デルタ航空「羽田大増便」が楽しみな理由。米運輸局が増枠分の割り当て決定

1日7便がアメリカへ

アメリカ運輸局が、2020年に増枠される羽田空港の発着枠の割り当てを発表しました。デルタ航空が最大の5枠を獲得し、羽田空港発着の日米路線を大増便します。一方、同社は成田空港から撤退することを明らかにしました。

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2020年夏ダイヤで

日米両政府は、羽田空港に新たな飛行ルートを設けることで合意しており、2020年3月に始まる夏ダイヤより運用を開始する見通しです。国際線の発着回数は現状の年6万回(昼間時間帯)から9万9000回に増加し、1日あたり約50便増える予定。このうち、およそ半数にあたる24便を日米路線に配分します。

アメリカ運輸局はこのほど、その増枠分について、航空会社別の割り当てを発表しました。以下の通りです。

デルタ航空(5枠):シアトル、デトロイト、アトランタ、ポートランド、ホノルル
ユナイテッド航空(4枠):ニューアーク、シカゴ、ワシントン、ロサンゼルス
アメリカン航空(2枠):ダラス、ロサンゼルス
ハワイアン航空(1枠):ホノルル

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デルタは羽田に集約

最大の5枠を獲得したデルタ航空は、すでにロサンゼルスとミネアポリスの2路線を有しています。今回の増枠で、羽田でアメリカの航空会社として最大の日米7路線を持つことになります。羽田空港で大増便を実施するのにともない、同社は成田空港から撤退し、2020年に羽田空港に日米路線を集約すると発表しました。

以遠権で運航している成田~シンガポール線は2019年9月22日を最後に運休。2020年春には成田~マニラ線も運休する予定です。

同社の成田路線は、ノースウエスト航空の合併により引き継いだ路線がベースになっています。成田開港以来の伝統の路線が消え去ることには、感慨を覚える方も多いでしょう。

デルタ航空羽田拡大
画像:デルタ航空ウェブサイト

バリエーション豊富な機材

デルタ航空では、すでに増枠後の羽田路線の使用機材を発表しています。それによりますと、アトランタとロサンゼルスが777-200ER、デトロイトとミネアポリスがA350-900、シアトルがA330-900neo、ポートランドがA330-200、ホノルルが767-300ERです。機材のバリエーションが豊富で、乗る路線により異なる機材を楽しめそうです。

特に、シアトル線に投入されるA330-900neoは、デルタ航空に2機、全世界でも15機しか納入されていない最新鋭機です(2019年6月現在)。2019年8月31日より、成田~シアトル線に投入しますが、これを2020年春以降に、そのまま羽田路線に移管するようです。

デルタA330-900neo
画像:デルタ航空

A350-900も、日本ではJALに納入が開始されたばかりの新型機です。デルタでは、すでに成田~シアトル、デトロイト線に投入しています。こうした革新的な新機材を優先的に日本路線に投入してくるあたり、デルタの意気込みを感じます。

「成田の伝統」が途絶えるのは寂しい気もしますが、「羽田の革新」は期待大。増えた発着枠と新しい機材で、これまでにない空の旅の楽しみを提供してくれそうです。

それ以外の発着枠は?

日本国内や、アメリカ以外の各国航空会社の発着枠の割り当ては、2019年秋にも公表される見通しです。

日系航空会社の羽田新路線もまだ明らかになっていませんが、JALのシアトルやホノルル、ANAのサンフランシスコ、ワシントンあたりは有力とみられます。

アメリカ路線と接続するアジア方面の路線が充実すれば、羽田空港が北米・アジアのハブとしての役割を強化しそうです。

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