JR九州が、また新しい観光列車を発表しました。新列車の名称は「かわせみ やませみ」で、車両デザインはおなじみ水戸岡鋭治氏です。熊本~人吉間の運転で、九州を縦断する旅に使えそうです。
JR九州11本目の観光列車
「かわせみ やませみ」は、鹿児島線・肥薩線の熊本~人吉間を走ります。同社の観光列車としては11本目で、肥薩線では4本目となります。運行開始は2017年春です。
「かわせみ、やませみ」は、球磨川の渓流を飛び回る野鳥にちなんだ名称。肥薩線の八代~人吉間は車窓から望む球磨川の風景が大きな魅力で、流域に生息する鳥の名を取り入れ、自然の豊かさを伝えるコンセプトです。
列車は2両編成で定員70人程度。車両外観は1両目が川をイメージするブルー、2両目は山をイメージするグリーンで、ヘッドマークはかわせみとやませみの姿をあしらっています。
車両の内装デザインなどはこれから。JR九州の青柳俊彦社長は「どうすれば乗客に感動してもらえるか、地元の皆さんと一緒におもてなしを勉強し、その成果を提供していきたい」などと話し、沿線自治体や地元住民と知恵を出し合いながらサービスを決めていく方針を打ち出しました。
1日3往復の運行予定
時刻表などは未定ですが、熊本~人吉間で毎日3往復程度の運行予定です。となると、現在運行されている熊本~人吉間の快速のスジを中心に割り当てるとみられます。ただ、新列車は、おそらく特急になるのではと予想します。
日本経済新聞2016年4月13日付によりますと、「JR九州は乗り継いで熊本―鹿児島中央駅間を観光し新幹線で博多方面へ帰るモデルコースを提案する」とのこと。つまり、「やませみ かわせみ」と「いさぶろう じんべい」(人吉~吉松)「はやとの風」(吉松~鹿児島中央)の3つの観光列車を乗り継いで、熊本~鹿児島中央間を移動できるダイヤを構築するようです。
肥薩線は南九州の鉄道のハイライトですし、これはなかなか楽しみな観光鉄道ルートになりそうです。一方で、2016年3月ダイヤから開始された「いさぶろう しんぺい」の熊本乗り入れは、「やませみ かわせみ」投入後、吉松~人吉間のみの運転に戻る可能性もあります。「いさぶろう しんぺい」を熊本から乗ってみたい方は、早めに体験しておくといいでしょう。(鎌倉淳)