2019年ゴールデンウィークの海外航空券が高騰中です。天皇即位にともなう10連休とあって、季節のいいヨーロッパ方面への航空券がとくに高くなっています。
香港経由便でも22万円
まずは2019年4月27日東京発、5月5日ロンドン発(5月6日東京着)で検索してみましょう。航空券メタサーチで知られるスカイスキャナーで検索してみました(以下の情報は1月19日の検索時。以下同)。
ご覧の通り、「最適プラン」と出てきたのは、キャセイパシフィック航空を使った香港乗り継ぎ。往路22時間、復路17時間かかります。往路の到着地がヒースローではなく、ガドウィックである点も注意が必要です。これで22万円です(1,000円単位以下省略、以下同)。
最安値は15万円で、ジェットスターとエアチャイナの組み合わせ。香港と北京の2回乗り継ぎで、往路は29時間、復路は24時間です。往復するだけで疲れそうです。
羽田直行便は70万円
最短プランで出てきたのは、ブリティッシュエアウェイズが70万円。往復とも羽田発着の直行便フライトですが、エコノミークラスで支払う金額としては高すぎます。直行便での最安値は、往路成田発、復路羽田着の同じくブリティッシュエアウェイズで、69万円。たいして変わりません。
ちなみに、ANAの直行便は往復109万円。エコノミーでこんな運賃設定があるのか、とちょっと驚きました。JALは運賃の設定がありませんでした。
ロンドン経由便が22万円
以下では、主な目的地のゴールデンウィークの航空券価格を表にしてみました。
「最適」はスカイスキャナーの「最適プラン」、「最短」は直行便の最安値です。「最適」が直行便の場合は、「最安」プランを一部で掲載しました。欧米方面の最安値は気が遠くなりそうな乗り継ぎなので、省略しています。
いずれも4月27日東京発、5月6日東京着です。
※価格は1,000円単位切り捨て。所要時間は往復の平均で、30分未満切り捨て、30分以上切り上げ。
目的地 | タイプ | 価格 | 乗継地 | 所要時間 | 航空会社 |
---|---|---|---|---|---|
ロンドン | 最適 | 22万円 | 香港 | 20時間 | キャセイ |
最短 | 69万円 | 直行便 | 12時間 | ブリティッシュ | |
パリ | 最適 | 24万円 | 上海 | 17時間 | 中国南方+エアフランス |
最短 | 48万円 | 直行便 | 12時間 | エアフランス | |
フランクフルト | 最適 | 26万円 | 上海 | 16時間 | 中国南方 |
最短 | 67万円 | 直行便 | 11時間 | ルフトハンザ | |
ローマ | 最適 | 23万円 | 北京、エカテリンブルグ | 21時間 | ANA+ウラル |
最短 | 73万円 | フランクフルト | 15時間 | ルフトハンザ | |
バンコク | 最適 | 10万円 | 直行便 | 6時間 | JAL |
最安 | 8万円 | 台北 | 18時間 | タイガーエア台湾 | |
ホーチミン | 最適 | 11万円 | 直行便 | 6時間 | ベトナム |
最安 | 7万円 | 仁川 | 22時間 | チェジュ+ベトジェット | |
シンガポール | 最適 | 9万円 | 台北 | 10時間 | スクート |
最短 | 16万円 | 直行便 | 7時間 | シンガポール | |
台北 | 最適 | 6万円 | 直行便 | 3時間 | ジェットスター+チャイナエア |
ソウル | 最適 | 5万円 | 直行便 | 3時間 | チェジュ |
シドニー | 最適 | 32万円 | 直行便 | 10時間 | カンタス+ANA |
ホノルル | 最適 | 28万円 | 直行便 | 8時間 | ANA |
ロサンゼルス | 最適 | 28万円 | 直行便 | 11時間 | シンガポール |
ニューヨーク | 最適 | 19万円 | 上海、仁川 | 26時間 | ピーチ、大韓 |
最短 | 42万円 | 直行便 | 13時間 | ユナイテッド |
日にちを少しずらしても
ご覧の通り、世界各地どこへ行くにも航空券が高いです。とくに、季節のいいヨーロッパ方面への直行便は50~60万円台と、目が飛び出る価格です。もう一度書きますが、エコノミーの価格です。こんな価格ならビジネスを買った方がいいのでは、と思い調べてみると、たとえば東京~ロンドンでは同日で100万円以上の価格になります。
少し日をずらそう、と思っても、そう簡単ではありません。以下は、東京~ロンドンのJALの運賃カレンダーです。
手頃な価格の運賃を探すと、往路は4月24日の147,000円。復路は5月3日の141,000円か、5月6日の147,000円にして、やっと往復30万円以下です。これでも高いですが。
バンコクについては、ANAのカレンダーを見てみましょう。
10万円以内に押さえるには、4月24日出発、5月4日帰りか、4月26日出発、5月7日帰りなどの日程にしなければなりません。
ちなみに、LCCのタイ・エアアジアXでも、4月27出発、5月6日戻りで確保できる成田~バンコク(ドンムアン)のチケットは13万円です。気候がいいとはいえないゴールデンウィークのバンコクでさえ、10万円以下に抑えるのは容易ではありません。
休暇を繰り下げるほうが安くなる
JALやANAの表をよく見れば気がつきますが、安く旅行をするには、休暇を繰り上げるよりは、繰り下げる方が効果的です。休暇を後ろに2日延ばせばかなり安くなりますが、前倒しするなら3日早めないとあまり安くなりません。
サラリーマンが大型連休前後に有給休暇をくっつける場合、「前倒しで休む」ほうが気が楽です。一方で、「休みを後ろに延ばす」のは、やりにくいのでしょう。
「先に休むのはいいけれど、出社日は同僚と揃えたい」という、日本人サラリーマン心理が、航空券価格にも反映されています。
おおざっぱにいって、安く旅行するなら、往路出発は4月24日以前か5月1日以降、復路は日本着が5月3日以前か8日以降、ということになります。でも、なかなかそんなに休めないですよね。
東アジアなどの近場の場合、往路出発は5月2日くらいまでは、ややお高めです。
悩ましい大型連休
海外航空券は、出発日が近づくにつれ高くなるとは限らず、これから出発2~1カ月前にかけて、価格変動をしながら座席が埋まっていきます。一般論としては、旅行会社が押さえていた席が売れずに戻されるなどして、一時的に安くなることもあります。
ただ、2019年のゴールデンウィークに関しては、空前の10連休ということもあり、大きく価格が下がることはなさそうです。
うんざりするようなチケット価格ですが、思うように休みが取れないサラリーマンにとっては、気候のいい時期の10連休は魅力的。価格は高くても旅行したい人も多いでしょう。旅好きには悩ましい連休となりそうです。(鎌倉淳)