2019年3月JRダイヤ改正「注目ポイント」ランキング。バラエティ豊富な内容に

異論は認めます

2019年3月16日に実施されるJRはじめ鉄道各線のダイヤ改正の概要が発表されました。新幹線開業のような派手なニュースはありませんが、新線や新特急の話題あり、新しい着席サービスありで、バラエティ豊富な内容になっています。

そこで、今回のダイヤ改正の注目ポイントをランキング形式でまとめました。JRのほか、同時期の私鉄各線の内容も入れています。ランキング順位は筆者の主観で、トピックス性の強い内容と、サプライズが大きなものを上位にしています。異論は認めます。

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1位 特急「あずさ」「かいじ」の停車駅整理

今回のダイヤ改正の最大のトピックスは、やはり中央線特急関連でしょう。中央線特急「あずさ」「かいじ」の定期列車をE353系に統一し、「スーパーあずさ」の愛称はなくなります。

なかでも意外感があったのが、停車駅の見直しです。四ッ谷、三鷹は全特急列車が通過。塩山、山梨市、石和温泉は全ての「あずさ」が通過します。これまでの中央線特急は、停車サービスを拡大してきた印象がありましたので、今回のダイヤ改正は大きな転換点に感じられました。

停車駅の整理により、「あずさ」の新宿~甲府間の平均所要時間を3分短縮、新宿~松本間を6分短縮するとのことです。

驚きなのは、最速列車が茅野に停車し、上諏訪を通過したことでしょうか。下り「あずさ11号」は新宿~松本間を2時間25分で、上り「あずさ12号」は、2時間23分で結びます。

E353系への統一にともない、新たな着席サービスが中央線特急にも導入されます。ただし、一部臨時列車はE257系で運転します。

E353
画像:JR東日本プレスリリース

2位 特急「はちおうじ」「おうめ」登場

中央線特急関連を続けると、快速「中央ライナー」と「青梅ライナー」が特急に格上げされます。特急「はちおうじ」が東京~八王子間に、特急「おうめ」が東京~青梅間に運転されます。通勤時とはいえ、青梅線での特急運転開始も大きなトピックスでしょう。

特急「はちおうじ」「おうめ」は、平日の朝・夜時間帯にE353系での運転です。「はちおうじ」は下り6本、上り2本、「おうめ」は上下各1本です。

廃止となる「中央ライナー」は下り5本、上り2本ですので、特急格上げで1本増便となります。一方、「青梅ライナー」は下り3本、上り1本なので、特急格上げで2本減便となります。

このほか、新宿駅を19時30分に発車する特急「かいじ19号」の始発駅を東京駅に変更します。新幹線からの乗り換えを便利にする目的だそうですが、通勤ライナー的な使い方を意識しているのは間違いなく、中央線で通勤特急を拡充したことになります。

快速から特急に格上げするので、利用者の負担増が生じます。これまでライナー券510円で乗れたのが、中央線特急ではチケットレス割引で50kmまで650円となります。えきねっとでチケットレス予約ができるので、利便性は向上しそうです。

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3位 新快速に「Aシート」を導入

JR西日本のダイヤ改正で一番のトピックスは、新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入することでしょうか。一部の新快速で、12両編成のうち1両(9号車)が有料座席車両となります。

ついに新快速にも有料座席サービスが! と期待したいところですが、運転本数は1日2往復。朝夕に1本ずつだけです。運転区間は野洲~姫路・網干間に限られ、主に通勤客がターゲット。

青春18きっぷを利用して米原から姫路まで乗り通すような旅行者には、あまり縁のない列車になりそうです。

Aシート
画像:JR西日本プレスリリース

4位 通勤特急「らくラクはりま」登場

新快速の「Aシート」導入と同時に、JR神戸線に通勤特急「らくラクはりま」を新設します。姫路~大阪間を平日に1日1往復。朝は大阪方面へ、夜は姫路方面へ運転します。途中停車駅は三ノ宮、神戸、明石、西明石、加古川です。

夕方に姫路方面へ運転している「はまかぜ5号」と「スーパーはくと13号」についても、停車駅を「らくラクはりま」にあわせます。

新快速の「Aシート」に、「らくラクはりま」を加えて、JR神戸線の有料着席サービスが充実することになります。

時刻を見てみると、平日下りは姫路を「らくラクはりま」が06時21分発、「Aシート」が07時35分発。

平日上りは大阪を「らくラクはりま」が18時04分、「はまかぜ5号」が19時04分、「スーパーはくと13号」が20時06分、「Aシート」が22時00分発。

列車ごとに運転時間を分けて、着席サービス展開するわけです。

京都線・琵琶湖線で運転している「びわこエクスプレス」は、“通勤特急「びわこエクスプレス」”に名称を変更します。大阪駅を中心に、西へ「らくラクはりま」、東へ「びわこエクスプレス」の2つの「通勤特急」が揃うことになります。

JR西日本では、北陸新幹線の敦賀開業時に、特急用車両に余剰が生じます。そのため、「通勤特急」を新たなブランドとして拡大していくという方針なのでしょう。

らくラクはりま
画像:JR西日本ウェブサイト
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5位 「成田エクスプレス」がラッシュ時の横須賀線から撤退

大船07時09分発の「成田エクスプレス9号」が新宿発に変更になりました。空いたスジを横須賀線普通列車の増発に充てます。「9号」は武蔵小杉07時39分発で、3分前に湘南新宿ラインも走ることから、通勤時間帯の横須賀線で10分も間隔が空いていました。

横須賀線は首都圏屈指の混雑路線ですし、タワーマンションが林立する武蔵小杉駅の大混雑は社会的関心事になっています。そんな状況で、もはや横須賀線の通勤時間帯に「成田エクスプレス」を入れつづけることはできない、という判断でしょう。

武蔵小杉のタワマンパワーおそるべし! と個人的に思ったので上位ランクイン。

6位 富士急直通特急「富士回遊」がデビュー

新宿駅と富士急行河口湖駅を結ぶ特急「富士回遊」がデビューします。E353系3両編成で、新宿~大月間は特急「かいじ」と併結運転です。

首都圏と富士山エリアを乗り換えなしで結ぶ特急が登場し、中央線で併結運転するというのは大きなトピックスでしょう。大月駅で併結・解結作業が見られるのも楽しみです。

1日2往復の運転ですが、臨時列車も想定されているようです。一部の臨時列車はE257系で運転することが告知されました。プレスリリースに明記はありませんが、河口湖への「ホリデー快速富士山」や快速「山梨富士」などの減便・廃止をともなうとみられます。

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7位 三陸鉄道「リアス線」開業

東日本大震災以来不通だったJR山田線の宮古~釜石間が復旧し、三陸鉄道に移管。これにより、三陸鉄道の南北リアス線が統合し、盛~久慈間163kmをつなぐ長大路線が誕生します。

あの大災害から8年、よくぞ復旧に漕ぎ着けました。これはやっぱり、大ニュースです。

三陸鉄道

8位 「おおさか東線」全通

今回のダイヤ改正で唯一の新線開業ということで、上位にランクイン。おおさか東線の新大阪~放出間が開業し、新大阪~久宝寺間が全通します。学研都市線、大和路線方面から新大阪駅へのアクセスが改善します。

久宝寺駅から大和路線を経由し、新大阪~奈良間を直通で結ぶ「直通快速」が設定される一方、「直通快速」は尼崎~放出間の運転を取りやめます。

新大阪~久宝寺間の所要時間は、普通列車で34分。新大阪~放出間は16 分です。

おおさか東線
画像:JR西日本プレスリリース

9位 牟岐線の高速バス乗り換えダイヤ

腰を抜かしそうになったのは、JR四国の牟岐線です。阿南以南で徳島バスの高速バスへ接続するダイヤを発表しました。阿南以南では、バス代行輸送とまではいかないものの、それを意識した形になるのでしょうか。

牟岐線とつながる阿佐海岸鉄道では、2020年にDMVを導入する計画です。阿波海南~海部間はJRから阿佐海岸鉄道に編入される予定。そうしたことも見据えてのダイヤ改正かもしれません。

牟岐線特急「むろと」も1日1往復に減便、「ホームエクスプレス阿南」は廃止となります。

一方、牟岐線の徳島~阿南間では日中にパターンダイヤを設定し、30分ごとの運転を実現。同区間では8往復の大増便です。輸送量の多い区間では列車を増やし、少ない区間はバス代行。メリハリを付けたダイヤ改正、というべきなのでしょうか。

牟岐線バス接続
画像:JR四国プレスリリース

10位 北海道新幹線高速化

北海道新幹線の青函トンネル内の最高速度を 140km/h から 160km/h に上げ、「はやぶさ」「はやて」の所要時間を短縮します。現行より最大4分の短縮で、東京~新函館北斗間を最速 3 時間 58 分で結ぶ列車が登場。4時間の壁を破りました。

「4時間切り」はニュースになりやすい話ですが、実際のところ、最速で走るのは下り2本、上り1本だけです。利用者にどのくらい意味があるかは、微妙な気がします。

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11位 「はやて」定期列車が東京~盛岡間で消滅

東北新幹線では、E5系を追加投入。東京~盛岡間で運転している「はやて」を「はやぶさ」に置き換えます。これにより、「はやて」の定期列車は東京~盛岡間で消滅します。

定期「はやて」は盛岡・新青森~新函館北斗間の2往復だけになり、ローカル列車になってしまった印象です。2002年12月のデビューから、わずか16年余。はやくも東京口から定期列車としては撤退するわけで、時代の移り変わりの速さを感じます。

12位 東京メトロ東西線に浦安始発

東京メトロ東西線で、浦安始発の列車が登場します。中野行きを早朝6時台に2本新設。ラッシュ時の浦安駅以西の利用者へのサービスと思われます。浦安には留置線はないので、回送で妙典方面から送り込んでくるのでしょう。

ローカルな話題ですが、通勤サービスの拡充が今回のダイヤ改正全体の大きな流れなので、上位に取り上げてみました。留置線のない駅から始発列車という点で、意外性も強かったです。

東西線
画像:東京メトロプレスリリース

13位 首都圏の通勤ライナーが「湘南ライナー」のみに

通勤時の着席サービスの拡充が相次ぐなか、総武線では「ホームライナー千葉」が5本全て廃止となります。

そのかわりに、平日の夕方・夜の通勤時間帯に東京発千葉行を3本増発。また、津田沼行を千葉行に2本延長します。総武線にはグリーン車という着席サービスがあるため、ホームライナー廃止という判断になったのでしょうか。

「中央ライナー」「青梅ライナー」「ホームライナー千葉」が揃って廃止されたことにより、首都圏のJR通勤ライナーは東海道線の「湘南ライナー」のみとなります。

JR東日本では、特急「おだわら」という列車名を「はちおうじ」や「おうめ」と同時期に商標登録しており、近い将来、「湘南ライナー」についても、特急「おだわら」に格上げされる可能性もありそうです。

14位 郊外路線、ローカル線で減便相次ぐ

特定の路線というわけではありませんが、ローカル線や郊外部での減便が相次ぎました。八高線の高崎~高麗川間では、1日16往復が14往復に減り、児玉折り返しと小川町折り返しの区間列車が設定されます。

高崎エリアでは、このほか、両毛線の宇都宮行きが小山行きになったり、吾妻線の高崎発が新前橋発になったり、細かな減量が目立ちます。水戸エリアの常磐線、水戸線、水郡線でも減便や運転区間の縮小があります。

地方のローカル線でも、少ない列車本数がさらに削られます。花輪線、弥彦線、陸羽西線、中央線、山陰線、本四備讃線、予讃線、土讃線、高徳線、牟岐線、徳島線などで減便が実施されます。

JR九州では、2018年3月ダイヤ改正で大減便を実施しましたが、今回、日豊線と吉都線で増便になっています。

15位 山陽線が糸崎・三原で系統分断

山陽線の岡山・福山方面~広島・岩国方面を直通運転している列車がなくなり、糸崎または三原駅で系統が分断されます。下り列車は全て糸崎駅にて同一ホーム乗り換え。上り列車は一部異なるホームでの乗り換えとなります。

山陽線は、国鉄時代の運転系統の余韻を残した長距離列車が走っていましたが、このダイヤ改正を機会に、JR的なエリアごとの運転系統になってしまうようです。

16位 瀬戸大橋を渡る普通列車が消滅

岡山エリアでは、瀬戸大橋を渡る児島~琴平・観音寺といった普通列車が廃止されます。これにより、特急と快速「マリンライナー」以外のJR西日本・四国の直通運転はなくなります。

これも系統分断の一種でしょうか。JR旅客会社をまたぐ普通列車が、ここでも減少します。

17位 広島エリアで国鉄型電車が姿消す

広島エリアでは、227系レッドウィングの投入を完了します。岡山エリアと系統を分断することもあり、山陽線の三原~岩国間、呉線の三原~海田市間、可部線の横川~あき亀山間で、全ての列車が227系での運転になります。

これにより、国鉄型電車は、広島エリアから姿を消すことになります。

227系
画像:JR西日本プレスリリース

18位 上越新幹線E4系縮小、「Maxとき315号」も消滅

全車2階建て新幹線E4系が走り続けている上越新幹線に、最新鋭のE7系が投入されます。一部編成は「とき色」の塗装が施されるという報道もありました。グランクラスも連結しますが、座席のみの営業で、アテンダントによるサービスはおこなわれません。

ダイヤ改正でE7系が走るのは6往復。主な置き換え対象は、現在「Max」の列車名で運転されているE4系の列車です。JR東日本はE4系の更新方針を明らかにしており、今回のダイヤ改正でE4系の運用は減少。そう遠からず姿を消しそうです。

歌のタイトルにもなった「Maxとき315号」も消滅し、ただの「とき315号」となります。NGT48ファンには残念なことでしょう。乗り納めが起こるのでしょうか。

e4max

19位 上越新幹線で停車駅削減

上越新幹線では、「とき」の一部列車の停車駅を削減します。本庄早稲田、上毛高原、越後湯沢、燕三条の各駅で、「とき」停車列車が1日1~2往復減ります。「とき」には全駅停車やそれに近い列車もあり、鈍足列車での速達性向上が目的のようです。

停車駅削減により、上越新幹線の全列車の平均所要時間は、東京~新潟間で1分短縮され、下り2時間4分、上り2時間5分となります。

20位 長野「おはようライナー」廃止で189系は?

国鉄型189系で運転されている篠ノ井線快速「おはようライナー」(塩尻~長野)が運転を取りやめ、211系電車を使用した快速列車に変わります。この189系は最後の1編成ですが、ダイヤ改正で定期運用から外れるとみられ、今後が気になります。

また、松本~長野で1往復運転されている特急用E257系を使用した快速列車も、普通列車用の211系電車に変更されます。青春18きっぷで乗車できる「お得な列車」として取り上げられる定番でしたが、姿を消すことになります。

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21位 香椎線が全列車「DENCHA」に

JR九州は、今回のダイヤ改正でニュースがあまりありません。最大のトピックスは香椎線で新型蓄電池電車BEC819系「DENCHA」を投入することでしょうか。

全ての列車が「DENCHA」での運転に変わるという、思い切りの良さが光ります。西戸崎~香椎間が平均2分短縮、香椎~宇美間が平均3分短縮されます。

22位 「くろしお」日根野停車拡充

特急「くろしお」の日根野駅に停車する本数を増やし、白浜方面行きが1日16本、新大阪方面行きが1日15本となります。

日根野停車は関西空港の利用者対応で、和歌山方面の利便性向上が目的です。インバウンドとLCCの拡充により関西空港の利用者が激増していることを象徴するダイヤ改正です。

くろしお
画像:JR西日本プレスリリース

23位 全特急列車がトマム停車

JR北海道の在来線で気になったのは、全特急列車のトマム停車。唯一のトマム通過列車だった「スーパーおおぞら4号」を、トマム駅に通年停車させます。これまでも冬季に臨時停車していましたが、それを定期化した形です。

トマムへの外国人旅行者が増えるなか、ついに石勝線の全ての特急が停車するようになるわけです。誤乗防止の意味もあるのでしょう。これもインバウンド効果を象徴するダイヤ改正といえそうです。

24位 石勝線で普通列車半減

石勝線関連では、追分~新夕張間の普通列車が、10本から5本に半減します。そもそも利用者が少ないからでしょうが、2019年3月末で夕張支線が廃止されることや、普通列車用のディーゼルカー不足も理由とみられます。

救済措置として、特急の下り2本、上り1本が、追分、新夕張に停車します。

25位 根室線3駅廃止

JR北海道の秘境駅廃止が、今回のダイヤ改正でもおこなわれました。根室線の直別駅、尺別駅、初田牛駅の3駅を廃止します。

もはや驚きがなくなってきたJR北海道の駅廃止ですが、今回はこの3駅のみで、宗谷線など他路線で廃止はありませんでした。

初田牛駅

26位 「南風」全列車が高知止まりに

岡山~宿毛・中村を結ぶ特急「南風」が全て高知止まりになります。高知以西は系統分割され、特急「あしずり」が高知~宿毛・中村間を走ります。これも合理化の一環でしょうか。

27位 東京メトロ北綾瀬駅に10両編成

東京メトロ千代田線北綾瀬駅ホームの10両化にともない、綾瀬発着だった千代田線列車の一部が北綾瀬まで延長運転。朝ラッシュ時は綾瀬始発13本のうち5本が、日中は6本のうち3本が北綾瀬始発になります。

小田急との直通運転も行われますので、これからは小田急線でも「北綾瀬ゆき」の表示を見ることになるでしょう。

直通運転で便利になる北綾瀬住民には朗報ですが、始発の恩恵を受けていた綾瀬住民にとってはどうでしょうか? 

28位 千代田線夕方大増発

千代田線関連では、17時~23時に10往復増発の大盤振る舞いです。時間あたり1~2本、運転本数が増えることになります。

一気に10往復増発とは景気がいいので、ランクイン。

千代田線
画像:東京メトロプレスリリース

29位 南武線で夕ラッシュ時に快速運転

近年増発が続いている路線と言えば、南武線もその1つ。今回のダイヤ改正では、平日夜のラッシュ時に快速列車を運転します。

下りは17時~19時台に「川崎発・稲城長沼行」を4本、上りは18時~19時台に「登戸発・川崎行」を4本設定します。混雑が続く南武線での輸送力強化といえそうです。

30位 小田急開成駅に急行停車

神奈川県で人口増加率トップを誇る開成町。その需要に期待してホームを10両化し、急行が停車することになりました。快速急行は通過しますが、一部列車は途中で急行に種別変更という荒技で停車を実現します。

人口増加による需要増を見越した急行停車、という景気のいい話は、近年の郊外部ではあまり聞かないので、ひとつのトピックスといえそうです。

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31位 学園都市線で延長運転

学園都市線(札沼線)では、計12本の列車をあいの里公園~北海道医療大学間で延長運転します。石狩当別方面への利便性向上が目的とのことです。

札沼線医療大学~新十津川間の廃止を1年後に控え、地元対応の意味もあるのかもしれません。

32位 道南いさりび鉄道と北海道新幹線の接続改善

道南いさりび鉄道では、木古内での北海道新幹線からの乗換え時間の短縮が行われます。

詳細は不明ですが、これにより「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の使い勝手が良くなるかもしれません。期待半分、不安半分。

33位 「スーパー北斗」のキハ281系が3往復に

JR北海道が、キハ261系17両を追加投入し、キハ281系を置き換えます。キハ261系「スーパー北斗」は2往復増えて9往復になります。キハ281系の「スーパー北斗」定期列車は3往復のみとなります。

JR北海道はキハ281系の置き換え方針を示していますが、今回の運用削減で余剰となった車両がどういう扱いになるかはわかりません。ただ、引退時期が近づいていることは感じられます。

キハ281

34位 南千歳通過の「スーパー北斗」

「スーパー北斗23号」が南千歳を通過します。代わりに千歳に停まります。千歳停車により、千歳発の最終普通列車に接続し、千歳~札幌間の普通列車停車駅へのアクセスができるようになります。

現ダイヤで、南千歳の到着時刻は23時07分。新千歳空港行きの終電後なので、通過させても空港アクセスとして支障はないという判断でしょう。南千歳通過、というと驚きますが、実情にあわせたダイヤ改正といえそうです。

35位 万葉まほろば・和歌山線に227系を投入

万葉まほろば線(桜井線)と和歌山線に新型車両 227 系を順次投入します。

JR西日本の新型車両が、利用者数がそれほど多くない両線に投入されるのは、すでに報じられていることですが、やっぱりちょっとした驚きです。2019年秋頃までに計56両が順次投入されます。

227系和歌山線
画像:JR西日本プレスリリース

36位 常磐線に「Jヴィレッジ駅」が開業

常磐線の広野~木戸間に「Jヴィレッジ駅」(臨時駅)が開業します。Jヴィレッジやその周辺でイベント等が開催される日に営業します。Jヴィレッジのグランドオープンに合わせて、実際のオープンは4月頃になるようです。

三陸鉄道リアス線とあわせて、東日本大震災からの復興を象徴するトピックスといえそうです。

37位 嵯峨野線に「梅小路京都西駅」が開業

嵯峨野線の京都~丹波口間に、梅小路京都西駅が開業します。京都鉄道博物館・京都水族館をはじめとする梅小路公園周辺の各スポットへのアクセス利便性が上がります。

停車するのは、日中毎時4本の普通列車。使い勝手の良さそうな駅位置ですが、名前がちょっと読みにくい気が。

梅小路京都西駅
画像:JR西日本プレスリリース

38位 大糸線「ヤナバスキー場前駅」廃止

スキー場利用の臨時駅として営業していた大糸線「ヤナバスキー場前」駅ですが、スキー場の営業が休止となっていることから廃止されます。

最後はマックアースが運営していたヤナバスキー場ですが、2016年シーズンを最後に営業されていません。スキー場が廃止されたのなら駅廃止も仕方ありませんが、ちょっと残念です。

39位 筑肥線「糸島高校前駅」が開業

筑肥線の波多江~筑前前原間に新駅「糸島高校前駅」が開業します。最近の駅名は文教的な香りのする学校名を入れるのが全国的な流行ですが、ここでは創立110年の名門・糸島高校をそのまま駅名に使用しました。篠田麻里子の出身校です。

糸島高校前駅
画像:JR九州プレスリリース

40位 山手線品川電留線廃止

品川駅の山手線電留線がついに廃止になります。山手線内回りの品川行最終列車(品川駅 1:19 着)が、品川駅の車両留置線廃止にともない大崎止まりになります。

品川駅では、京浜急行のホーム地上化工事が計画されています。その用地とするため、電留線を廃止するようです。

小さなダイヤ変更ですが、将来の品川駅大改造を予感させる大きな一歩です。

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「通勤対応」が目立つ

全体をまとめてみると、今回のダイヤ改正では、通勤客の着席サービスの向上を目指す施策が目立ちました。中央線とJR京都・神戸線という、東西の通勤路線で新たな着席列車が登場したのがその象徴といえます。

「成田エクスプレス」のかわりに普通列車を増発した横須賀線や、浦安始発を設定したメトロ東西線、夕方の快速列車の運転を開始する南武線など、混雑が集中する路線に対しても手が打たれています。

地域ごとに興味深い内容に

毎度のことですが、郊外部、ローカル線では合理化が目立ちました。全国的に普通列車の減便や系統分離が行われ、何よりも牟岐線の「バス代行輸送」とも受け取れる施策には驚かされました。

国鉄型車両の引退はピークを超え、わずかに生き残った車両が少しずつ姿を消している印象です。JR初期の車両にも、引退が近づいている様子がうかがえます。

2019年3月16日ダイヤ改正は、みなが注目する派手な話題には乏しいですが、地域ごと、沿線ごとに、興味深い施策が目立った内容といえそうです。(鎌倉淳)

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