「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第16弾 旭川~十勝を分析する【2】完勝ルートは存在した

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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第16弾 旭川~十勝を分析する【1】見逃された乗り継ぎルート

バスVS鉄道対決旅第16弾
Ⓒテレビ東京

「バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」第16弾のルート検証、ここからはバスチーム2日目の検証です。

新得11時30分発に乗れていたら

2日目、ルイルイは、幾寅~トマム間の占冠村営バスをトマムから乗り、落合でJR根室線の代行バスに乗り換えました。根室線代行バスは、1日目は荒天で運休していたのですが、2日目は動いていたようです。1日目に根室線の運休を食らった鉄道チームに比べると、バスチームは幸運でした。

サホロリゾート前で降車し、徒歩で第3チェックポイントのヨークシャーファームに向かいました。ただ、途中で豊の島が足の痛みを訴えペースダウン。チェックポイント先着を逃しました。

そのため、ミッションで後手を踏み、タクシーを呼んだもののすぐには来ず、結果として新得駅11時30分発のバスを乗り逃してしまいました。仮にこのバスに乗れていたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
ヨークシャーファーム→タクシー約6.4km→新得駅前11:30→13:02帯広駅前13:26→13:54十勝川温泉

十勝川温泉に13時54分に着きます。そのまま歩いて、14時すぎにはゴールできていたでしょう。バスチームのゴール時刻は15時20分ごろでしたので、約1時間差を付けての快勝です。

バスチームのヨークシャーファームのミッションは10時47分に終了していましたので、タクシーを首尾良く呼べていれば、新得駅11時30分発のバスは、十分に間に合うタイミングです。

つまり、タクシーが来てくれさえすれば、バスチームが勝利できていたことになります。裏を返せば、バスチームの敗因は「タクシーがすぐに来なかったこと」に求められます。この点で、ルイルイは不運でした。

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サホロからタクシーに乗っていたら

新得駅11時30分発に乗るためには、ヨークシャーファームに早く着いて、ミッションの先攻権を確保しておくことも重要でした。そのためには、サホロリゾートからタクシーを使えばよかったかもしれません。

▽2日目
落合08:26→08:55サホロリゾート前→タクシー4.5km、概算1,760円→ヨークシャーファーム→タクシー約6.4km、概算2,440円→新得駅前11:30→13:02帯広駅前13:26→13:54十勝川温泉

このように乗り継げれば、2日目はほとんど歩かずにゴールして勝利できます。

タクシー代については、サホロからヨークシャーファームまでタクシーに乗って、さらに新得まで乗った場合、両区間の合計は約11kmで、料金の概算は計4,340円です。

2日目朝の残金が6,100円。ヨークシャーファームの先着で1,000円を足せば7,100円です。迎車料金を考慮しても、両区間をタクシーで乗り切るのに十分な金額です。

つまり、サホロリゾートでタクシーを呼んでいたら、バスチームは新得駅11時30分発のバスに乗れた可能性が高く、勝利していた、ということです。

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新得駅までバスに乗る

とはいえ、サホロリゾートは街中から離れていて、昨今のタクシー事情を鑑みれば、呼んでもすぐに来てくれるとは限りません。タクシーの捕まえやすさを考えるなら、落合からのJR代行バスをサホロで降りずに、新得駅まで乗るという考え方もあるでしょう。

▽2日目
落合08:26→09:14新得駅→タクシー6.4km、概算2,440円→ヨークシャーファーム→タクシー約6.4km、概算2,440円→新得駅前11:30→13:02帯広駅前13:26→13:54十勝川温泉

ヨークシャーファームを目指すとき、新得駅からタクシーに乗ると、サホロから乗るより2kmほど長くなります。ただ、駅前に停車中の空車があれば、迎車料金はかかりません。

鉄道チームが新得駅に到着したときの映像には、客待ちタクシーが映っています。地方駅のタクシーは、列車到着直後しか客待ちをしていないこともありますが、9時ごろの新得駅ならば、タクシーにすぐ乗れた可能性はあります。

新得駅ですぐにタクシーに乗れれば、ヨークシャーファームの先着も実現でき、ボーナス1,000円も獲得できます。鉄道チームのタクシー代獲得を阻止したうえに、チェックポイントを先に出発できていたわけで、最終的にバスチームが勝利できていた可能性が高かったでしょう。

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新得11時30分に乗り遅れても勝てる?

実際ルートに戻ります。

新得発11時30分発のバスを乗り逃した一行は、鹿追方面へ向かい、タクシー代が足りなくなると歩きました。結局、鹿追(中市街)を14時すぎに出るバスに乗れましたが、十勝が丘公園の到着は16時すぎ。鉄道チームに勝つことはできませんでした。

鉄道チームのゴールは15時20分ごろでしたので、バスチームが勝利するには、これより早くゴールする必要があります。

ここまで記してきた通り、新得11時30分発のバスに乗れれば、この条件をクリアできます。では、乗れなかった場合に、バスチームが勝つ方法はあるのでしょうか。

可能性として残るのは、鹿追から帯広のバスの活用でしょう。ルイルイが実際に乗ったルートですが、この路線は比較的便数が多く、実際ルートの1時間前にも便があります。鹿追役場前を13時02分に出るバスです。これに乗れば、以下のように乗り継げます。

▽2日目
鹿追役場前13:02→14:02帯広駅前14:33→15:01十勝川温泉

十勝川温泉バス停着が15時01分です。同バス停からゴールの十勝が丘公園までは1km弱なので、鉄道チームとほぼ互角です。バスが定刻運転なら勝機はあったでしょう。

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鹿追13時02分発に乗るには?

では、鹿追役場(中市街も同時刻)13時02分のバスに乗るには、どうしたらよかったのでしょうか。

実際ルートと同様、ヨークシャーファームを11時23分に出たとすれば、以下のような乗り継ぎが必要です。

▽2日目
ヨークシャーファーム11:23→タクシー21km→鹿追役場前13:02→14:02帯広駅14:33→15:01十勝川温泉

ヨークシャーファームから鹿追役場までのタクシー代は概算で7,390円です。しかし、現実のバスチームには6,100円しかありません。実際、バスチームは上記のルートをたどって鹿追を目指しましたが、たどりつけず、6kmを歩く羽目になっています。

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西達布ルートなら

ここで思い起こすのが、前述の西達布ルートです。富良野から西達布ルートを採れば、1日目のタクシー代を抑えられます。

ふたつの先着ボーナスを得られたとして、2日目に7,000円程度のタクシーを残すことができました。以下のようになります。

▽1日目
富良野駅前16:20→17:05西達布→タクシー12.8km、概算4,780円→幾寅駅17:50→18:21トマム駅(☆1,000円)

▽2日目
トマム駅07:35→07:56落合08:26→08:55サホロリゾート前→徒歩4.5km→10:06ヨークシャーファーム11:23→タクシー21km、概算7,390円→中市街13:02→14:02帯広駅前14:33→15:01十勝川温泉

上記の乗り継ぎの場合、タクシー概算が総額12,170円です。バスチームの資金総額12,000円を少し上回りますが、最後に少し歩けば帳尻があう範囲です。

すなわち、1日目に西達布ルートを選んでいれば、サホロ以降を実際ルートに即して進んだとしても、つまり、サホロからヨークシャーファームまで歩き、タクシーがなかなか来なかったとしても、勝利の可能性があった、ということです。

このときの徒歩距離は、ゴール直前とあわせて6km程度に収まります。ただ、ゴール時刻は鉄道チームと互角なので、確実に勝てたとはいえません。

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西達布セーブルート

ところで、西達布ルートには、少しばかり乗り継ぎに時間的な余裕があります。1日目の戦略として、乗り継ぎに余裕があれば、そのぶん歩くものでしょう。仮に、西達布ルートで2km歩いたと仮定すると、以下のような乗り継ぎも可能になります。

▽1日目
富良野駅前16:20→17:05西達布→タクシー約10km、4,000円+徒歩2km→幾寅駅17:50→18:21トマム駅(☆1,000円)

▽2日目
トマム駅07:35→07:56落合08:26→08:55サホロ→タクシー4.5km、概算1,760円→ヨークシャーファーム(☆1,000円)11:23→タクシー19km+徒歩2km→中市街13:02→14:02帯広駅14:33→15:01十勝川温泉

サホロからヨークシャーファームまでタクシーを利用し、ミッション終了後にタクシーを呼んだものの、11時23分まで来なかった場合です。

実際ルートと同様に鹿追を目指した場合、約2km分ほどタクシー代が足らなくなりそうです。そこを徒歩で乗り切れば、鹿追(中市街)13時02分発のバスに間に合い、十勝川温泉に15時すぎにゴールできます。

このとき、鉄道チームは第3チェックポイントのタクシー代を得られないのでゴールが遅れますので、バスチームの勝利となります。

バスチームの徒歩距離は、十勝川温泉から十勝が丘公園までの1km弱を含めて、合計5km程度に収まります。徒歩5kmで、勝利を確実にできていた乗り継ぎと言えます。「タクシーがなかなか来なかった」という現実に即した勝利パターンです。

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完勝ルート

1日目に西達布ルートを発見し、2日目に新得駅からタクシーを使って、降車時にタクシー事情を確認し、予約をしておけば、ほとんど歩かずに済みます。以下の乗り継ぎです。

▽1日目
旭川空港11:40→11:56美瑛駅(☆1,000円)12:11→12:37白金温泉13:07→13:38美瑛駅14:31→15:22富良野駅前16:20→17:05西達布→タクシー12.8km、概算4,780円→幾寅駅17:50→18:21トマム駅(☆1,000円)

▽2日目
トマム駅07:35→07:56落合08:26→09:14新得駅→タクシー6.4km、概算2,440円→ヨークシャーファーム(☆1,000円)→タクシー約6.4km、概算2,440円→新得駅11:30→13:02帯広駅13:26→13:54十勝川温泉

タクシーの総乗車距離は25kmあまり、料金は概算9,660円にとどまります。先着ボーナスを3箇所で獲得できるので、タクシー代は余裕でしょう。十勝川温泉にタクシーがいれば、十勝が丘公園までのラスト1kmも、タクシーに乗ることができます。

この場合、鉄道チームは第3チェックポイントのボーナスが取れていないので、最後の局面でタクシーを使えず、ゴールは16時近くになります。そのため、バスチームがほぼ無徒歩のうえ、2時間差をつけた完勝となるわけです。

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