東海道・山陽新幹線の利用者が大幅に増加しています。8月実績では、東海道新幹線が前年同月比23%増、山陽新幹線は同13%増を記録しました。万博効果とみられ、JRに恩恵をもたらしています。
最新の利用状況
JR東海とJR西日本は、それぞれ、最新の利用状況を公表しました。
JR東海によると、東海道新幹線の2025年8月利用実績は、東京口が前年同月比21%増、大阪口が同23%増でした。JR西日本によると、山陽新幹線は13%増でした。
比較として、JR東日本が公表した東北新幹線の8月実績は6%増、上越新幹線は4%増にとどまるので、東海道・山陽新幹線の利用者が大幅に増えていることがわかります。
9月26%増
東海道・山陽新幹線の利用者増の理由は、素直にとらえれば万博効果でしょう。インバウンドの増加や出張需要の回復、台風による飛行機欠航の影響、昨年の南海トラフ地震情報の反動なども、理由として挙げられますが、やはり万博が大きいでしょう。
東海道新幹線大阪口の場合、4月に9%増だったところ、5月に13%増、6月に17%増、7月に15%増と推移し、8月に23%増と大幅な増加を記録しています。9月も10日までの暫定で26%増です。
万博入場者数が8月中盤から急増していますが、軌を一にする形で、東海道新幹線の利用者も増えているわけです。東海道新幹線の利用者数の分母の大きさを考えると、20%以上の大幅増というのは、かなりインパクトがあります。
10%増に貢献?
JR東海のお盆期間の利用実績をみると、10日間で409万人が東海道新幹線を利用しています。ピーク期間の利用者が1日あたり約40万人ということです。
万博入場者数は1日十数万人で、関東からの来訪者は約16%。つまり1日2万人程度が関東から来ているわけで、その多くが新幹線を利用したと考えられます。東海地方からの来訪者数も加味すれば、往復で1日4万人程度の新幹線利用者増に貢献していると推測できます。
そう考えると、東海道新幹線の利用者増(20%)の半分程度(10%)は、万博来訪者に起因すると考えることができます。
近畿圏の在来線利用者も増加
近畿圏では、在来線利用者も増加しています。JR西日本の8月の近距離券発売枚数は10%増、9月は7日までで17%増となっています。
在来線特急は12%増です。在来線特急は近畿圏外も含んだ数字ですが、JR西日本の在来線特急は近畿圏が主体です。
万博は10月13日まで開催しています。それまでは、東海道・山陽新幹線と近畿圏の在来線の賑わいが続きそうです。(鎌倉淳)