2021年8月豪雨、鉄道被災情報まとめ[改定版]。橋梁に被害も

2021年8月13日からの大雨で、各地で鉄道が被災しています。状況が徐々に明らかになりつつあります。現在わかっている被災状況をまとめてみました。

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中央本線で土砂流入

国土交通省の「令和3年8月の大雨による被害状況等について」や、鉄道各社のプレスリリースに基づいて、未復旧の路線を中心に鉄道被害をまとめてみます。

JR東日本の中央本線では、下諏訪町の諏訪湖畔を通る線路に山側の道路から泥水が流れ込み数十メートルにわたって冠水しました。JR東日本の運行情報によりますと、8月17日から運転を再開します。

中央本線被災
中央本線上諏訪~下諏訪間。画像:JR貨物プレスリリース

中央本線では、川岸~辰野駅間でも土砂流入などの被害が生じています。このため、塩尻~辰野経由~岡谷間では、運転再開のメドが立っていません。

中央本線被災状況
中央本線川岸~辰野間。画像:JR東日本プレスリリース
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中央西線、飯田線で長期不通か

JR東海では、中央本線の古虎渓駅に土砂が流入しました。

古虎渓駅
古虎渓駅。画像:JR東海プレスリリース

倉本駅では信号機器室が損傷しました。倉本駅~上松駅間と、木曽平沢駅~贄川駅間でも土砂が流入しています。

倉本・上松間
倉本・上松間。画像:JR東海プレスリリース

木曽平沢~贄川間
木曽平沢~贄川間。画像:JR東海プレスリリース

このうち、古虎渓駅では復旧作業が進み、高蔵寺駅~南木曽駅間は8月17日から運転を再開します。

一方、南木曽駅~塩尻駅間は信号設備や線路設備が損傷しており、全線運転再開には相当な期間を要する見込みです。

特急「ワイドビューしなの」は、当分の間、全列車を運休します。代わりとして、17日から、塩尻・松本~長野間で臨時快速を運転します。

飯田線では、宮木駅~辰野駅間の横川橋梁で橋脚等の損傷が発生しています。このため、伊那松島駅~辰野駅間の運転再開には相当な期間を要する見込みです。

宮木駅~辰野駅間の横川橋梁
宮木駅~辰野駅間の横川橋梁。画像:JR東海
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山陽本線は復旧まで10日程度

JR西日本では、山陽本線の小野田駅~厚狭駅間で大規模な路盤流出、電架柱の倒壊、架線及びケーブルの切断が発生しています。切断されたケーブルは、宇部線、小野田線の信号・通信制御に関わるもので、ケーブルが復旧できない限り、両線区の列車の運行ができない状況です。

このため、山陽本線厚東駅~厚狭駅間と、宇部線新山口駅~宇部駅間、小野田線宇部新川駅~小野田駅間で、復旧まで10日程度かかる見通しです。

山陽本線被災
山陽本線小野田~厚狭間。画像:JR西日本
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久大線は橋梁被害

JR九州では、久大線杉河内駅~北山田駅間の第十玖珠川橋梁で被害の可能性があります。

佐世保線北方駅~高橋駅間でも線路が冠水しています。北方駅構内では、783系ハイパーサルーンが浸水の被害にあっているようです。

アルピコ交通で橋脚傾斜

アルピコ交通の上高地線では、西松本駅~渚駅間の田川橋りょうの橋脚が傾斜して、列車運行ができなくなっています。当分の間、松本駅~新村駅間はバスによる代行輸送をおこないます。

明知鉄道では、阿木駅~飯羽間駅間でバラストが流出。8月18日まで終日運休とします。

明知鉄道豪雨被害
画像:明知鉄道プレスリリース

松浦鉄道では、夫婦石駅~金武駅間で法面が崩壊しました。8月17日から運転を再開する予定です。

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