国鉄時代に急行型車両として一時代を築いた「165系」が、2015年度にも定期運用から姿を消すことが決まりました。「165系」を唯一運用している富士急行が、JR東海から371系車両の購入を決定し、置き換えることを発表したためです。
富士急行が購入するのは、JR東海の371系特急形電車7両(7両編成1本)です。7両編成を3両編成に改造し、「フジサン特急」として運用します。2015年3月に購入し、2015年度中の営業運転開始を予定しています。
165系改造の富士急2000系が引退
「フジサン特急」は、2002年から富士急行の大月~河口湖間で営業運転を開始しました。JR東日本の165系改造車「パノラマエクスプレスアルプス」を購入し富士急2000系とし、3両編成2本が運用されてきました。このうち1本は、2014年7月に、小田急ロマンスカー20000形「RSE」を3両編成に改造した車両(富士急8000系)によって置き換えられています。
残る2000系1編成が、371系によって置き換えられることで、旧国鉄型165系は富士急行での営業運転を終了します。これで165系を運用している会社はなくなり、165系は日本全国で運行を終了します。一時代を築いた旧国鉄型車両が、また一つ姿を消すことになります。
JR・小田急「あさぎり」が富士急でもペア
富士急が購入した371系は1991年、JR東海の特急形電車として登場し、小田急線とJR御殿場線の直通特急「あさぎり」で運用されてきました。民営化して間もないJR東海の「新宿進出」を担った意欲的な車両でしたが、結果的には7両編成が1本製造されただけでした。
371系は2012年3月に「あさぎり」での定期運用を終了し、その後はJR東海の臨時列車で使われていましたが、2014年11月末に臨時列車での運用も終了しています。
富士急の「フジサン特急」は、今後も2編成で運用されますが、もう1編成の8000系も「あさぎり」で運用されていた旧小田急車両です。つまり、「あさぎり」で運用されてきたJR・小田急の車両が、富士急行で再びペアを組むことになります。