木次線に「あめつち」乗り入れ検討。三段式スイッチバックは走らず

「奥出雲おろち号」運行終了後に

JR西日本が木次線の新たな観光列車として「あめつち」の乗り入れを検討しています。「奥出雲おろち号」の代替ですが、名物の三段式スイッチバックは走りません。

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「奥出雲おろち号」の代替

木次線の観光列車である「奥出雲おろち号」は、車両の老朽化により2023年度を最後に運行を終了する予定です。沿線自治体は後継の観光列車を求めていて、JR西日本は1月20日の自治体との協議の場で、「あめつち」を木次線に乗り入れさせることを提案しました。

「あめつち」はキハ40系を使用した2両編成の観光列車で、週末を中心に山陰線鳥取~出雲市間を運行しています。JR西日本の提案は、2024年度から「あめつち」を週に1回程度木次線に乗り入れ、宍道~出雲横田間を運行するというものです。

あめつち
画像:JR西日本

厳しい提案

「奥出雲おろち号」は木次線全線を走り、出雲坂根~三井野原間にある三段式スイッチバックがクライマックスです。しかし、「あめつち」が宍道~出雲横田間のみ運行する場合、この区間を走りません。JR西日本によると、「あめつち」の性能では、出雲横田~備後落合間の勾配を走ることができないそうです。この区間の最急勾配は30‰に達します。

JR西日本は、このほか、120系車両にラッピングなどを行って魅力を高め、定期列車の利用促進を図ることも提案しています。いずれにせよ、トロッコ列車として人気を博した「奥出雲おろち号」の集客力には及びそうもなく、沿線自治体としては厳しい提案となりました。

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新たな観光列車は?

沿線自治体は「奥出雲おろち号」の存続または、新たな観光列車を求めていて、一定の負担にも応じる姿勢を見せています。

これに対し、JR西日本は、新しい観光列車の導入について、「経営的にも技術的にも困難で、財政支援の有無に関わらず実現できない」という認識を示しました。

自治体側は、次回2月9日の会議までに意見を集約し返答するそうですが、難しい判断を迫られそうです。(鎌倉淳)

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