2022年3月ダイヤ改正「注目ポイント」ランキング。鉄道各社を総まとめ

寂しい話題が多いですが

2022年3月12日に実施される鉄道各社のダイヤ改正の概要が発表されました。新型コロナウイルス感染症の影響で、運転本数削減など寂しい話題が多いですが、新型車両導入など明るいトピックスもあります。

そこで、今回のダイヤ改正の注目ポイントをランキング形式でまとめました。ランキング順位は筆者の主観で、旅行者にとって関心の高い内容と、サプライズ性が高いものを上位にしています。似たトピックは近い順位に並べ、全国のダイヤ改正の傾向が理解しやすいようにしてあります。

なお、ランキングの異論は認めます。

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1位 小田急VSE引退

小田急VSE
画像:小田急プレスリリース

今回のダイヤ改正で大きな話題となったのが、小田急ロマンスカー50000形VSEの引退です。真っ白な車体に広々とした展望席を設け、ロマンスカーのなかでも別格の存在感を示してきた人気車両です。

車齢は17年にすぎず、引退にはやや早い印象もあり、発表に驚きの声が広がりました。その意外感も含めて、1位にランキングしています。

VSEの引退にともない、小田急の特急「はこね」「スーパーはこね」は大幅な減便となります。一方で、「さがみ」や「モーニングウェイ」などは増便。観光特急を減らし、着席サービスを増強するという点でも、今回のダイヤ改正全体を象徴しています。

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2位 全国で運転本数削減

2022年3月ダイヤ改正
画像:JR西日本プレスリリース

2022年3月ダイヤ改正は、全国で列車の運転本数の削減が広がりました。上図は京阪神エリアの日中時間帯の運転本数削減を示した地図ですが、広い範囲で減便が行われています。郊外では毎時2本が1本となる区間も多く、利用者への影響が大きそうです。

首都圏ではJR山手線や、東京メトロ銀座線といった、日本を代表する混雑路線でも減便が行われます。

運転本数削減の対象路線はあまりに多いので、大きなトピックス以外は一つ一つには触れませんが、JR・私鉄とも今回のダイヤ改正で最も大きな「注目ポイント」といえるでしょう。

3位 「新快速」米原発着が毎時1本に

新快速

運転本数削減のうち、青春18きっぷ旅行者の大きな注目を集めたのが、「新快速」米原発着列車が、日中時間帯に毎時2本から1本に減る点でしょう。米原~京都間は青春18きっぷの利用者が多い区間であり、愛用者からは落胆の声が広がっています。

大垣方面からの列車のうち2本に1本は「新快速」に接続しなくなるわけで、青春18きっぷのピークシーズンには混雑の偏りも懸念されます。また、東京~小倉の同日着が不可能になる可能性もあり、他区間も含めて長距離利用にどう影響するかが気になります。

なお、新快速は「Aシート」が定員制から全車指定席にかわります。連結列車が少ないので、あまり影響はなさそうですが。

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4位 キハ283系引退

キハ283系

札幌~釧路間を結ぶ特急「おおぞら」のうち、キハ283系で運転している列車が全てキハ261系に置き換わります。これにより、キハ283系の定期運用が終了する見込みです。

キハ283系は、振り子式気動車として北海道の特急高速化に挑んだ車両です。函館方面にも投入され、JR北海道を代表する列車として君臨した時期もありました。しかし、2011年の石勝線脱線火災事故後、トラブルが相次いだこともあり、速度を落として運行。最近は運用も激減していました。

JR北海道の栄光と衰退を体現した車両ともいえ、その引退には感慨を覚えずにはいられません。

5位 山形新幹線などで指定席が拡大

E3系山形新幹線つばさ
画像:JR東日本プレスリリース

全国的に、新幹線・特急の指定席が拡大します。

山形新幹線では自由席を廃止し、全車指定席となります。あわせて、山形・秋田新幹線の特急料金を見直します。

近畿エリアの在来線では、「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」が全車指定席になります。また、「サンダーバード」「しらさぎ」で指定席を拡大します。

関東地方では、房総特急の「しおさい」「さざなみ」「わかしお」で指定席車両を増やします。

背景として、インターネット予約の普及で指定席の予約が手軽になる一方、利用者にいは確実な着席求めるニーズが高まっていることが挙げられます。かつては、手軽に特急に乗るなら自由席でひょいというのが定石でしたが、今やスマホでチケットを買うのが手軽なのでしょう。

自由席で荷物をイスに置く客が多いといった、マナーの問題もありそうです。列車の乗り方の変化を移した改定ポイントなので、上位に置いてみました。

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6位 「のぞみ」速達化

N700Aのぞみ

東海道・山陽新幹線では、早朝・夜間の「のぞみ」を速達化します。対象となるのは、おもに東京発早朝・深夜の下り列車と、東京着午前・深夜の上り列車です。速達化により、定期「のぞみ」の東京~新大阪間の平均所要時間は1分短縮し2時間28分になります。

広島・福山への最終「のぞみ」を東京発20時台に初めて設定します。東京を20時に出る新幹線で広島に同日着できるというのは、わかりやすい改善点といえます。

また、博多・小倉から東京に10時台に到着可能な「のぞみ」を初めて設定します。博多~東京を乗り通す客は多くはありませんが、利用者への訴求ポイントにはなるでしょう。

「のぞみ」の定期列車の減便は行わないようで、日本の大動脈の力強さを感じさせてくれる内容です。

7位 N700Sを指定列車に充当

N700S車いすスペース
画像:JR東海プレスリリース

東海道・山陽新幹線では、車椅子スペースを6席設置したN700Sの一部を、指定した列車に充当します。これにより、当該車両で運転する列車を事前に予約できるようになります。

いままでは、当該車両の運転計画は当日朝にならないと確定しませんでした。そのため、新たな車いすスペースは当日朝からの予約開始となっていましたので、前もって旅程を立てにくいという問題がありました。

それが、指定列車として事前に明記されるわけです。あまり注目されていないポイントですが、車いす利用者には大きな改善点です。

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8位 首都圏特急がラッシュピークに運転

E353系

首都圏では、ラッシュのピーク時間帯に運転する特急列車が増便されます。

中央線では、特急「かいじ2号」の運転時刻を見直し、新宿駅到着を8時42分としました。新宿着が午前9時前に到着する中央特急はこれまでになく、山梨県からの首都圏アクセスが改善します。

内房線では、平日に木更津発特急「さざなみ4号」を東京08時10分着としました。かわりに東京09時13分着だった「さざなみ6号」の運転を取りやめます。

高崎線では、平日に高崎発特急「スワローあかぎ4号」を新設。上野着07時37分としました。かわりに、上野10時13分着だった「スワローあかぎ8号」の運転を取りやめます。

これらの列車は、ラッシュ時に通勤電車の減便で空いたスジを活用するようです。ラッシュ時間帯の着席サービスや速達サービスが充実するわけで、通勤電車の減便は悪いことばかりではありません。

9位 特急「あずさ」停車駅増

E353系あずさ

中央線特急は2019年3月のダイヤ改正時に、車両をE351系に統一。特急「あずさ」の速達化が図られました。その際に停車駅が整理され、 塩山、山梨市、富士見、下諏訪などで停車列車が大幅に削減されています。

2022年3月改正では、この「あずさ」の停車駅が大幅に増えます。とくに、「あずさ17号、18号」は、八王子、甲府、茅野しか停まらない最速達パターンでしたが、新ダイヤでは立川、韮崎、小淵沢、上諏訪、岡谷、塩尻に停車します。

新ダイヤでは、立川、上諏訪は全ての列車が停車することになります。要は、3年前の「あずさ」速達化方針を改め、途中駅の利便性向上に力を入れるわけで、大きな転換といえそうです。

10位 「成田エクスプレス」千葉停車拡大

成田エクスプレス

途中駅の利便性向上といえば、特急「成田エクスプレス」の千葉停車も同様です。新ダイヤでは千葉停車を拡大し、終日おおむね毎時1本が停車します。

成田空港の国際線の回復が見通せないなか、東京~千葉間や千葉~成田空港間の特急利用を促そうという施策とみられます。現在の成田エクスプレスは日中時間帯に全面運休していますが、ダイヤ改正後、千葉停車便を中心に運転再開していくのかもしれません。

また、新宿~大宮間の「成田エクスプレス」運転を終了します。大回りになるので所要時間が長く利用状況はよくありませんでしたが、新型コロナ禍が追い打ちとなったようです。

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11位 常磐線系統分離と「特別快速」削減

常磐線特別快速

常磐線では、日中時間帯は土浦で系統分離し、土浦以北は5両編成での運転となります。土浦以北は日中時間帯にグリーン車が連結されなくなり、首都圏普通グリーン車エリアの縮小も意味します。

また、「特別快速」が減便され、日中時間帯の運行がなくなります。上り午前、下り午後の1日2往復となる模様です。「特別快速」の減便は沿線利用者には予想されていたことのようで、「生き残ったことが驚き」という声もあるようです。

12位 磐越西線、会津若松で完全分離

快速あがの号

磐越西線は会津若松で系統を完全に分離し、郡山~喜多方間の直通列車の運行を取りやめます。会津若松~喜多方間は電化設備を撤去する方針も伝えられています。

あわせて、郡山~会津若松間ではパターンダイヤを導入。快速「あいづ」は全て4両化します。一方、会津若松~新潟間の快速「あがの」は廃止し、普通列車に変更します。

電化設備撤去は、JR東日本の今後の経営方針の一つにも掲げられています。その第一号となる区間だけに、注目せざるをえません。

13位 仙石線白紙改正

仙石線

仙石線では大規模なダイヤ改正を実施します。日中時間帯であおば通~多賀城間を減便し、東塩釜~松島海岸間で増便します。高城町~石巻間では、現行ダイヤで普通列車が毎時1本ありますが、時間帯により2時間に1本に減便します。

各地で快速サービスの縮小が相次ぐなか、仙石線では仙石東北ラインの「快速」の本数を維持しながら普通列車を減便するわけです。ということは、沿線の快速通過駅の利用が落ち込んでいることが察せられ、先行きが不安です。

→14位以降は車両の話題が登場です!
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