JR北海道が、785系電車の引退を明らかにしました。同時に、キハ183系の引退方針についても正式に発表しました。島田修社長が1月15日の記者会見で述べたものです。
記者会見の詳細は伝えられていませんが、報道各紙に掲載された情報を基に、JR北海道の特急車両更新計画をまとめてみました。
「スーパー白鳥」の789系に置き換え
島田社長は、保有する785系37両全てを5年以内にすべて更新する考えを示しました。「スーパー白鳥」で使用している789系が北海道新幹線開業で余剰になるので、それと置き換えます。
キハ183系についても更新する考えを示しましたが、JR北海道は現在90両を所有しており、そのうち22両についてはエンジン換装などのリニューアル作業を2014年までに行っています。こうしたリニューアル済み車両は当面、運転を継続します。それ以外の68両はキハ261系に置き換えるとのことです。
5年で全て取り換えるのは難しい
特急車両の更新計画は、2014年度末にまとめる「安全投資と修繕に関する5カ年計画」に盛り込まれる予定です。時事通信によると、島田社長は「5年間で全て取り換えるのは難しい」としており、キハ183系のうち経年30年以上の約30両を優先的に更新する考えを示しました。キハ261系が2016年度までに28両増備されることが決定しているので、それとの置き換えを示しているとみられます。
残り約30両の更新計画が上記の「5カ年計画」に盛り込まれるわけですが、予算や車両メーカーの製造能力の兼ね合いもあります。置き換え車両の手配が間に合わない場合、1月13日の記者会見で西野副社長が示唆したように、ダイヤ調整による「減便」になるのかもしれません。
キハ183系よりも785系の引退のほうが早まるのは驚きですが、785系は「スーパー白鳥」の廃止により置き換え車両のメドが付いたから、ということでしょう。逆に言うと、キハ183系は置き換え車両を調達するのに時間も予算もかかるため、785系よりも引退時期が遅くなっているようです。
最後までキハ183系が走るのはどこか?
さて、一昨日の当サイトでは、キハ183系が全部引退する可能性を記しましたが、島田社長の発言により、22両については少なくとも5年以上は現役を継続することが明らかになりました。また、同時に、それ以外の68両については、リニューアル作業を行わなず廃車にすることが明示されたといえます。
運行継続の22両がどこに充当されるかはわかりません。「北斗」ではないでしょうから、「オホーツク」か「サロベツ」ということになります。
まったく個人的な推測ですが、「サロベツ」は減便か「スーパー宗谷」に統合される形で列車名が消滅、「オホーツク」で最後のキハ183系が運行継続し、キハ261系「スーパーオホーツク」と併存するのではないのでしょうか。