでしょうか。なお、当記事は若干のネタバレを含みます。

広告

房総半島を一周

「水バラ」で放送された新シリーズは「房総半島ぐるり一周対決旅」。スタート・ゴールとも木更津で房総半島を一周します。途中に7つのチェックポイントがあり、二つのチームが「右回り」と「左回り」に分かれて対決。移動手段は自由で、鉄道、バス、タクシーが利用可能ですが、交通費は3万円までという制約があります。

対決したのは、「チーム中澤」と「チーム安藤」。「チーム中澤」は、元サッカー日本代表の中澤佑二がリーダーで、じゅんいちダビッドソン、神田愛花が参加。「チーム安藤」は元フィギュアスケート選手の安藤美姫がリーダーで、ライセンスの井本貴史、AKB48の岡部麟が参加しました。

房総半島ぐるり一周対決旅
Ⓒテレビ東京

水バラ 房総半島ぐるり一周対決旅
【出演者】中澤佑二、じゅんいちダビッドソン、神田愛花、安藤美姫、井本貴史(ライセンス)、岡部麟(AKB48)
【放送日】2021年6月9日(水) 18時25分~21時00分(テレビ東京系列)

広告

ルイルイ不在

「水バラ」の対決旅といえば、ルイルイこと太川陽介が出演する「バスVS鉄道」や「陣取り合戦」がおなじみです。これらの番組は、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(バス旅)シリーズの流れを汲んでいて、ルイルイの存在が番組の軸に据えられています。

「ぐるり一周対決旅」は、そのルイルイが不在。また、「路線バスのみ」などという縛りもありません。その点で「バス旅」シリーズとは別物ですが、「公共交通を使って真剣勝負する」という大枠は同じです。どのような内容になるのか、楽しみに見た人も多いでしょう。

時間管理と資金管理

オンエアを見てみると、鉄道とバスが両方使える上に、比較的運行本数が多い千葉県ということで、「バス旅」のように、乗り継ぎに頭を抱えるシーンはほとんどありませんでした。

「バス旅」との違いは、バス代や電車賃も3万円に含まれる点。そのため、ローカルバス3人分の運賃とタクシー代を比べると、タクシーの値段がそれほど高いわけでもなさそうです。したがってバスを活用する意味は小さく、乗り継ぎの妙味を楽しむ要素はあまりありませんでした。

「バス旅」においてタクシーは切り札でしたが、「ぐるり一周」において、そこまでの強さはありません。鉄道・バス・タクシーという公共交通を組み合わせて、限られた時間と予算内で移動するという、時間管理と資金管理のゲームに近い感じでしょうか。

メンバーが比較的若いことも特徴でしょう。そのためか体力勝負のミッションが含まれていて、「バス旅」とは違う味わいで楽しめました。

最初はぎこちなかった両リーダーも、番組が進むにつれ板に付いてきました。次作にも期待したいですが、はたしてシリーズ企画として定着するのでしょうか。(鎌倉淳)

広告
前の記事中国山地のローカル線は生き残れるか。芸備線のあり方、地元と協議へ
次の記事京都市、バス・地下鉄1日券を値上げ。昼間回数券も廃止