JR北海道が、2026年春のダイヤ改正で、旭川方面の特急列車を全車指定席化し、道内特急の自由席を全て廃止します。あわせて、割引きっぷを「えきねっと」商品に統一し、定期券と併用できるサブスク特急券も発売すると発表しました。
函館・宗谷・石北線特急
JR北海道が2026年春に全車指定席化をするのは、札幌から旭川方面の函館・宗谷・石北線特急です。
具体的には、札幌~旭川間の「カムイ」「ライラック」、札幌~稚内間の「宗谷」、旭川~稚内間の「サロベツ」、札幌~網走間の「オホーツク」の、5つの特急列車です。
これら列車は、2026年春のダイヤ改正により、自由席が廃止されます。これにより、北海道内の特急列車はすべて全車指定席となり、自由席は姿を消します。

紙の割引きっぷを発売終了
旭川方面の特急列車の全車指定席化にあわせ、紙で発売する一部の企画商品の設定を終了します。発売終了となる商品は以下の通りです。
○自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)
○指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)
○札幌快得きっぷ
○旭川・名寄4枚回数券
○札幌往復限定きっぷ
○富良野・札幌往復きっぷ
○ふらの・びえいフリーきっぷ
○旭山動物園きっぷ/旭山動物園アクセスきっぷ
いずれも2026年春に発売を終了する予定です。終了日は未発表ですが、おそらくは、3月のダイヤ改正日にあわせて終了されるとみられます。
これらの商品の廃止により、特急の割引きっぷは、「えきねっと」で販売するインターネット商品「特急トクだ値1」と「在来線チケットレス特急券(トク割)」に統一されます。
サブスク特急券登場
特急列車の全車指定席化にあわせて、新たな商品としてサブスク特急券「特急 e-Pass」の発売を開始します。
この商品は、普通列車用の定期券と併用して、特急列車の指定席が毎日利用可能になるものです。一般用(通勤用)と、通学用の2種類を設定します。
設定区間は以下の通りです。
【一般用】
札幌~旭川・室蘭・洞爺・トマム
【通学用】
札幌~旭川・室蘭・洞爺・トマム
函館~長万部
新得~釧路
旭川~稚内・網走
購入可能な範囲は、いずれも営業キロが200km以内の区間に限られます。
専用サイトで座席指定可能
「特急 e-Pass」は、定期券区間のみ購入でき、定期券と併用する場合にのみ利用できます。普通乗車券との組み合わせはできません。専用サイトで14日前から座席指定が可能です。
価格は、札幌~岩見沢間を例に取ると、1箇月が一般用18,850円、通学用15,720円です。定期券を含んだ価格は、現状の特急用定期券「かよエール」と同額です。1か月を22日として計算すると、1日あたり一般用の特急料金が856円、通学用が714円です。
片道400円前後の価格設定となっていて、現状の自由席特急券(630円)より30%以上安くなっています。
「かよえーる」も廃止
特急列車の全社指定席化により、特急用定期券「かよエール」は、2026年春から特急定期券「かよエール+」に変更し、普通車指定席が利用可能となります。
「かよエール+」への切り替え前に発売された「かよエール」も、2026年春のサービス開始以降は「かよエール+」と同じ効力となります。
「かよエール+」では、乗車日の7日前から話せる券売機や駅の窓口で座席指定を受けることができます。
ただし、「かよエール」「かよエール+」ともに、2027年3月31日の利用分をもって取り扱いを終了し、「特急 e-Pass」にサービスを統一します。(鎌倉淳)























