「フルムーン夫婦グリーンパス」が、2021-2022年シーズンも例年通り設定されます。1981年の発売開始以来、40周年のシーズンを迎えることになります。
上原謙・高峰三枝子のCMが話題に
「フルムーン夫婦グリーンパス」はJR全線のグリーン車が新幹線・特急も含めて乗り放題(一部列車除く)になるという夢のきっぷ。2人1組で利用する決まりで、年齢があわせて88歳以上の夫婦が対象。同い年の夫婦なら44歳以上です。
初めて発売されたのは、1981年。法師温泉を舞台にした上原謙・高峰三枝子のCMが話題になりました。このCMをリアルタイムで覚えている方は、いまは、もれなくフルムーン世代になっているに違いありません。
フルムーン夫婦グリーンパスは好評を博し、国鉄民営化後も発売を継続。2021年で発売開始以来40年を迎えました。40周年となる2021-2022年シーズンの発売も決定し、41年目に向けて踏み出すことになります。
2021-2022年フルムーンパスの概要
2021-2022年シーズンのフルムーン夫婦グリーンパスの概要は以下の通りです。昨シーズンと変更点はありません。
◆発売期間
2021年9月1日~2022年5月31日
◆利用期間
2021年10月1日~2022年6月30日
※ただし、2021年12月28日~2021年1月6日、3月21日~4月5日、4月27日~5月6日の期間は、有効期間内であっても利用不可。
◆利用資格
フルムーン夫婦グリーンパスを利用できるのは、夫婦2人が同一の旅程でかつ年齢の合算が88歳を超える場合。なお、夫婦どちらかの年齢が70歳を超える場合は「シルバー用」が割引価格で購入できます。
◆価格
フルムーン夫婦グリーンパスの、2021-2022年シーズンの価格は以下の通りです。( )内はシルバー用の価格です。
5日間用 84,330円(79,330円)
7日間用 104,650円(99,650円)
12日間用 130,320円(125,320円)
◆発売箇所
全国のJRの主な駅と主な旅行会社の支店・営業所。
フルムーン夫婦グリーンパスの購入時に、婚姻を証明する書類の提示は不要です。ただし、列車乗車時は、年齢を証明できる公的証明書(健康保険証等)を所持する必要があります。また、「シルバー用」については、購入時にも、年齢を証明する書類の提示が必要です。
最古の全線きっぷ
フルムーン夫婦グリーンパスは、青春18きっぷと並ぶ、国鉄時代から続く企画きっぷです。発売開始は青春18きっぷより1年早く、JR全線が乗れるきっぷとしては最古の存在です。
「2人利用限定、相手は配偶者」のみ、という基本設定のハードルが高いため、青春18きっぷに比べると、発売枚数は多くはありません。しかし、1セットあたりの単価が青春18きっぷの約7~10倍と高く、オフシーズンのグリーン車の空席利用にも役立つからか、JRとして販売を継続する一定のメリットがあるのでしょう。
利用者からみても、1日1人あたり5,000円~8000円程度の価格で、JR全線のグリーン車が新幹線も含め乗り放題というのは、ある意味、青春18きっぷを凌ぐ破格のお値段です。そのため、高齢化を背景に、近年は少しずつ注目度が上がっている印象も受けます。
新型コロナ禍においても、ゆったりしたグリーン車は好まれるでしょう。高齢者のワクチン接種も進んでいることから、今年は意外と利用者が多くなるかもしれません。(鎌倉淳)