JR四国の新観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に期待。「最後の国鉄型」キハ185系が土讃線で最後の活躍へ

JR四国は、2017年4月から多度津・琴平~大歩危間を運行する土讃線の観光列車について、「四国まんなか千年ものがたり」と名付けると発表し、車両デザインも公表しました。充当するのは古豪キハ185系。「最後の国鉄型車両」の一つです。

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コンセプトは「おとなの遊山」

「四国まんなか千年ものがたり」は、土讃線に新しく導入される観光列車です。命名理由は、四国中央部を縦走し、沿線に金刀比羅宮や平家落人伝説が残る祖谷地域など1000年を超える歴史や文化が残るからだそうです。

列車のコンセプトは「おとなの遊山」。里山や渓谷の美しい景観を楽しみながら、地元食材を使った料理を楽しめます。

大歩危発多度津・琴平行きの列車には「しあわせの郷紀行」という愛称が付けられ、徳島で野山への行楽に使われる三段重ねの弁当箱「遊山箱」を使った食事が供されます。

一方、多度津・琴平発大歩危行きの列車には「そらの郷紀行」という愛称が付けられ、香川漆器を使った食事が提供される予定です。

四国千年
四国千年
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2億円を投資

車内は褐色木材を使った和風の雰囲気。反対側の車窓も楽しめるように座席の配列が工夫されています。古民家風の格子天井もしつらえられました。座席は全部で55〜60席になる予定です。

2016年8月から車両改造に着手し、12月に完了の予定。運転時刻の詳細は未定ですが、運行時間は約2時間半で、単線非電化の区間をゆっくりと走っていきます。

土日祝日を中心に1日1往復、年間約120日の運行を予定しています。その他、平日は貸し切りで年50日の運行を見込みます。列車改造や駅改修など費用は約2億円とのことです。

中間車は「廃車からの復活」か

なかなか手の込んだ車両にみえますが、新車ではなく、キハ185系の改造です。キハ185系は国鉄民営化直前の1986年に登場した特急型気動車で、民営化後の経営難を見越して、国鉄特急型車両では初めてステンレス車体にするなど、維持費の負担を減らす仕様になっています。

「四国まんなか千年ものがたり」は3両編成。イラストを見ると、真ん中のタネ車はキロハ186に見えます。JR四国で充当できそうなキハ186といえば、2013年3月に廃車にされたキロハ186-1しかなさそうです。

キロハ186-1は長く高松運転所に保管されていましたが、2015年12月に多度津工場に回送されました。これが改造されて「四国まんなか千年ものがたり」のなるのでしょうか。だとすれば、廃車からの復活となり、少しドラマティックです。

車齢30年の古い車体をリニューアルして観光列車を作りお客さんを呼び込むというJR四国の試み。同社はキハ47を改造した「伊予灘ものがたり」で成功しました。最後の国鉄型車両を再活用した「四国まんなか千年物語」にも、おおいに期待したいところです。(鎌倉淳)

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