ATRの短距離離着陸機ATR42-600Sの納入が後ろ倒しになることが明らかになりました。導入を目指しているトキエアなどは方針の見直しを迫られそうです。
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2025年納入へ
ATR42-600Sは欧州の航空機メーカーATR社が開発中の小型ターボプロップ機(プロペラ機)です。48人の座席定員を確保しながら、最短800mあれば離着陸できるという短距離離着陸(STOL)性能が特徴で、2022年下半期までに型式証明取得を見込んでいました。
しかし、新型コロナウイルスの影響により開発が遅延。ATRのステファノ・ボルトリCEOは、7日のオンライン記者会見で「2023年初飛行、2025年納入」の見通しを公表し、従来より3年納入が遅れることを認めました。
路線開設時期に間に合わず
国内でATR-600S導入を正式に表明しているのは、トキエアです。トキエアは新潟を拠点とする新規航空会社です。詳細はこちらの記事をご覧ください。
トキエアの研究。新潟発「プロペラLCC」という新業態は成功するか
トキエアは、滑走路長が800mの佐渡空港への就航を目指していて、機材としてATR-600Sを使用する方針です。久しぶりの佐渡空港路線再開と期待され、2023年までの就航を目指していましたが、機材の開発遅延により計画通りの路線開設が難しくなりました。
トキエアが計画している新潟~関西、新潟~仙台線などの路線は、従来型のATR-600(70人乗り)を使用する計画です。そのため、ATR-600Sの開発遅延の影響は受けません。(鎌倉淳)
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