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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第25弾 仙台~中尊寺を検証する【1】最終局面の正解は?

いないよ、おばたくん

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」の第25弾が放送されました。太川陽介率いるバスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが、宮城県の仙台城跡から、岩手県の中尊寺までで競う企画です。勝敗を分析してみました。

以下はネタバレ100%です。また、記事公開後に加筆・修正することがあります。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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4か所のチェックポイント

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」は、ローカル路線バスを乗り継ぐチームと、ローカル鉄道を乗り継ぐチームが対決するテレビ番組です。

2025年10月22日に放送された第25弾では、「ルイルイ」こと太川陽介率いるバスチームと、「鬼軍曹」こと村井美樹率いる鉄道チームが、宮城県の仙台城跡から、岩手県の中尊寺まで乗り継ぎ対決しました。

途中のチェックポイントは、秋保温泉、山牛(寒河江)、あ・ら・伊達な道の駅、厳美渓・猊鼻渓の4か所です。厳美渓と猊鼻渓は両方回らなければならないので、実質的には5か所と呼べるかもしれません。

バスチームのメンバーは、太川陽介、ハシヤスメ・アツコ、おばたのお兄さん。鉄道チームのメンバーは、村井美樹、モモコグミカンパニー、西村和彦です。

バスチームが使っていいのはローカル路線バスのみ。鉄道チームが使っていいのはローカル鉄道のみです。ただし、両者とも15,000円までタクシーが利用できます。さらに、チェックポイントに先着すると1,000円または3,000円のボーナスがもらえるというルールも設定されていました。

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅25 秋のみちのく!紅葉スポット攻略SP
【出演】太川陽介、ハシヤスメ・アツコ、おばたのお兄さん、村井美樹、モモコグミカンパニー、西村和彦
【放送日】2025年10月22日(水) 19時25分~21時54分(テレビ東京系列、見逃し配信あり)

バスVS鉄道第25弾
Ⓒテレビ東京
 
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バスチームの実際ルート

まずは、太川率いるバスチームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。☆は獲得したチェックポイント、★は獲得できなかったチェックポイントです。

▽1日目(バスチーム)
仙台城趾09:48→徒歩2km→晩翠草堂前10:24→10:32仙台駅前10:42→11:35秋保・里センター(★)14:04→タクシー8km、3,010円→14:18仙台高専広瀬キャンパス入口14:22→15:13さくらんぼ東根駅前15:22→15:38天童駅前15:54→16:16寒河江郵便局→徒歩0.5km→山牛(★+2,000円)18:04→徒歩0.2km→中央通り18:11→18:30谷地/どんがホール19:07→19:35さくらんぼ東根駅前20:08→21:20新庄駅東口

▽2日目(バスチーム)
新庄駅06:35→08:20鳴子温泉駅08:40→09:04池月駅前→徒歩すぐ→あら伊達な道の駅(★)10:30頃→タクシー20km、7,050円+徒歩3km→築館11:40→12:43一関駅前(☆1,000円)13:00→13:42げいび渓口→猊鼻渓(-10円)→タクシー14.2km、5,110円→一関駅前15:30→15:51厳美渓17:00頃→タクシー7km、2,810円+徒歩3km→17:45中尊寺

最終局面では、厳美渓からタクシーで中尊寺に直行し、最後は歩いてゴールしました。ゴール時刻は17時45分頃でした。


※Googleマップのルートは概略です(以下同)。
※配信先でGoogleマップが崩れる場合は、こちらをご覧ください。

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鉄道チームの実際ルート

つぎに、鬼軍曹率いる鉄道チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogle Mapにより測定しています。

▽1日目(鉄道チーム)
仙台城址09:48→徒歩1.5km→10:09国際センター駅10:16→10:21仙台駅10:48→11:18愛子駅→タクシー7.3km、3,190円→11:33秋保・里センター(☆3,000円)13:47→タクシー7.3km、3,010円→14:01愛子駅14:11→15:16山形駅15:27→15:53寒河江駅→徒歩0.5km→16:07焼肉山牛(☆1,000円、-1,720円)17:20→徒歩0.5km→寒河江駅17:33→17:59山形駅18:02→19:32仙台駅

▽2日目(鉄道チーム)
仙台駅06:00→06:44小牛田駅07:03→07:58池月駅→徒歩0.2km→08:05あら伊達な道の駅(☆1,000円)10:40→徒歩0.2km→池月駅11:25→12:09小牛田駅12:52→13:38一ノ関駅(★)→徒歩2.5km→マクドナルド付近→徒歩0.9km→セブンイレブン一ノ関インター店付近→タクシー5.4km、2,110円→厳美渓15:10→タクシー22km、7,610円→猊鼻渓(-200円)→猊鼻渓駅17:50→18:22一ノ関駅18:27→18:35平泉駅→タクシー1.5km→18:45中尊寺

鉄道チームは、一ノ関駅から厳美渓、猊鼻渓とまわり、最後は平泉駅からタクシーに乗車したようで、中尊寺にゴールしたのは18時45分ごろでした。バスチームより、約1時間遅れのゴールです。

結果として、バスチームが前回に続き5連勝。鉄道チームは5連敗となりました。

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バスチームの検証

では、両チームのルートを検証してみましょう。最初はバスチームです。

バスチームは、仙台城から仙台駅に出て、秋保温泉方面のバスに乗り込みました。しかし、第1チェックポイントの早着は惜しくも逃し、ボーナス3,000円を手にすることはできませんでした。

ただ、仙台駅から秋保温泉への路線バスは、乗車した便が最速でしたので、この局面で太川にミスはありません。鉄道・バスともに時刻表通りで、愛子駅でタクシーが待機していて、渋滞もない場合、鉄道チームが数分差で先着する設定になっていたようです。


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秋保温泉からバスを利用していたら

最初のポイントは、秋保温泉でのミッションを終えてからでしょう。バスチームはタクシーで愛子駅近くの仙台高専広瀬キャンパス入口に急ぎ、14時22分発の「48ライナー」に乗車。さくらんぼ東根駅から、天童駅を経由して、第2チェックポイントのある寒河江に至りました。

しかし、第2チェックポイント先着は逃してしまいます。タクシー代を投じて急いだにもかかわらず、ボーナスを得られなかったのです。

では、秋保温泉から仙台高専まで、タクシーを使わずに、バスを利用していたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目(バスチーム)
秋保・里センター14:07→14:23愛子駅→徒歩1.3km→仙台高専広瀬キャンパス入口16:22→17:13さくらんぼ東根駅前17:22→17:38天童駅前17:54→18:16寒河江郵便局→山牛(★)20:00→タクシー14.4km、5,520円→さくらんぼ東根駅前21:38→22:50新庄駅前

仙台高専からのバスは2時間遅い便となり、そのまま約2時間遅れで第2チェックポイントに至ります。ミッション終了後、寒河江からの最終バスは終わっていますので、当日中に新庄駅に達するには、さくらんぼ東根駅までタクシーに乗車する必要があります。その概算は5,520円です。

一方、秋保温泉から仙台高専までのタクシー代は3,010円でした。つまり、秋保温泉から仙台高専でタクシー代3,000円を節約すると、寒河江から東根の間で5,000円を使わなければならなくなるわけです。

となると、秋保温泉でのタクシー利用は、結果論として間違っていなかったことになります。


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一ノ関駅へ先着

実際ルートに戻ります。バスチームの2日目は、新庄駅から陸羽東線代替バスに乗り、鳴子温泉駅で乗り継いで、池月駅前に到着。第3チェックポイントをこなした後、築館付近までタクシーで急ぎました。

築館でおばたがはぐれて、危うく乗り逃しそうなりましたが、なんとか一ノ関行きに乗車。第4チェックポイントの一ノ関駅に12時43分に到着できました。

バスチームとして、今回初めての先着です。駅からは、猊鼻渓方面行きの13時発のバスに乗車したようです。

猊鼻渓のミッションをこなした後、タクシーで一ノ関駅に向かい、厳美渓行きのバスに乗車。厳美渓からの最終局面は、タクシーでゴールの中尊寺を目指します。途中でタクシー代が尽きてしまいますが、3kmを歩いてゴールできました。


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先に厳美渓を訪れていたら

今回のお題の最大のポイントは、この厳美渓、猊鼻渓のまわり方です。パターンがいくつかあって複雑ですが、ひとつずつ見ていきましょう。前提として、一ノ関駅以降で使えるタクシー代は、猊鼻渓での賽銭を差し引いて7,930円でした。

まず、実際のバスチームは、一関駅前から猊鼻渓行きのバスに乗車しましたが、厳美渓方面に先行していたら、どうなっていたでしょうか。

▽2日目(バスチーム)
一関駅前13:15→13:36厳美渓14:20→タクシー22km、7,610円→15:00猊鼻渓→げいび渓口15:50→16:32一関駅前17:20→17:49中尊寺

このように、厳美渓に先行して、猊鼻渓までタクシーで移動した場合、中尊寺バス停に17時49分に到着します。境内への移動を5分とすれば、17時55分頃にゴールできるでしょう。実際のゴール時刻は17時45分ごろでしたので、それより10分程度遅くなります。ただ、鉄道チームのゴールは18時45分頃でしたので、バスチームの勝利となります。


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厳美渓からタクシーで一関駅に向かったら

実際ルートでは、厳美渓を訪れたあと、タクシーで中尊寺へ直行しました。しかし、タクシー代が足らずに、最後は3kmを歩くハメになっています。

では、実際ルートで厳美渓を訪れたあと、タクシーで一関駅前に向かっていたら、どうなっていたでしょうか。

▽バスチーム(2日目)
一関駅前15:30→15:51厳美渓17:00頃→タクシー+徒歩、計8km→17:20一関駅前17:20→17:49中尊寺

厳美渓から一ノ関駅までのタクシー代は、概算で3,000円ほどです。そのため、このときのバスチームのタクシー残金2,820円では、わずかに届きません。ただ、数百メートルを歩けば、一ノ関駅に到着できます。

実際の一行は、厳美渓でのタクシー確保に苦労していました。放送では、タクシー出発時刻が明確ではありませんでしたが、ゴール時刻から逆算すると、17時ごろに出発したようです。ですので、一ノ関駅に17時20分ごろに到着できる可能性はあります。

その場合、一関駅前17時20分発の中尊寺方面行き最終バスにギリギリで間に合います。ゴール時刻は、先ほどと同じく18時前で、バスチームの勝利です。

一関駅前で乗り遅れた場合は、中尊寺まで約9kmを歩くことになりますので、ゴール時刻は19時半頃になります。その場合は、バスチームの敗退です。

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厳美渓からバスで一関駅に向かったら

では、厳美渓から、バスで一ノ関に戻っていたら、どうなっていたでしょうか。

▽バスチーム(2日目)
一関駅前15:30→15:51厳美渓17:10→17:31一関駅前→タクシー7km+徒歩2km→18時10分頃中尊寺

この場合、一関駅前に着くのが17時31分ですので、17時20分発の中尊寺への最終バスに間に合いません。したがって、一ノ関駅からタクシーと徒歩で中尊寺に向かうことになります。

その場合、ゴールは18時10分頃になっていたでしょう。それでも、鉄道チームには勝つことができます。

猊鼻渓からタクシーで厳美渓に向かっていたら

実際のバスチームは、一関駅前からバスで猊鼻渓に向かい、タクシーで一ノ関駅に戻り、バスで厳美渓に進んでいます。

選択肢としては、猊鼻渓から厳美渓までタクシーで直行する方法もありました。その場合は、厳美渓から中尊寺へタクシーで直行するだけの資金が残りませんので、厳美渓からバスだけで乗り継いで中尊寺に向かうことになります。

▽2日目(バスチーム)
一関駅前13:00→13:42げいび渓口→猊鼻渓→タクシー22km、7,610円→15:10厳美渓16:10→16:31一関駅前17:20→17:49中尊寺

猊鼻渓から厳美渓までタクシーに乗った場合、厳美渓のミッションを1時間ほどで終わらせ、厳美渓16時10分発のバスに乗れば、一関駅前を経て、18時頃にゴールできます。


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厳美渓・猊鼻渓まとめ

まとめると、バスチームは、実際のタクシー代を基に検討すると、最終局面のまわり方によって、ゴール時刻は17時45分から19時半頃になります。

標準的なのは、一関駅前発の最終バスに乗って、中尊寺に18時頃にゴールするパターンです。それより早いのが実際ルートです。したがって、バスチームは最終局面で「正解」を選択したことになります。

「不正解」といえるのは、19時半になるパターンです。ただ、19時半になるのは、厳美渓から一ノ関駅までタクシーに乗り、一ノ関駅から中尊寺への最終バスを逃した場合だけです。

現実の鉄道チームのゴール時刻は、18時45分頃でした。要するに、現実の鉄道チームの動きに即せば、太川チームは勝利できる可能性が高かった、というわけです。

バスVS鉄道第25弾
Ⓒテレビ東京

展開次第では敗退も

ただし、振り返れば、バスチームが敗退する可能性もありました。

たとえば、秋保温泉から愛子駅までバスに乗り、寒河江から東根まででタクシー代を2,000円余計に使うことになっていたら、最終局面で4km程度を余計に歩くことになりますので、ゴール時刻は鉄道チームと互角になり、バスチーム敗退の可能性もありました。

第2チェックポイントで2,000円のボーナスが得られなかった場合も同じです。つまり、バスチームが楽勝だったわけではなく、秋保温泉での適切な判断と、肉ミッションでの的中が奏功したというわけです。

【続きはこちら】
バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第25弾 仙台城~中尊寺を検証する【2】

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