根室線富良野~新得間が廃止へ。映画『鉄道員』舞台、幾寅駅も終幕に

沿線自治体が合意

JR根室線富良野~新得間の廃止が決定的になりました。現在も一部区間で不通ですが、復旧されないままバス転換されることになります。

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5区間のひとつ

JR根室線の富良野~新得間は、JR北海道が2016年にバス転換の方針を示した5区間のひとつです。

5区間のうち、石勝線新夕張~夕張間、札沼線北海道医療大学~新十津川間、日高線鵡川~様似間の3区間は、すでに廃止されています。根室線富良野~新得間と留萌線深川~留萌間が、存廃の最終決定に至っていませんでした。

このうち根室線富良野~新得間については、鉄道として存続させる場合、老朽化した設備の維持更新に20年間で計22億円かかるほか、年間10億9000万円の維持管理費が必要と見積もられています。鉄道を維持する場合、JR北海道は、この費用を沿線自治体が負担するよう求めていました。

幾寅駅

21年7月に方針転換

これに対し、沿線7市町村(滝川市、赤平市、芦別市、富良野市、南富良野町、新得町、占冠村)で構成する「根室本線対策協議会」は、当初、バス転換を前提とする協議には応じない姿勢を貫いてきました。

しかし、2020年12月に国交省がJR北海道への支援策を提示した際、JRがバス転換の方針を示している路線に対する支援策を盛り込まなかったことから、対策協議会は、今後も協議を拒否しつづけることは困難と判断。2021年7月6日に開かれた総会で、バス転換か、維持管理費を負担して存続させるかについて、具体的な協議に入る方針に転換しました。

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「運行費が負担できない」

2022年1月28日に開かれた対策協議会の会合では、富良野市、南富良野町、占冠村、新得町の4首長と、JR北海道の萩原国彦取締役、道総合政策部の柏木文彦交通企画監らが出席しました。

会合は非公開でしたが、富良野市の北猛俊市長は終了後の取材で「JRから求められた運行費が負担できないことを確認した」と述べ、廃止を受け入れる姿勢を明らかにしました。

これにより、富良野~新得間の廃止方針が決定し、今後、住民説明会などの手続きを経て、同協議会の総会で正式に廃止が決まります。

バス転換で、JRは、初期費用と運行にかかる赤字などを18年間補填すると提案しています。

復旧されないまま

富良野~新得間の2020年度の輸送密度は「57」。廃止方針が示される直前の2015年度の輸送密度でも「152」と、同社が廃線の目安とする「200」を下回っています。

このうち東鹿越~上落合信号場間は、2016年8月の台風で被災して不通になり、6年経ったいまもJR北海道は復旧作業に手を付けていません。そのため、現状の鉄道運行区間は富良野~東鹿越間のみです。東鹿越~上落合信号場間は復旧されないまま運行終了となります。

運休中の区間には、映画『鉄道員』のロケで有名になった「幾寅駅」もあります。映画では廃止を目前に控えた駅という設定でしたが、現実では、災害不通で列車が来ないまま路線図から姿を消すという、映画にもない厳しい終幕になりそうです。

幾寅駅の立地する南富良野町では、富良野~新得間の廃止により鉄道駅がなくなります。

幾寅駅

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廃線時期は?

鉄道運行を継続している富良野~東鹿越間の廃線時期は明らかではありません。廃止の正式決定は総会後ですが、対策協議会ではすでにバス転換後のルートなどの検討を始めています。新型コロナで鉄道利用者が減っていることからも、実際の廃止はそう遠くない時期とみられ、次の積雪期に入る前の2022年秋頃までに鉄道の運行を終了する可能性もありそうです。

富良野~新得間の廃止により、5区間で残るのは留萌線だけとなりました。留萌線では、沿線の最大自治体である留萌市が廃線の受け入れを表明し、石狩沼田~留萌間の廃止は決定しましたが、深川~石狩沼田間の扱いは未定です。ただ、こちらも国や道が財政支援に否定的で、存続は難しい状況です。(鎌倉淳)

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