JR西日本が「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車両構造を発表しました。アールデコ調をベースにしたデザインで、1両1室のスイートルームのほか、ツインルームやシングルルームも設定されています。一人旅にも優しいクルーズトレインとなりました。JR西日本が公開した客室画像を全部掲載してみてみましょう。
スイートからシングルまで全16室
「トワイライトエクスプレス瑞風」は、JR西日本が開発している新たな寝台列車で、ツアーによるクルーズトレインとして利用されます。ディーゼル発電機で発電した電力とバッテリーアシストによるモータ駆動によるハイブリッド方式を採用した10両編成です。
今回、全編成の概要が発表され、1・10号車が展望車、5号車がラウンジカー、6号車が食堂車で、客室は7号車がスイート1室、2・3・8・9号車がツイン3室、4号車がユニバーサル対応のツイン1室とシングル2室となっています。全16室です。
「トワイライトエクスプレス瑞風」の編成表
「トワイライトエクスプレス瑞風」の編成表は以下の通りです。
シングルルームは「カシオペア」や「ななつぼし」には存在しませんので、クルーズトレインとしては初めての設定です。これまでのクルーズトレインは「一人旅」を相手にしてこなかった印象がありますが、「トワイライトエクスプレス瑞風」は「おひとりさま歓迎」ということなのでしょう。「一人旅」にやさしい列車を歓迎する人も多そうです。
客室内に両側窓
車両デザインは、「ノスタルジック・モダン」がコンセプト。先頭車は展望デッキと5本のラインからなる流線形です。丸目のヘッドライトや「往年のボンネット型を彷彿とさせる運転室」を配置し、懐かしさを演出したとのこと。車内はアールデコ調をベースに、中国5県の県産材を使ったドアや沿線の伝統工芸品を散りばめたデザインとするそうです。
客室は大型窓で列車の左右両側を眺望できるレイアウトになっています。7号車のスイートルームは通路を階段で下層におろし、客室内の両側に窓を配置。それ以外の部屋は、片方の窓は通路を挟んでの展望となります。
スイートルームは1両1室のスペースとし、エントランスやプライベートバルコニー、リビング・ダイニング、寝室、バスタブ付きバスルームを備えています。JR西日本いわく、「スイートと呼ぶにふさわしいあつらえ」と胸を張っています。
ツインルーム
シングルルーム
展望デッキで「風を感じられる」
食堂車(6号車)は白を基調にしたややフォーマルな雰囲気でオープンキッチンの構造です。
ラウンジカー(5号車)は バーカウンターや立礼の茶の卓、ブティックスペースを備え、木を多用した落ち着いた雰囲気。
展望車(1・10号車)は天井付近まで続く大型窓で空まで望める開放的な空間としています。展望デッキに出ることもでき、「沿線の風を感じることも可能」だそうです。
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の運行開始は2017年春。JR西日本が掲げる列車コンセプトは「美しい日本をホテルが走る」ということで、それにふさわしい車両になりそうです。おもなルートは山陽・山陰をぐるりと一周する形ですが、できれば四国や九州にも乗り入れてほしいところです。