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JR東日本、インバウンド伸び悩み。「地震予言」影響、JR東海、西日本と明暗

万博効果も限られて

JR東日本は2025年度中間決算で、インバウンド収入が計画に達しませんでした。7月の「地震予言」が影響したようです。JR東海やJR西日本は関西万博効果で大幅増となりましたが、明暗を分けました。

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1割弱の増加にとどまる

JR本州三社が2025年度中間決算を発表しました。各社とも鉄道運輸収入が伸びて好調でしたが、インバウンド収入では会社により様相が異なりました。

JR東日本の運輸部門(モビリティ)のインバウンド収入(中間期累計)は180億円で、前年度の167億円より1割弱増加しました。ただ、計画の195億円には及びませんでした。

いっぽう、JR東海のインバウンド収入累計は770億円で、前年度の510億円から5割も増えています。また、JR西日本は246億円で、前年度の192億円から3割近く増えました。

E5系

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地震予言が影響

JR東日本は、インバウンド収入が計画未達になったことについて、「7月の地震予言影響により、香港からの旅行者を中心に利用が減少したため」としています。

地震予言の影響は、東日本エリアに限ったものではありませんでした。実際、JR東海でも、第2四半期に限れば、対前年度の伸び率は3割程度です。JR東海の第1四半期は7割近い伸びだったので、「地震」の影響は東海道新幹線にも及んでいたことが察せられます。

また、JR西日本も第2四半期は2割強の伸び率で、第1四半期の3割より縮小しています。

そのなかで、JR東日本でインバウンドがもっとも伸び悩んだ理由は、大阪・関西万博の恩恵が小さかったことが挙げられそうです。

JR東海やJR西日本は、関西万博の効果が地震の影響を打ち消した面がありますが、JR東日本ではその効果が限られていたということです。

JR東日本インバウンド収入
画像:JR東日本2026年3月期 第2四半期 決算説明資料

 
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デジタル充実で挽回

JR東日本では、2025年10月1日から、訪日外国人向けアプリ「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」の連携を開始。これにより、スマホアプリで在来線特急の予約や、新幹線eチケットの利用が可能になりました。

「成田エクスプレス」や「富士回遊」など、訪日外国人に需要の大きな在来線特急の予約がしやすくなったわけです。

同社では、「デジタル面も充実させることにより、インバウンド収入を伸ばしていきたい」としています。(鎌倉淳)

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